「茂木家美術館の北斎名品展」第14弾

「茂木家美術館の北斎名品展」第14弾
北斎親子。(写真:H1)H1
出典は「HOKUSAI MASTERPIECES OF ART」より

葛飾北斎の「北斎さまざま」シリーズ第3段をお送りします。

「葛飾北斎 農夫芋洗い」1831年(写真:H2)H2
風俗、花鳥、山水など幅広い画題からなる揃物の1図だ。桶に入れた芋を、棒でかき回すなどして洗う、芋洗いをする農夫が描かれている。芋洗いの様子を北斎は度々描いている。

「葛飾北斎 東海道五十三次 絵本 日本橋」1804-1818年(写真:H3)H3
東海道中膝栗毛のヒットや旅ブームを背景に、「東海道五十三次」は浮世絵で人気のテーマとなった。北斎は享和年間(1801-1804)から文化(1804-1818)中期頃、7種類の東海道シリーズを出していることが確認されている。この時期に「東海道五十三次」を描いた絵師の中では、一番多くの種類を描いている。本シリーズは「東海道五十三次」中、最も大きい版型だ。本図は「東海道五十三次」の起点である日本橋を行く人々の様子が描かれている。魚市場から魚を運ぶ魚屋など多くの人でにぎわっている。

「葛飾北斎 狂歌五色摺 鉄棒を磨く美人と漢武人」1802年(写真:H4)H4
非常に珍しい作品で、錫杖のような鉄の棒を磨く美人と煙管を咥える中国の武人が描かれているが、武人の特定は未だされていない。

籔内佐斗司作「画狂老人卍(北斎)」1991年(写真:H5)H5
籔内佐斗司氏は文化財保存修復の経験に基づく確かな技術で神羅万象をユーモラスに表現する彫刻家だ。平城遷都1300年祭の公式マスコット「せんとくん」の生みの親として知られている。本作は平成3年に銀座の画廊で開催された「籔内佐斗司の博物学的世界、本朝搏」展という、日本の歴史的な「超人」たちをテーマとする個展に出展されたものだ。北斎の自画像を見ながら制作したという。

「葛飾北斎 北斎漫画 初編」1814年(写真:H6)H6
北斎漫画は富嶽三十六景シリーズと並び広く知られている。1812年に北斎が関西に旅した際、名古屋の門人卓に滞在して描いた下絵約300図を2年後に名古屋の版元永楽屋東四郎が出版した絵手本だ。

「葛飾北斎 富嶽百景 初編」1834年(写真:H8)H8
富嶽百景は富士の神体「木花開耶姫命(このはなさくやひめ)」にはじまり、一筆書きで富士を描いた「大尾一筆の不二」まで、102に及ぶ様々な富士山にまつわる図を収載した絵本で、3冊で構成されている。「富嶽三十六景」に続いて発表されたもので、北斎富士図の集大成としても位置付けられている。
以上で「茂木家美術館の北斎名品展」の作品集を終えます。永い間お付き合いいただきありがとうございました。
北斎の天才さを改めて見つめ直しました。
以上、冬将軍が襲ってきた日本列島から勢古口がお送りしました。