「手前勝手世界食物語、第313」

「アルザス産ワイン」
帰国後、友人の誘いで六本木の東京ミッドタウンで開かれていた「ワインの試飲会」に行った。フランス産のワインを輸入している会社の試飲会だったが、そこで21本ものワインを買い求めてしまった。従って、自宅に「ワインセラー」を買うことにした。美味しいワインを飲みたいという欲求は前からあったのだが、「もったいない」という言葉で避けていた。ところが旅行中に株価が上がったので、まあ思い切って買おうとワインセラーとデジカメとパャRンの3品を買った。これもジャイアンツセールの勢いかな?「ロートレック」の生まれた町で「ロートレック・メニュー」を食べた時、勧められて「アルザス産」のワインを注文した。そうしたらグラスも全く別のグラスをそれも倉庫の中から新しいケースごと出してきた。このワインを飲むにはこのグラスなのだそうだ。アルザス産の葡萄はドイツの「モーゼル」と同じ葡萄だということだったが、確かにモーゼルの味を感じさせるワインだった。前回にも書いたが、「モーゼル・ワイン」はJALのファーストクラスで何度も飲んだから、その味は舌に染み渡っている。今回のワインも本当に美味しかった。今回買い求めたフランス産ワインの中にもモーゼルに似た味のがあり、買いました。
以上、勢古口が秋めいてきた東京よりお送りしました。

「カオールの石橋」

流れの強い川に大きな橋を造るのに何と60年も掛かったと言うのがワインの産地「カオール」にあった。この橋も砦と言うか城と言うか、そういう防御面を持たせるために高い塔が3つもある。この塔に籠もって戦えば敵軍は橋を渡れないのだという。この橋、実は「謂われ」がある。余りにもなかなか橋ができないので、人間たちは「悪魔」に協力を頼んだ。その見返りに悪魔に命を捧げるという約束をした。そして昼は人間が、夜は悪魔が働いて漸く完成真近になった。すると人間たちは自分たちの命が惜しくなり、悪魔が働く夜には悪魔に笊を渡したので、悪魔の仕事は一向に捗らなくなり、人間たちが昼間に仕上げた。だが悪魔にはその功績によって、橋の上の部分に「悪魔像」を飾るという栄光を与えたという。確かに真ん中の塔の屋根に近い部分に小さな悪魔がいた。まるで猿みたいな悪魔像だった。

「北のカナリアたち」

先日訪れた「礼文島」で行って見たい場所があった。それが映画「北のカナリアたち」のロケ地だった。吉永小百合さん主演映画でこの礼文島が舞台だった。今は公園となり公開されているはずだった。だが、時間的な関係で残念ながら行くことは出来なかった。しかし、礼文島トレッキング中、高台からロケ地の「小学校校舎」らを見ることが出来た。それは対岸に利尻富士を見渡せる小高い岡の上に建っていた。非常に美しい場所で広い野原の中に佇んでいた。その他、利尻でもロケ地のいくつかを見ることが出来た。今は観光の目玉にしたいというのが地元の思惑だった。

来年の「アカデミー賞の外国映画部門」に日本からは私が5つ星を付けた「舟を編む」がノミネートされたという。嬉しい話しだ。

2013年の映画のお話し
映画「許されざる者」(丸の内ピカデリーにて) 私的批評眼(J’CRITICAL EYE)★★★(今年159作目)
期待し卵zしたよりは詰まらなかった。しかし北海道の風景にはやはり感動でした。

映画「凶悪」(ヒューマントラストシネマ有楽町にて) 私的批評眼(J’CRITICAL EYE)★★★★(今年160作目)
良かった。死刑囚が彼の黒幕だった「先生」と呼ばれる男の犯罪を告白した。それを追求する雑誌記者の目を通じて犯罪が魔ゥれていく。恐ろしい映画だった。

映画「怪盗グルーのミニオン危機一発」(有楽座にて) 私的批評眼(J’CRITICAL EYE)★★★(今年161作目)
アニメだが、大人も子供も楽しめる。

映画「ATARU」(ユナイテッドシネマ豊洲にて) 私的批評眼(J’CRITICAL EYE)★★★(今年162作目)
なんだかよく分からなかったが、主人公の「ちょこざい君」が身障者であるが、天才的頭脳の持ち主だということは分かったが、荒唐無稽でした。

映画「甘い鞭」(銀座TOEIにて) 私的批評眼(J’CRITICAL EYE)★★(今年163作目)
劣悪なポルノ映画を観ているようでした。何でこんな映画作ったの?監督の意識を疑うね。

映画「そして父になる」(ユナイテッドシネマ豊洲にて) 私的批評眼(J’CRITICAL EYE)★★★★★(今年164作目)
カンヌ国際映画賞審査員賞受賞作。赤ん坊の取り違えによる二つの家族の崩壊と修復を描く。今年はこれで決りだなあ。5つ星としました。

日経新聞9月27日付け夕刊「シネマ万華鏡」の評価によれば、「地獄でなぜ悪い」が4つ星、「ダンボ・リブレ、君を想う」が3つ星、「謝罪のおお様」が3つ星、「また、必ず会おう と誰もが言った」が3つ星、「イップ・マン最終章」が4つ星、「椿姫ができるまで」が3つ星、「TRASHED/ゴミ地球の代償」が3つ星でした。

「私の去年2013年の映画の評価は?」
今年の★★★★★は、「舟を編む」「少年H」「タイピスト」
今年の★★★★は、「シェフ」「アルバート氏の人生」「ライフ オブ パイ」「東京家族」「ムーンライズ・キングダム」「ジャンゴ」「愛、アムール」「ヒチコック」「天使の分け前」「藁の盾」「アイアンマン3」「ラストスタンド」「カルテット」「旅立ちの島唄」「奇跡のリンゴ」「アンコール」「真夏の方程式」「ワイルド・スピード ユーロミッション」「風立ちぬ」「クロワッサンで朝食を」「最愛の大地」「スマイル・アゲイン」「サイド・エフェクト」「凶悪」

「シノプスシ237」
「夢剣霞ざくら」(門田 泰明 著)光文社文庫 私的批評眼(J’CRITICAL EYE)★★★(今年271冊目)「浮世絵宗次日月抄」シリーズ第6弾

「茶葉」(佐伯 泰英 著)講談社文庫 私的批評眼(J’CRITICAL EYE)★★★(今年272冊目)「交代寄合伊那衆異聞」シリーズ第19弾

「婿殿満足」(牧 秀彦 著)双葉文庫 私的批評眼(J’CRITICAL EYE)★★★(今年273冊目)「算盤侍影御用」シリーズ第10弾

「蓮美人」(和田 はつ子 著)カドカワ文庫 私的批評眼(J’CRITICAL EYE)★★★(今年274冊目)「料理人季蔵捕物控」シリーズ第21弾

「船下り」

ドルドーニュ川の湖畔の町「ラ・ロック・ガジャック」からの船下りを楽しんだのが3日目だった。川の両側、所々に中世の「城」がある。この地方、イギリスとの「100年戦争」の舞台になった場所だから、中世はこの城を巡って激しい戦いがあったという。当時のフランス軍は騎士が鉄の鎧で覆われ、馬に乗り長い鑓で戦う方式だった。日本で言えば「やあやあ、我こそは何々也」と告げてから戦うようなものだったという。また矢も中国の「弩」(ボーガンの一種)のようなもので弦を機械的な巻き上げ方式で巻いて強い矢を発射するというものだった。この弩は威力はあるものの二の矢を放つまでに15分ほどかかった。一方イギリス軍は普通の矢で次々と放ってくるのであっという間にフランス軍は「卑怯者」と叫びながら殺されていったらしい。だからこの100年戦争は序盤戦はイギリス軍が、その後イギリス方式の戦いに慣れたフランス軍が勝つのだが、勝ったり負けたりが長く続いた。そんな戦いの城がこの辺にたくさんあった。

美しい村と巡礼の道、後記

「J  REPORT 2013 10月第1週号」
「リタイアメント・ノート 5年4ヶ月目」、
「VOL。814 SINCE AUG.12th、1983」
「美しい村と巡礼の道、後記」
キリスト教の国々のヨーロッパ。そしてフランスの「美しき田舎村、巡礼の道」の数々の足跡、そういったものを訪ねた今回の旅だったが、充実した日々を過ごした。帰国後、ジャイアンツ優勝セールもあったので、「ワインセラー」を購入し、「デジカメ」と「パそコン」を買い換えた。パリなどの都会ではないフランスの田舎を歩いて、そしてキリスト教文化に触れて、彼我の文化の差を痛感させられた。実はどのへんを廻るのかも分からずに訪れたのが真実なのだ。私はいつも事前に何も調べずに出掛ける。だから地理的にどの辺に行くのか、おぼろげな卵zしか持っていなかったが、全く違った場所に到着したことに後から気付かされた。最初に到着した「ボルドー」の町が大西洋から約60km、「ドルドーニュ川」を遡ったところにあるとは思いもしなかった。市内は古い町並みの中を路面電車が走り、本当に落ち着いた雰囲気の町だった。1週間以上もフランス語を聞いていると鼻から抜ける独特の鼻音と、英語のRとは違う破裂音のような発音が耳についてしまった。フランス語は第二外国語で3年間習ったが、好きな言語だと思う。パリの雰囲気とは違う田舎町の空気が懐かしい。

第六日目「カオールでの昼食」

赤ワインで有名な、そして世界遺産でもある「ヴァラントレ橋」のある「カオール」での昼食は、人気地元料理店だったが、列をなして待つ人たちがいるという光景に出会った。「山羊のチーズの乗せサラダ」、「牛肉のステーキ」だったが、山羊のチーズは濃厚、そしてステーキは血が滴るミディアムレアーで比較的柔らかくて美味しかった。満足でした。カオールのワインショップで「赤ワイン」を2本買った。兎に角安いから日本に持ち帰ることに下。基本的に旅先では土産を買わない私だが、今回は例外としよう。それと「旅仲間3S会」のメンバー用にワインを注ぐ時に切れがよいようにする道具も土産に買い求めた。帰国直後に六本木のワインショップで彼らを会うので丁度いい土産が出来た。

第六日目「アルビでの夕食」
貴族でもあり画家の「ロートレック」が生まれ育ったのが「アルビ」だ。わずか37年の生涯だったそうだが、彼のための「ロートレック・メニュー」というのを食べた。「トマトのスープ」「海老とトマトのサラダ」そして「ウニカマスの白ワインメ[スかけ」だったが、これらもボリュームがあり過ぎたが美味しかった。特別に頼んだのが「アルザス地方の白ワイン」38.4ユーロ、これはドイツの「モーゼル」と同じ葡萄で出来ているという。「モーゼルワイン」と同じ口当たりで葡萄の香りもよく似ていた。今から25年以上昔、毎年2回ほど香港へJALのファーストクラスで往復していたが、その時機内では必ず「モーゼルワイン」を堪狽オていたから、その味を思い出した。やはり美味いものは高い。だが高い金を払っても納得できるものがうれしいと感じる歳になったということだ。

第七日目「カルカッャ塔kでの昼食」
ここは「発泡ワイン」の名産地で、ブラインドテイストの大会で「シャンパン」を抜いてトップとなったこともある、名品もあるという。「ポークのテリーヌ」と「チキンのロースト」そして大量の「フレンチフライ」が出た。もう流石に量の多さには驚かなくなったが、フランス料理の味にも飽き飽きしてきた。さっぱりとした素材を味わえるものが欲しくなってきた。昔はそんなことなかったが、歳だなあと実感した。

第七日目「カルカッャ塔kでの夕食」
ホテル5階食堂での夕食は、丘の上に見える「コムタル城」がライトアップされ、更に満月が輝く?はずだが、雲で微かに光る程度だったが、「中秋の満月」を見ながら、「砂肝の煮込みを乗せた野菜サラダ」と「白インゲン豆と鴨肉、メ[セージ、鴨肉の脂身の煮込み」料理を食べた。濃厚な味で豆のボリュームも凄いが、冬場身体を温める料理だということで圧倒された。発泡ワインのボトルを頼み美味しく飲めました。25ユーロ。

第八日目「カルカッャ塔kの昼食」
運河クルーズの後、船着場近くのレストランで「トマトの冷たいスープ」と「ロースト・ポーク」を食べた。ついでに旅の最後の思い出をと「修道院ビール」を飲んだが、これが日本のいや、世界のビールの味と全く違う味だった。不思議なビールでした。でも冷たいビールは喉越しよく食事を楽しませてくれました。早く日本に帰って汁物を食べたいなあ。
以上、勢古口が秋深まり行くフランスからお送りしました。

第八日目「トールーズへ」

いよいよ帰国日だ。昼は世界遺産「ミディ運河クルーズ」だ。この運河、大西洋と地中海を結ぶ重要な交通路だ。その後ツールーズに向かい、パリ経由成田だ。運河の途中にあり、高低差をなくすのが「門」と呼ばれる施設だ。小さなダムで水の力で船を上げたり下げたりするものでなかなかの見物だった。これが大きなスエズ運河などでも利用され船の交通路となっていることがよく納得出来た。短い距離だったが、面白いクルーズだった。ヨーロッパでは過去はこの水運と使った物資の輸送が盛んに行われていた。特にこの運河の意味合いは大きく大西洋と地中海がジブラルタル海峡経由でなく直行できることのメリットは大きかったようだ。距離だけでなく、スペインやジブラルタルを占有しているイギリスに対する牽制にもなったという。これにより北ヨーロッパが地中海と直接結ばれた意義は大きかった。最後に添乗員のS氏はフランス生まれの日本人で12歳までフランス、モロッコ、スイス等に暮らし、日本の小学校6年生の後半に帰国したというが、本当に楽しい意味ある旅を経験させてくれたことに改めてこの場で御礼を垂オ上げたい。彼とならば何度でもヨーロッパを訪れたいと思うのでした。

第六日目「アルビへ」

美しい村や世界遺産を訪れる旅も終盤だ。地名はどうでもいいが、歴史的なものばかりだ。特に教会は、紀元313年に「ローマ帝国がキリスト教を国教」としてから、キリスト教は教皇をトップとするピラミッド型の組織が出来上がり、これまで面々と277代ものが続いている。教会の建物も当初の「ロマネスク」様式、これは建物を厚い壁で支えるというものだが、12世紀、13世紀からは「ゴシック」様式、太い柱で建物を支えるというものに変化していった。「帆立貝」が象徴しているように、キリスト教の布教はそれこそ末広がりのように全世界に広まっていった。さて、フランスという国だが、国土は日本の1.5倍あり、人口は半分、そして国土の75%が250m以下の平野か丘陵地帯で、太平洋と地中海に面していない他国と国境を接する部分に山脈があるという「農業国」なのだ。12世紀頃から「輪作」が始まり、豊かな農産物を生産してきたという。農地を三つか四つ位に分け、休耕地、農地、放牧地として、順次回して土地を守ってきたという。こちらの牛乳は非常に濃厚で美味しいのにも驚いた。チーズも美味しかった。バスで走っているが、人の姿を殆ど見ることがない。農作業している人も見ない。歩いている人も見ない。車は走っているので人々がいるのは分かるが、農村では農民はどこで生活をしているのだろうか?と思ってしまう。流石に都市に来れば人はいるが、不思議だ。今日午前中に訪れた「サン・シル・ラポピー」という村では我々が帰ろうとしたら、大量の観光客が訪れ、細い道が大渋滞してしまった。だから、観光客のみ来ているのだろうか?「フランスで最も美しい村」も村人が家を売り、それを「芸術家」が買い取り、「アトリエ」にしているという。過疎化が進んでいるらしい。話しは変わるが、アルビのホテルで漸くインターネットに接続できた。パャRンが故障してしまったか?と思っていたが、問題がなかった。一安心だ。ホテルの入り口に料金浮ェ唐チてあった。部屋の料金は71ユーロだったが、「アニマル 5ユーロ」とあったので添乗員のS氏に聞いたら、フランスでは犬を連れて旅行するので部屋に犬も泊めるのだという。普通に店にも連れて入れるのだそうだ。但し、犬の糞の処理には非協力的な国民性が現れていて行政も困っているらしい。拾っていかない人が多いのだという。

第七日目「カルカッャ塔kへ」

アルビで生まれ育った画家の「ロートレック」の美術館に行く。彼の名前は「アンリ・ドゥ(de)・トールーズ_ロートレック」という。このdeが付くのは「貴族」を現しているらしい。例えば大統領だった「deゴール」も貴族出身者だ。フランスの歴代大統領には貴族出身者が多い。さてアルビの「聖セシール大聖堂」を観てから、「カルカッャ塔k」へ移動、「中世の城塞都市」を観光した。もうすぐそこはピレネー山脈でスペインとの国境だ。面白いことを聞いたが、まずはヨーロッパ人のご挨拶、「頬キッス」だが、普通は「右頬、左頬」の順でするが、左頬を最初にするのは相手を殺すという意味らしい。日本にはない風習だが、頬キッスもハグも異文化だ。さて、ヨーロッパの人の食事のマナーでいけないことが二つあるという。一つは「ゲップをすること」だ。もう一つは「テーブルの上の塩や胡椒の壜を倒すこと」だという。なぜならば、キリストとの最後の晩餐で逃げ出したユダが慌てた為にテーブル上の壜を倒した頃から由来するという。縁起が悪いし失礼に当るというのだ。教会の入り口、勿論「バチカン」の入り口にも二つの像が建っている。一つは「剣を持つパウロ」と「鍵を持つペテロ」だ。元からの弟子「ペテロ」に対して、ローマの市民権を持ち、イエスを迫害していた側に立つ「パウロ」はイエスが復活した後に信者となり、キリスト教の布教に力があったから「聖人」となったという。信じるか?信じないかは皆様の勝手だ。そうそうウイリアム王子の息子が生まれたが、ラストネームが「ルイ」だったが、イギリスとフランスの王家はそれぞれに血が繋がっているから、そういうことも起きるらしい。フランスは「学歴社会」だそうだ。小学校は5年間、中学校は4年間、そして高校進学時に将来を決める必要があるという。勉学を志望するのか?それとも就職を希望するのが?この時点で進むコースが違うという。更に高校3年間の次に来るのが全国一律テスト「バカロレア」だ。これに合格すると全国どこの大学にも進める。ヨーロッパ中の大学も可狽セそうだ。チャンスは3回あり、即ち2浪まだはいいそうだ。日本の高校卒業資格があれば、バカロレア合格とみなされるからフランスの大学に入れる。だが、語学力で付いて行けないだろうとのことだった。毎日膨大はレポートを求められるから、半端な語学力ではすぐに落ち毀れてしまうという。大学進学率は約60%だから、日本のほうが高いのだろうか?だが勉強の内容はどうもフランスのほうが濃いのではないだろうか?殆どが論文形式で勉強が出来ないと落第だろうから?それと小学校でも落第は当たり前の世界だという。

美しい村と巡礼の道、後半

「J  REPORT 2013 9月第3週号」
「リタイアメント・ノート 5年3ヶ月目」、
「VOL。812 SINCE AUG.12th、1983」
「旅暦45、美しい村と巡礼の道、後半」

第五日目「コンクへ」
「アヴェロンの真珠」といわれている「コンク」に行く。途中、「かたつむり農場」が幾つかあった。この地方では
カタツムリを養殖しているという。フランスではカタツムリはそのまま殻ごと調理して食べるが、スペインでは殻から出してパエリアに入れて食べるらしい。コンクの「サン・フォア教会」にはその入り口の上に素晴らしい「タンパン」があった。タンパンとは精巧に彫られたリリーフで、イエスを中心にして向かって左側がいい人たち、右側が悪い人たち、上が天国、下が地獄を描いているものだ。実に素晴らしいものだった。「聖フォア」は三世紀にわずか12歳で殉教した少女でその骨がここの教会の宝物殿にあった。彼女、キリスト教を捨てるように言われるが決して捨てないので、まずは火炙りにあうのだが、多数の鳩が飛んできてその羽が起こす風で火が消えてしまう。次に剣で殺そうとするが剣が折れるという奇跡が起こるのだそうだ。「聖フォア」から「マリア様」、そして「イエス・キリスト」経由で「神様」へと願いは繋がり、叶えられるのだそうだ。信仰とはそういうものなのだろう。今日は雨模様だ。もう数週間すると霧と雨で視界ゼロになってしまうという。コンクの村も落ち着いた雰囲気のある場所だった。宿泊している「ロカマドール」へ戻る。ここの教会がまた素晴らしい。キリストが処刑された「ゴルゴダの丘」を模した道があり、その曲がり角毎にキリストの受難を現した彫刻があった。ここには「黒いマリア様」像がある。これはバルセロナの近郊にもあったが、この黒いという意味は「土から生まれてきた」ということの象徴らしい。この教会へ昇るは階段「216」段だそうだ。キリスト教にとっての大切な数字「3」がこれに含まれている。これが重要なのだそうだ。「三位一体」も「3」だから。この階段「巡礼者の階段」と呼ばれ、膝で昇るらしい。これによりキリストの苦難を体験するのだそうだ。ユダヤ人でありユダヤ教徒でもあったイエスが所謂「新興宗教」を12人の弟子たちと起こし、世界中に布教されるようになったのも「摩訶不思議」というべきか?「奇跡」というべきか?ユダヤ教に新しい解釈を付けてキリスト教を作ったイエスが偉かったのか?さて世界遺産を巡る旅もそろそろ佳境に入ろうとしているが、天候が今一だ。この季節を「秋の五月」と地元では言うらしいが、五月は雨の多い季節らしい。まあ言ってみれば日本の梅雨のようなものなのだろう?10億人のカャ潟bクが全世界におり、各地に教会があり、そこに信仰があるということは我々日本人、少なくとも私には理解するのが難しい。だが、こうやってヨーロッパを訪れるとカャ潟bクとプロテスタントの差はあれ、「キリスト教文化の浸透度合い」がよく分かる。さてフランス人の気質は「個人主義で気まぐれな性格」が特徴的らしい。確かに道路を走る車を見ていても、後続車がいてもマイペースで走り通していた。人の迷惑など関係なく利己的に動くらしい。それとフランスとイタリアは離婚率が高く、結婚しても財布の紐は夫が持ち、妻には必要額しか、それも一日毎に渡すという。釣った魚には餌を与えない。また「妻と母親とどちらが大切か?」と問われれば、「母親」と答えるという。フランスには4つの「巡礼の道」があり、それがピレネー山脈の手前で合流し、スペインへと向かい、サンチャゴ・デ・コンポステーラのゴールへと繋がる訳だ。その途中に沢山の「巡礼宿や施療院」があり、昔は死を覚悟した苦難の巡礼の旅で、命を落とす人たちも沢山いたらしい。ピレネーには山賊もいて、旅人を襲ったという。昨年観た映画「星の旅人たち」に触発されて11月に北スペインを訪れたが、偶然その映画の一部分をこちらのテレビでやっていた。その映画は巡礼の旅にでた息子がピレネーでの事故で死亡してしまう。カリフォルニアの医師だった父親が息子の骨を背負って、息子の意思を貫徹するために巡礼の旅に出て、そこで色々な巡礼者に巡り合い、苦労してサンチャゴ・デ・コンポステーラに辿り着くというものだ。「巡礼の道」のところどころに「帆立貝」のマークがある。イエスを「ヨハネ」が洗礼する時に使ったのも帆立貝だ。今はサンチャゴ・デ・コンポステーラに埋葬されている「聖ヤコブ」の遺体は帆立貝に覆われて見つかったと言われているし、キリスト教にとって帆立貝は非常に重要なものだそうだ。