「私は死刑囚?」

「癌闘病記―第26回」
「味覚は?」
漸く副作用が収まりつつあるのが味覚だ。口内炎のような状況で熱い物辛い物が全く受け付けられなかったが、このところ徐々に辛い物をトライしつつある。山葵も少量使ってみている。辛いのはまだ駄目だが、少し刺激物は食べてみている。また身体中の痒みはほぼ収まりつつある。これも止めた薬の副作用からの脱出なのだろうか?
「抗癌剤点滴再開」
5週間振りに点滴が再開された。「イミフィンジ」という抗癌剤で約1時間の点滴時間だ。聖路加国際病院の「オンコロジーセンター」はカーテンで仕切られた数多のブースがあり、そこには航空機内のプレミアムエコノミークラス風の椅子があり、そこでリラックスしながら点滴を受ける。前回は大腸炎で猛烈な下痢になり一時中断していたが、下痢は改善されたので1週間遅れでの再開となった。だが果たして今回はどんな副作用があるのだろうか?心配です。また並行してステロイドによる投薬は徐々に減らすことになった。血糖値の上昇を招くステロイドは困りものだ。果たして遂に下痢がやってきた。25日の木曜日から前回同様の下痢状態になった。困ったなあ。その後どうやら下痢は克服したようだった。
「私は死刑囚?」
このイミフィンジの点滴療法、何度か申し上げたが、完治率3%という超難関コースなのだ。たったの3%ですよ。3割ではないですよ。ということで私とほぼ同年配の方々は健康でいつに死ぬかなどと考えることなどないのかもしれないが、私は厳しい生存率を毎日感じながら、いつ死刑宣告の通知が来るのだろうかと緊張している。だから逆に緊張の毎日は良い刺激になっているのかも知れない。毎日毎日が戦いなのだからいつ死ぬかも戦い次第なのだろう。仄聞するに死刑囚は毎朝死刑通告が来るか来ないかで戦々恐々としているという。その緊張感に耐えられない人もいるという。
「体重はジェットコースター」
昨年12月から1月に掛けては食事が殆ど摂れなかった。そのため体重は激減した。10%以上減った。一時治療を中止してハワイに行った時は最低の体重だったが、徐々に体力を回復したが、ハワイで買った衣類、今は全く着られなくなった。その後体重は急激に上昇しほぼ90%回復したが、新しい点滴療法に戻った途端に下痢に見舞われ入院し、また5%以上体重は急減した。そして今、体重は徐々に回復しつつある。正にジェットコースター並みの増減だ。如何に人間にとって食事が大切だと認識させられた昨今でした。
「老化」
私がサラリーマンを辞めて隠居?生活に入ったのが2008年6月、59歳の時だった。それから次々と病に襲われた。年代ははっきりしないものもあるが、以下のような病気や怪我だった。
1:左膝人工関節置き換え手術
2:脊柱管狭窄症手術
3:心房細動による心臓アブレーション手術
4:胆嚢摘出手術
5:転倒による額の裂傷手術
6:右膝人工関節置き換え手術
7:肝細胞癌(ステージ2)抗癌剤治療継続中
8:右目白内障手術(9月実施予定)
身体中ががたがただというのが分かる具合だ。それに長期の入院生活が入ると体力は更に落ちる。もう老人の典型的な姿なのだ。
以上、いったいつまでこの暑さは続くのだろうか?夏バテ気味になりそうな状態の㔟古口が東京よりお送りしまっした。
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次は前週のJ REPORTに続きます。