「今週の映画と本」

「今週の映画と本」
「私の2020年の映画の評価は?」あくまで私感ですからね!!
「ハスラーズ」(TC日比谷にて)私的批評眼★★★(今年21作品目)
2010年代前半のニューヨークを舞台に、ストリッパーたちがウォール街の男たちを罠にかけ、クレジットカードから代金を盗み出した事件を描く。アルコールに薬を入れて酔わせた上でサインをさせるという手口で犯罪が行われたが、彼女たちに罪悪感は殆どなかった。何故ならば被害者は貧者から財産を奪ったウォール街の強奪者だったからだ。

2月14日の日経新聞「シネマ万華鏡」の評価は、「1917 命をかけた伝令」が4つ星、「屋根裏の殺人鬼フリッツ・ホンカ」が4つ星、「ふたりのJTリロイ」が3つ星、「ザ・ビーナッツバター ファルコン」が3つ星、「巡礼の約束」が3つ星、「ゴッドバイ 嘘からはじまる人生喜劇」が3つ星、「影裏」が2つ星でした。

「2020年の映画、私的評価表」あくまで私の私感ですからね!
★★★★★=「ジョジョ・ラビット」「リチャリード・ジュエル」「九人の翻訳家」「ナイブズ・アウト」
★★★★=「フィッシャーマンズソング」「パラサイト」「ダウントン・アビー」「風の電話」「偽りのゲーム」

「2019年の映画はこんなでした」 2019年は199作品の映画を観ました。
★★★★★=「ボヘミアン・ラプソディ」「グリーンブック」「運び屋」「こどもしょくどう」「さよなら くちびる」「ディリリのパリの時間旅行」「イエスタデイ」「決算!忠臣蔵」「再会の夏」「男はつらいよ、お帰り、寅さん」

「2020 観劇シリーズ」 2019年の歌舞伎観劇は6度でした。
一月大歌舞伎=新橋演舞場(昼の部)・祇園祭礼信仰記「金閣寺」
                 ・御存「鈴ヶ森」海老蔵と息子勧玄君が出る。
                 ・新作歌舞伎「雪蛍恋乃滝」秋元康作演出
相撲観戦=1月場所観戦しました。 5月場所観戦予定です。

「2020 旅暦」
これまで行った国々の合計数は、71か国(直近18年5月のモンゴル)、昨年はハワイに4回行きました。

「2020 読書記録」 2019年の読書数は、259冊でした。
「活動写真の女」(浅田 次郎 著)双葉文庫 私的批評眼★★★★(今年44冊目)

「酒合戦」(佐伯 泰英 著)文春文庫 私的批評眼★★★★(今年45冊目)「新・酔いどれ小藤次」シリーズ第16弾

「不俱戴天の敵」(坂岡 真 著)文春文庫 私的批評眼★★★(今年46冊目)「しノ字組」シリーズ第4弾

「上意返し」(氷月 葵 著)二見文庫 私的批評眼★★★(今年47冊目)「御庭番の二代目」シリーズ第12弾

「花唄の頃へ」(今村 翔吾 著)ハルキ文庫 私的批評眼★★★★(今年48冊目)「くらまし屋稼業」シリーズ第6弾

「致命傷」(小杉 健治 著)二見文庫 私的批評眼★★★★(今年49冊目)「栄次郎江戸暦」シリーズ第23弾

「朧夜ノ桜」(佐伯 泰英 著)文春文庫 私的批評眼★★★★(今年50冊目)「居眠り磐音 決定版」シリーズ第24弾

「白桐ノ夢」(佐伯 泰英 著)文春文庫 私的批評眼★★★★(今年51冊目)「居眠り磐音 決定版」シリーズ第25弾

「鯨とウミガメの国、ハワイへの旅」

『J REPORT 2020年2月第3週号』
「リタイアメント・ノート 11年8か月目」
「VOL.1147号 SINCE  AUG.12th, 1983」
「旅暦92 鯨とウミガメの国、ハワイへの旅」
今年最初のハワイ行きだ。機体はエアバスA380二階建ての大型機種だ。ラウンジで芋焼酎を4杯程飲みほろ酔い加減で乗り込んだ。
機内食の前に前菜が出た。チーズとシュリンプを食べた。(写真:A1)
メインは洋食をチョイス、「ガーリック・シュリンプ」だ。(写真:A2)
味はまあまあだが、食欲沸かずに大半を残す。

ハワイ到着時、いつも通りイミグレーションは大混雑。さすが中国人の旅行者はいなかったが、日本人と韓国人で溢れていた。通関に約50分掛かった。特に機械に指紋を読み取らせるのがどうしても出来ず、係員に聞いたら「キャンセルして、そのまま進め」ということで最終的には人間(係員)との対面で通関完了。
その日の食事はホテルの36階のレストラン「シグニチャー」に行く。ダイヤモンド・ヘッドが眺められる場所だ。毎回ハワイ訪問時には行っている店だ。
あっという間に席が埋まる。勿論午後4時半からの「ハッピーアワー」目的の人たちだ。ここのハッピーアワーは4時半から6時半の間だ。それでは始めましょう。
「ジン・トニック」$9.5。(写真:A3)
「アヒ・タルタル」$9.5。(写真:A4)
マグロを叩きにして焼いたパンの上に乗せて食べる。これが地元名物で美味しい。
「リブアイ」$25。(写真:A5)
熱々の皿に乗せられたステーキは蕩けるようだ。塩と胡椒のみの味付けが美味しい。これだけで満足だ。
「スパイシー・ガーリック・枝豆」$6.95。(写真:A6)
これらのメニューは前回訪れた時にも食べたものだが、美味しさは変わらない。枝豆の食べ方でこの方法がハワイの常識だそうだ。ガーリックに唐辛子を合えて炒めたものだ。
これで本日の食事は終了です。
まだ夕方の6時前だが、前日の夜間飛行で余り眠れていないので早めに床に着く。

気が付いたら現地時間午前11時だった。寝過ぎた。最初に行ったのは、元々は倉庫群だったが、ワイキキからこちらまでコンドミニアム等が広がってきて再開発されている地区が「カカアコ」だ。そこの倉庫の壁に絵が描かれているのが、人気になっている。行く度に絵が新しく更新されているのが不思議だ。それでも観てみよう。(写真:A7)
(写真:A8)
(写真:A9)
(写真:A10)
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(写真:A17)
(写真:A18)
(写真:A19)
この地区で一番人気の絵がこれだ。LEALEAの車の表にも描かれている。
(写真:A20)
トトロの絵も変わっていない。
(写真:A21)
(写真:A22)
(写真:A23)
(写真:A24)
(写真:A25)
ここは多分ホノルル一治安の悪い所だろう。かなり改善されているとはいえ、夜間は立ち入り禁止だ。危ない地区だ。さて歩き回って疲れた。
ワイキキに行き、新しい店の開拓に向かう。「NORDSTROM RACK」の隣に地元の最大手コンビニ「ABC ストア」が初めて経営したレストランが「BASALT」だ。(写真:A26)
まず竹炭を練り込んだパンだ。(写真:A27)
ちょっと甘い感じがする。
次が「シーフード・ミックス・グリル」だ。(写真:A28)
余り感心しないなあ。
次がメインの「リブアイ・ステーキ」380gだ。(写真:A29)
これも今一つかな?と言った具合で新しい店はリピーターにはなれそうもなかった。
値段は本格派だったけれどね。因みにシーフードが$39、にステーキは$51でした。
この店の名物は竹炭を練り込んだパンケーキだそうだ。

帰りに夜空を見上げると満月がのぞいていました。ウサギさんはニコニコしてるかな?(写真:A30)

「鯨見物」

「鯨見物」
まず現在のハワイの気候の話し。気温は15度から24度程度なのだが、風が強く意外に寒い。今回は薄手のダウンジャケットを持参して来た。それでも寒い。また雨はシャワーではなく、スコールのような雨が都度降る。だからやはりハワイでも冬なのだ。昨年2月には大風が吹き、マウイ島では雪も降ったが、自然はどこでも平等に冬になるということだ。
今日は鯨見物だ。港に入る直前に虹が見えた。(写真:C1)
昨年二月にも鯨見物に行ったし、都合3度目の船旅だ。
乗る船と後ろにはアロハタワーがあり、その上に虹が掛かった。これも雨の影響だ。
いよいよ出航だ。ダイアモンド・ヘッドの上に太陽が輝いている。(写真:C2)
ホノルル沖での鯨見物だ。早速鯨登場。船は多分色々な機器を備えていて、鯨を追跡しているから、客に観せることが出来るのだろう。では鯨さん、宜しく。(写真:C3)
潮を噴き上げながら、背を見せてまた沈んで行く鯨。数頭の群れでいるみたいだ。(写真:C4)
(写真:C5)
(写真:C6)
(写真:C7)
(写真:C8)
(写真:C9)
(写真:C10)
(写真:C11)
(写真:C12)
(写真:C13)
(写真:C14)
(写真:C15)
(写真:C16)
とその時、突然一頭の鯨が空中に飛び出した。まるで陸上競技の背面飛びのように豪快に自ら飛びあがったのだ。しまった。シャッターチャンスを逃す。しかし画面左部分に辛うじて鯨が着水する直前の姿を捉えることに成功した。(写真:C17)
感激だ。その後の水が泡立っている。(写真:C18)
(写真:C19)
いやあ、まさかあのジャンプが観られるとは夢にも思わなかっただけに感動でした。
近くにも鯨が現れた。(写真:C20)
(写真:C21)
(写真:C22)
(写真:C23)
(写真:C24)
二頭が見える。(写真:C25)
まずまずの鯨見物でした。沢山見えて良かったです。この時期、鯨たちは夏場生活していた北の海からハワイ周辺の海にやってきて出産子育てして半年暮らすという。生まれたての子供鯨は脂肪分が少ないので、北の冷たい海での生活は難しいという。その点暖かいハワイ海域は子育てに適しているという。その間母鯨は一切食事を採らず、減量してしまう。そして夏には栄養豊富な北の海でまた体力を回復させて、2-3年に一度出産するという。19世紀からの鯨漁で頭数が大幅に減少した鯨。日本の文化との調和も難しい時代だが、ハワイでは鯨たちは暖かい海で元気良く暮らしていた。
夕食は、日本人が多く泊まる「ハイアットリー・ジェンシー・ワイキキ」のビュッフェ・レストランに行く。名物は「蟹」と「ローストビーフ」だ。飲み物は「モヒート」を頼む。(写真:C26)
ローストビーフ。(写真:C27)
蟹。(写真:C28)
野菜類。ビュッフェだから自由に取ってくる。(写真:C29)
はっきり言って蟹は二級品だから美味しさは感じられない。でも隣のテーブルの中国人グループは蟹を山盛りにしてきて何度も何度も追加して食べていた。
ここでも室内なのに鳩が残飯整理をしていた。(写真:C30)
店頭はこんな感じでした。(写真:C31)
一人$65をどう考えるか、人により価値観は違うが、どうでしょうかね?

「DUKE’S」

「楽天ラウンジ」
バスのラッピングにラウンジがあることは知っていたのだが、楽天カードを持参し忘れてたが、今回は何とか忘れなかったので、まずアラモア・ナショッピング・センターにある「楽天ラウンジ」を訪れた。
入口には「日焼けしたお買い物パンダ」という大きな人形があった。(写真:D1)
キッズ・ルームも完備していた。(写真:D2)
中では冷たいソフトドリンクやコーヒー類、お茶等もあり、一応数量制限はあるのだが、摂取可能だ。但し一グループ1時間以内滞在可ということだった。
これならば利用しやすい。飲み問題は勿論ただです。(写真:D3)
同じラウンジはDFS内にもあるから便利だ。大いに利用することにした。

「DUKE’S」
ワイキキのアウトリガー・ホテルの一階にあるのが、「DUKE’S」だ。もう何十回と訪れたことのある店だ。兎に角地元の人たちでいつも満席の人気店だ。当然到着して直ぐに予約したから、簡単に入店出来た。
席は一番海岸側のベストポジションだ。残念ながら雲が出ていてサンセットは見られなかったが、夕暮れ時のワイキキ・ビーチだ。(写真:D4)
ダイアモンド・ヘッドだ。(写真:D5)
昨日に続いてカクテルは「モヒート」を頼む。(写真:D6)
「サラダ・バー」は一人$5だが、十数種類のサラダやパン等が自由に食べられる。これが人気の一つなのだ。私も野菜中心にして食べる。(写真:D7)
日没だ。(写真:D8)
暗闇のワイキキ・ビーチだ。(写真:D9)
(写真:D10)
メインの「テンダーロイン・ステーキ」$38。(写真:D11)
もう一品、「ココナッツ・ブレイズド・シーフード」$29。(写真:D12)
いやあ、納得の味と価格で大満足でした。ホノルルのお勧めステーキハウスは私はこの店だとこの30年位思っています。

「クアロア・ランチ」

「クラロア・ランチ」
オアフ島の北西の海岸にそれはあった。「ジェラシック・ワールド」や「ジュマンジー」、「コング」等の映画の撮影現場にもなったのが、「クラロア・ランチ」だ。ワイキキから車で約1時間、美しい海と山が出迎えてくれた。
山が目の前に迫っている。(写真:E1)
(写真:E2)
(写真:E3)
途中にハワイ原住民のスタチューがあった。これは勿論模型だ。(写真:E4)
(写真:E5)
「ウエルカム TO ジャングル」でお馴染みの「ジュマンジー」の撮影現場だ。(写真:E6)
(写真:E7)
(写真:E8)
豚の頭の像。(写真:E9)
ここからは「ジェラシック・ワールド」だ。(写真:E10)
(写真:E11)
パークの入口のセットだ。(写真:E12)
(写真:E13)
檻があった。(写真:E14)
全て撮影当時のセットだという。ジャングルだ。(写真:E15)
映画「コング」の撮影現場だ。ヘリの残骸だ。(写真:E16)
(写真:E17)
その他の映画のセットも残っている。(写真:E18)
(写真:E19)
高い山が迫っている。(写真:E20)
ダイナソーの模型が恐ろしい?(写真:E21)
人工的な淡水湖がある。昔から地元の人はここに魚を飼い、欲しい時に釣るということで蛋白源を確保していたという。(写真:E22)
池の周囲にも撮影時のセットが残っている。(写真:E23)
「LOST」という映画のものだそうだ。
地面に落ちているココナッツの実から小さな枝が映えている。再生の姿だ。(写真:E24)
ボートに乗る。(写真:E25)
しかし、無難な旅とはいかず突然のスコールだ。物凄い降りようだ。周囲が霞む。(写真:E26)
(写真:E27)
小さな島がある。周囲には浅瀬がある。(写真:E28)
そこに発見。ウミガメ、地元では「ホヌ」というのが現れたのだが、小さくて写真には見つけがたいが、ちょっとだけ頭が出ている。(写真:E29)
水辺では人々が思い思いに遊んでいた。(写真:E30)
昼食はバイキング。(写真:E31)
そしてバギーでのコンボイが出撃だ。どろどろがたがたの道を進む。これが面白いのだ。時速16-7kmなのだが、揺れが酷いし、スピード以上の感覚を味合うことが出来る。
いよいよ映画の撮影地が目の前だ。「ジェラシック・ワールド」の入口だ。(写真:E36)
(写真:E37)
「ジェラシック・ワールド」でダイナソーに追われ、透明な丸い球体で逃げる場面や逃げ惑る人たちが撮影された場所だ。(写真:E32)
コンボイだ。(写真:E33)
(写真:E34)
海が綺麗だ。(写真:E38)
(写真:E39)
映画「コング」の残骸の跡。(写真:E40)
いやあ、運転も大変だったが、実に面白かった。本当に楽しいバギーのコンボイでした。

夕食は買い出ししてきてホテルですます。(写真:E35)

「ANAは亀の飛行機」

「ANAは亀の飛行機」
いよいよ帰国日だが、どうも日本は大変なことになっているようだ。というのもハワイではマスクをしている人は全くいないからだ。国内での新型肺炎ウィルスがどうなるのか?ハワイとは別世界のようだ。
まずは空港へ向かう。乗るのはA380の二号機だ。ウミガメがラッピングされている。(写真:F1)
ラウンジは昨年5月末に出来たが、今回じっくりとトイレを観ていたら、全面板張りのシックなものだと改めて認識した。いいね、木の文化。(写真:F2)
国立競技場も木だよね。さて、機内で頼んだのは「芋焼酎」でした。(写真:F3)
この一週間、ほぼ禁酒状態だったので、久しぶりの飲酒だ。それは食事時にカクテルを一杯は飲んだが、それ以上は飲まなかったから、本当に久しぶりと言った感じだ。
機内食は「ステーキ」にした。(写真:F4)
デザートはアイスクリーム。(写真:F5)
その後6時間後に頼んだのが「ホットサンドイッチ」と、「キノコのスープ」だ。(写真:F6)
とはいっても私のオプションだから、他にも「うどん」もあった。
以上、ハワイより勢古口がお送りしました。

「ブタペスト ヨーロッパとハンガリーの美術400年」

『J REPORT 2020年2月第2週号』
「リタイアメント・ノート 11年8か月目」
「VOL.1146号 SINCE  AUG.12th, 1983」
「ブタペスト ヨーロッパとハンガリーの美術400年」
国立新美術館で開催中の「ブタペスト」絵画展に行ってきた。(写真:B2)B2
日本とハンガリーの外交関係解説150周年を記念して、ハンガリー最大の美術館であるブタペスト国立西洋美術館とハンガリー・ナショナル・ギャラリーのコレクション展だ。ルネッサンスから20世紀初頭までの約400年の絵画、素描、彫刻の名品130点が一堂に会した。印象としては美しい女性の絵が多かった。パンフレットから紐解いていこう。
ティツィアーノ作「聖母子と聖パウロ」1540年頃油彩(写真:B3)B3
クロード・モネ作「トゥルーヴィルの防波堤、干潮」1870年油彩カンヴァス(写真:B4)B4
左は、エル・グレコ「聖ヤコブ」1600年頃、油彩カンヴァス(写真:B5)B5
右は、フランツ・クサーヴァー・メッサーシュミット作「性格表現の頭像 子どもじみた泣き顔」1771^1775年、鉛と鈴の合金
オーギュスト・ルノワール作「少女の胸像」1895燃油彩カンヴァス(写真:B6)B6
ムンカーチ・ミハーイ作「フランツ・リストの肖像」1886年油彩カンヴァス(写真:B7)B7
画家のミハーイと親交の厚かった音楽家のリストとが交互の作曲と肖像を送りあったというもの。
ヴァアリー・ヤーノシュ作「黄金時代」1989年油彩カンヴァス(写真:B8)B8
リップル・ローナイ・ヨージェフ作「赤ワインを飲む私の父とピアチェク伯父さん」1907年油彩厚紙(写真:B9)B9
クルト・シュヴィッタース作「メルツ(ボルトニクのために)」1922年コラージュ 紙(写真:B10)B10
シニェイ・メルシェ・パール作「紫のドレスの夫人」1874年油彩カンヴァス(写真:B1)B1
実に美しい女性だ。画家の妻だという。ハンガリーでも大人気の絵画だという。
ルカス・クラーナハ作「不釣り合いなカップル 老人と若い女」1522年油彩 板(写真:B11)B11
親しそうな老人に対して不似合いなカップルだが、女性の右手をよく見てみよう。実は老人の懐から財布を盗もうとしているのだ。皮肉めいた画題が作者の狙いだそうだ。
見逃したくない展覧会でした。

「今週の映画と本」

「今週の映画と本」
「私の2020年の映画の評価は?」あくまで私感ですからね!!
「ナイヴス・アウト 名探偵と刃の館の秘密」(UC豊洲にて)私的批評眼★★★★★(今年16作品目)映画ナイヴズ;アウト
いやあ面白かった。ベストセラー作家で大富豪の85歳の男の誕生日のこと。家族が集まったその夜、作家が自殺した。しかし警察は自殺か他殺かを疑った。そこへ現れたのが名探偵。匿名の依頼人から事件の捜査を依頼された。犯人は誰か?まずは介護を行っていたナースの若い南米出身の女性。そして家族たち。兎に角次々に事件は展開し、最後の最後までどんでん返しの連続だ。さて犯人は?キーは看護女性だ。彼女は嘘を付けない性質で、嘘を付くとすぐに身体が反応し吐いてしますのだ。まあ観てください。最高の推理ドラマです。

「バッド・ボーイズ フォー・ライフ」(TC日比谷にて)私的批評眼★★★(今年17作品目)映画バッドボーイズ
マイアミ市警のあばれ者刑事のマイクとマーカス。二人揃えてバッド・ボーイズ。嘗て捉えたメキシコマフィアの女首領が脱走して、当時の関係者を殺し始めた。実際に殺人を行うのは彼女の息子。マイクも殺されかけたが、何とか助かった。半年後彼女に立ち向かうのだが、実はそこには複雑な人間関係があったのだ。兎に角銃撃戦とカーチェイスの連続だ。

「AI崩壊」(UC豊洲にて)私的批評眼★★★(今年18作品目)映画AI崩壊
人類を豊かに安心して生活できるようにするシステム「AI」が突然暴走し、社会に不要な人間を抹殺しようとし始めた。設計者が犯人だと思われるが、彼は何物かの陰謀だと推理し、それらに挑むという近未来の世界を描く。最後に「AIは人間をしあわせにするのか?」という問いに対して設計者は「親は子供を幸せにするのか?」と答えた。

「母との約束 250通の手紙」(シネスイッチ銀座にて)私的批評眼★★★(今年19作品目)映画は鳩の約束250通の手紙
実話。フランスを代表する作家の半生を描く。母と子の二人だけでポーランドからフランスにやって来て苦労してフランスに馴染もうとするユダヤ人親子。母親はニースで何とか成功するが、彼女は息子に大作家になることを望み、全てをその目的に向けて賭ける。そんな重圧を超えようと努力する者の歯車はかみ合わない。そして第2次世界大戦に突入したフランス軍に入った息子に母や何と250通もの手紙を出し息子を励ます。親の愛を感じる映画でした。

「偽りのゲーム」(UC豊洲)私的批評眼★★★★(今年20作品目)映画偽りのゲーム
二人の老人と老女がネットで出会う。老人は詐欺師、老女の財産と奪おうと計画するのだが、中々面白いね。

2月7日の日経新聞「シネマ万華鏡」の評価は、「偽りのゲーム」が4つ星、「37セカンズ」が4つ星「プロジェクト グーレンベルグ」が4つ星、「ハスラーズ」が4つ星、「ロニートとエステイ 彼女たちの選択」が4つ星、「犬鳴村」が3つ星、「静かな雨」が3つ星でした。

「2020年の映画、私的評価表」あくまで私の私感ですからね!
★★★★★=「ジョジョ・ラビット」「リチャリード・ジュエル」「九人の翻訳家」「ナイブズ・アウト」
★★★★=「フィッシャーマンズソング」「パラサイト」「ダウントン・アビー」「風の電話」「偽りのゲーム」

「2019年の映画はこんなでした」 2019年は199作品の映画を観ました。
★★★★★=「ボヘミアン・ラプソディ」「グリーンブック」「運び屋」「こどもしょくどう」「さよなら くちびる」「ディリリのパリの時間旅行」「イエスタデイ」「決算!忠臣蔵」「再会の夏」「男はつらいよ、お帰り、寅さん」

「2020 観劇シリーズ」 2019年の歌舞伎観劇は6度でした。
一月大歌舞伎=新橋演舞場(昼の部)・祇園祭礼信仰記「金閣寺」
                 ・御存「鈴ヶ森」海老蔵と息子勧玄君が出る。
                 ・新作歌舞伎「雪蛍恋乃滝」秋元康作演出
相撲観戦=1月場所観戦しました。 5月場所観戦予定です。

「2020 旅暦」
これまで行った国々の合計数は、71か国(直近18年5月のモンゴル)、昨年はハワイに4回行きました。

「2020 読書記録」 2019年の読書数は、259冊でした。
「うき世櫛」(中島 要 著)双葉文庫 私的批評眼★★★(今年40冊目)本うき世櫛

「浪人奉行 八ノ巻」(稲葉 稔 著)双葉文庫 私的批評眼★★★★(今年41冊目)「浪人奉行」シリーズ第8弾本浪人奉行

「夢の帆は永遠に」(倉坂 鬼一郎 著)光文社文庫 私的批評眼★★★(今年42冊目)「南蛮おたね夢料理」シリーズ第10弾完結編本夢の帆は永遠に

「金四郎の妻ですが2」(神楽坂 淳 著)祥伝社文庫 私的批評眼★★★(今年43冊目)「金四郎の妻ですが」シリーズ第2弾本金四郎の妻ですが

「出雲と大和」

「孫娘と愛犬」
孫娘が風邪をひいたということで一時留守番を頼まれたので出掛けた。すると微熱はあるものの意外に元気でインフルエンザではなさそうなので安心した。(写真:孫と犬)孫と犬
布団に寝ころびながら、iPadを観ている孫娘の隣で寝ているのは愛犬だ。風邪には注意しよう。

「出雲と大和」(日本書紀成立1300年特別展)
東京国立博物館平成館で開催中の「出雲と大和」特別展に行ってきました。(写真:C1)C1
日本書紀が出来て、今年で丁度1300年という節目の時に日本という国が成立する二つのバックボーンである「出雲」と「大和」からの約170件もの国宝重要文化財が出展されています。(写真:C2)C2
兎に角国宝のオンパレード。日本書紀は我が国最古の正史であり、編纂された養老4年(720)、その冒頭に記された国譲り神話によると、出雲大社に鎮座するオオクニヌシは「幽(ゆう)」、即ち人間の能力を超えた世界、いわば神々や祭祀の世界を司るとされている。一方で天皇は大和の地において「顕(けん)、即ち目に見える現実世界、政治の世界を司るとされている。つまり、古代において出雲と大和はそれぞれ「幽」と「顕」を象徴する場所として、重要な役割を担っていたのだ。
それでは写真撮影可の場所とパンフレットから観ていこう。
加茂岩倉遺跡(島根)出土の銅鐸。(写真:C3)C3
同じ場所のイメージ図。(写真:C4)C4
法隆寺金堂壁画 複製陶板。(写真:C5)C5
出雲大社の宇豆柱(うずばしら)。(写真:C6)C6
巨大な木材を3本合わせて一つの柱にしているもの。これらの柱が都合9本建てられていた。復元すると48mもの巨大な社になることがわかったという。また社の上まで登る長い階段はなんと約130mもあったと考えられるというのだ。
足利義政が出雲大社に献じたとされる大鎧。(写真:C7)C7
中世の戦いは騎馬武者による所謂個人戦だった。それが歩兵による集団戦に変わり、鎧の役目も変わった。従って写真のような見事な飾りを付けた鎧は形骸化し神社に捧げられたようだ。
国宝「秋野鹿蒔絵手箱」鎌倉時代のもの。(写真:C8)C8
出雲市荒神谷遺跡出土の青銅器で銅剣、銅鐸、銅矛で国宝である。(写真:C9)C9
一カ所からこれほど大量の剣や鐸が出たのは驚きだ。前2世紀から前1世紀のもので、如何に当時の出雲が大陸と関りが多く、また権力が集中していたかが分かる。
島根県松江市平所遺跡出土の埴輪「見返りの美鹿」(写真:C10)C10
古墳時代の5-7世紀のもの。人間が現れたのを見返って姿が美しいの埴輪だ。歯には今まさに草を食んでいたという瞬間だ。
奈良県斑鳩町の藤ノ木古墳からの出土。6世紀。国宝「金銅装鞍金具」後輪(しずわ)。(写真:C11)C11
東アジア随一の煌びやかな馬具だ。勿論前輪もあった。
左の仏像は唐招提寺の四天王像の内の国宝「広目天立像」6世紀。(写真:C12)C12
鑑真和上がもたらした中国風の仏像だ。
写真はないが、奈良の當麻寺所蔵の7世紀の「持国天立像」、製法が凄い。まず泥で立像の形を造り、その上から麻布を置き更に漆で塗り固めた後、内部の泥を出した上で細部を加工するという特殊技術でこれは勿論中国よりもたらされたものだという。
右は国宝「七支刀」で、奈良の石上神宮所蔵品だ。古墳時代の4世紀に大陸からもたらされたもので非常に貴重なものだという。日本書紀にもこの刀が伝わった経緯が載っている。
奈良県の石位寺所蔵の「浮彫伝薬師三尊像」飛鳥から奈良時代の7-8世紀のもの。最古級の石仏だ。(写真:C13)C13
奈良県天理市、黒塚古墳出土、古墳時代の3世紀のもの。「画文帯神獣鏡・三画縁神獣鏡」(写真:C14)C14
一度のこれだけ大量に出土したということは同じ型から作られたもので、大和朝廷の権威の象徴であり、王権の鏡として全国に配られた。三角縁とは鏡のはじの部分が三角形になっていることから付けられた。
今説明したものは、国宝以外は全て重要文化財である。
本当に凄い展覧会でした。

「茂木家美術館の北斎名品展」第14弾

「茂木家美術館の北斎名品展」第14弾
北斎親子。(写真:H1)H1
出典は「HOKUSAI MASTERPIECES OF ART」より

葛飾北斎の「北斎さまざま」シリーズ第3段をお送りします。

「葛飾北斎 農夫芋洗い」1831年(写真:H2)H2
風俗、花鳥、山水など幅広い画題からなる揃物の1図だ。桶に入れた芋を、棒でかき回すなどして洗う、芋洗いをする農夫が描かれている。芋洗いの様子を北斎は度々描いている。

「葛飾北斎 東海道五十三次 絵本 日本橋」1804-1818年(写真:H3)H3
東海道中膝栗毛のヒットや旅ブームを背景に、「東海道五十三次」は浮世絵で人気のテーマとなった。北斎は享和年間(1801-1804)から文化(1804-1818)中期頃、7種類の東海道シリーズを出していることが確認されている。この時期に「東海道五十三次」を描いた絵師の中では、一番多くの種類を描いている。本シリーズは「東海道五十三次」中、最も大きい版型だ。本図は「東海道五十三次」の起点である日本橋を行く人々の様子が描かれている。魚市場から魚を運ぶ魚屋など多くの人でにぎわっている。

「葛飾北斎 狂歌五色摺 鉄棒を磨く美人と漢武人」1802年(写真:H4)H4
非常に珍しい作品で、錫杖のような鉄の棒を磨く美人と煙管を咥える中国の武人が描かれているが、武人の特定は未だされていない。

籔内佐斗司作「画狂老人卍(北斎)」1991年(写真:H5)H5
籔内佐斗司氏は文化財保存修復の経験に基づく確かな技術で神羅万象をユーモラスに表現する彫刻家だ。平城遷都1300年祭の公式マスコット「せんとくん」の生みの親として知られている。本作は平成3年に銀座の画廊で開催された「籔内佐斗司の博物学的世界、本朝搏」展という、日本の歴史的な「超人」たちをテーマとする個展に出展されたものだ。北斎の自画像を見ながら制作したという。

「葛飾北斎 北斎漫画 初編」1814年(写真:H6)H6
北斎漫画は富嶽三十六景シリーズと並び広く知られている。1812年に北斎が関西に旅した際、名古屋の門人卓に滞在して描いた下絵約300図を2年後に名古屋の版元永楽屋東四郎が出版した絵手本だ。

「葛飾北斎 富嶽百景 初編」1834年(写真:H8)H8
富嶽百景は富士の神体「木花開耶姫命(このはなさくやひめ)」にはじまり、一筆書きで富士を描いた「大尾一筆の不二」まで、102に及ぶ様々な富士山にまつわる図を収載した絵本で、3冊で構成されている。「富嶽三十六景」に続いて発表されたもので、北斎富士図の集大成としても位置付けられている。
以上で「茂木家美術館の北斎名品展」の作品集を終えます。永い間お付き合いいただきありがとうございました。
北斎の天才さを改めて見つめ直しました。
以上、冬将軍が襲ってきた日本列島から勢古口がお送りしました。