「手前勝手世界食物語、第312」

第二日目「ボルドーでの昼食」
朝はホテルで簡単に済ます。ダイエット中だから仕方が無い。昼は「焼き牡蠣」と「子牛のャeー」だった。牡蠣は実に可愛らしい小さなもので、それなりに美味しかったが、子牛はパサパサで不味かった。フランス料理は「メ[ス」が持ち味なのだろうが、私には向かないなあ。さてここボルドーは大西洋まで60kmほどなので牡蠣は有名らしい。地元では12個で3?6ユーロ程度だそうだが、これがパリだと25≠R0ユーロにもなるという。味付けはどちらも薄味で量も日本人向けにかなり少なくなっていたが、サイドのフライドポテトの半端ではない量にはあきれ返ってしまった。ボルドー産の白ワインを少々嗜む。500mlで6.8ユーロだった。

第二日目「サルラでの夕食」
メインは「サーモン」だった。アルミホイルに包まれて野菜と一緒に蒸し焼きにされたものだった。薄味でそれなりに美味かった。地元の赤ワインが無料で提供されていたので、堪狽オました。旅行会社も肉と魚とのバランスを考えているようで苦労掛けてます。

第三日目「サルラでの昼食」
「鴨の砂肝入りサラダ」が出た。これのボリュウームが凄くてとてもではないが、食べきれない。メインは「鴨肉のコンフィ、トリフスープかけ」だ。勿論地元の名物料理だということは分かる。だが、量が多過ぎてどうしようもない。鴨肉は足が一本丸のままだ。トリフも香りはいいが、そんなに美味しいとは思わない。フランス料理とは何なのだろう?と考えさせられる食事でした。

第三日目「サルラでの夕食」
この日は食事のない日だ。添乗員と一緒に地元で人気のイタリアンの店に行く。注文したのは「ピッザ・クワトロフォルマージュ」と「牛肉のステーキ」に地元の白ワインを頼む。流石チーズの国だけあってピッザの4種のチーズ入りは美味かった。「ブルーチーズ」を含めてチーズの味が前面に出ていた。牛肉はまあまあといった感じかな。毎度食事の際にワインを飲んでいるが、味音痴の私には美味いも不味いもなく、ほどほどで飲めている。安いことが一番いい。部屋に戻ってスーパーで買い求めてきた「山羊のチーズ」と「生ハム」「サラミ」を食べたが、チーズは臭みもなく、美味しかった。

第四日目「コロンジュ・ラ・ルージュでの昼食」
赤色砂岩で建てられた建物の村がここだ。メインの料理は「ブルゴーニュ風子牛の赤ワイン煮込み」。肉がちょっと硬かったが、赤ワインがよく浸み込んでいてまあまあの出来だった。これまで比較的味の薄い料理ばかりだったので、本格的フランス料理の濃厚な味が堪狽ナきた。

第四日目「ロカマドールでの夕食」
まずは「生のフォアグラ」だ。薄い石版の上に乗せられた10cm四方、厚さ5mm程度のフォアグラを岩塩か、ジャムをつけて食べるが、パンに乗せてもかまわない。なかなかの美味だ。ダチョウのフォアグラはダチョウの口に大きな「じょうろ」を押し込み、そこに上から「とうもろこし」を流し込み、強制的に食べさせるという。その時ダチョウは失神してしまうが、頭を殴って気を戻し更に食べさせるという動物虐待の方法で太らせるらしい。メインは「ロースト・ポーク」マッシュルーム添え。これもぱさぱさした肉だった。フランスでは素材の美味さを生かすことが出来ないのだろうか?

第五日目「コンクでの昼食」
聖域にあるレストランでの昼食には、卵にベーコンを入れて焼き上げた「キッシュ」とメインは「グリルド・チキンの赤ワインメ[スかけ」だったが、相変わらず何の肉を食べてもパサパサ感は否めない。こちらの人は固い肉を好むというが、今東京で公開されている「大統領の料理人」という映画でミッテラン大統領との会話で美味しいステーキの話しが出てくるが、それには「神戸牛」が出てくるから、本当に美味しいものを食べている人は和牛の柔らかなジューシーさが分かるのだろう。パサパサ肉には飽き飽きした。

第五日目「ロカマドールでの夕食」
以前はロカマドールの宿泊は本当の「巡礼宿」だったそうだ。その宿の部屋ではスーツケースも開けないという。それでは余りにも酷いだろうということで、少し高い二つ星ホテルにしたそうだ。従ってコストダウンするために恐らく夕食を二回ツアーから外したのだろう。本日がその二回目に当り、夕食はスーパーで買い求めてきたものを部屋で食べた。パン、チーズ、ハム、サラダ、酢漬けの鰯、それに白ワインで満腹でした。都合13ユーロ、ワインは4ユーロ以下でしたが美味しかった。
以上、フランスの旅の勢古口がお送りしました。

第四日目「ラスコーへ」

昨晩は雨が降っていたが、どうやら止んでいるようだ。早朝のサルラの街を歩く。既にパン屋さんは店開きしていて、パンを焼いていたが、次々と地元の人だろう、焼きたてのバケットを買い求めていた。さて本日の目玉はなんと言っても1万7千年前の洞窟壁画で有名な「ラスコー」だ。1940年犬を探していた少年たちが偶然に洞窟を見つけ、そこに壁画があることを発見したという。その後、壁画の劣化を避けるために閉鎖され、近くに寸分と違わないものを地下に人工的に造り、壁画を再現させたもの、それが「ラスコー?」と言われるものだが、それすら現在では一日約1000名程度に入場を制限している。勿論世界遺産だ。「クロマニオン人」と呼ばれるようになった我々人類の祖先が描いたものだと言われているが、入ってびっくり。本当に素晴らしいものがあった。当時既に「遠近法」が使われ、牛や馬、鹿、熊、トナカイ、ユニコーン、人間などが巨大な姿で躍動的に描かれている。まるで馬が走っているような連続絵もあるのには本当に驚かされた。言葉では言い尽くせない古代のロマンがそこにはあった。感動、感激。当時のヨーロッパの人口は約8万人と言われているから、そんな少数の人たちが数世代かけて描いたこれらの絵は、正に「人類の宝」だ。絵は壁の凹凸を利用して立体的に見せたり、また着色して動物たちの姿に変化を与えたり、当時の天才画家たちが何年も掛けて記憶力だけで下書きなしで描いたと想像されている。約45分の短い見学だったが、本当に素晴らしかった。来た甲斐があった。その後、近くの「フランスで最も美しい村」を2箇所訪れた。この村の選定は「フランス政府」が行い、その条件とは「人口が2000人以下であること」、「歴史的建造物が2つ以上あること」、「住民が村の美しさを維持する意欲があること」等だという。200年以上も前の古い建物が立ち並んでいる美しい村々だが、維持に費用が掛かり、売却する住民が増えていると言う問題も抱えているようだ。どこへ行っても教会を中心にして家々が建てられている。カャ潟bクの一番大切なのは「受胎告知」だそうで、これを信じる人はカャ潟bク教徒になれるが、これを信じなければなれない、所謂「踏み絵」のようなものだそうだ。そしてどの巨匠であれ、中世の画家は必ずこの「受胎告知」の場面を描いているという。「大天使ガブリエルとマリア様」、ガブリエルがマリア様に受胎したことを伝える。この場面がカャ潟bクでは一番重要だそうだ。さて、持参したパャRンが壊れたようでインターネットに繋がらない。10年も前のパャRンだから仕方がないんだろうが、全く困りました。帰国したら買い換えよう。さて今宵の宿は「ロカマドール」というところの「巡礼宿」だ。ここもスペインのサンチァゴ・デ・コンポステーラに続く「巡礼の道」の途中にあり、巡礼の人用の宿だから、設備も簡単で、ただ寝て起きて出発するというものだった。

2013年の映画のお話し

映画「スーサイド・ショップ」(ヒューマントラストシネマ有楽町にて) 私的批評眼(J’CRITICAL EYE)★★★(今年151作目)
フランスのアニメ映画。パリで4代続く「自殺用品販売店」。そこに生まれた息子が明るい人生を取り戻そうとするお話し。

映画「マン・オブ・スチール」(丸の内ピカデリーにて) 私的批評眼(J’CRITICAL EYE)★★★(今年152作目)
スーパーマン誕生秘話だが、それが現代に蘇ったお話し。

映画「大統領の料理人」(銀座シネスウィッチにて) 私的批評眼(J’CRITICAL EYE)★★★(今年153作目)
一人の女性料理人がフランス大統領の昼食のみを提供する料理人となる。エリゼ宮の厨房は男性のみ。ここで一人の女性が立ち向かうものとは?こういう映画は好きだね。

映画「共喰い」(ヒューマントラストシネマ有楽町にて) 私的批評眼(J’CRITICAL EYE)★★★(今年154作目)
昭和63年の山口県の田舎町。17歳の少年の性生活を中心に描くのだが、彼の父はセックスの最中に相手の女性に沫ヘを振るうという癖があった。彼もその血を受け継いでいるのか?

映画「アップサイドダウン」(角川シネマ有楽町にて) 私的批評眼(J’CRITICAL EYE)★★★(今年155作目)
二重重力と言う不思議な世界。下の世界と上の世界では重力が全く逆だった。そんな世界で恋に落ちた二人の物語。

映画「サイド・エフェクト」(日比谷みゆき座にて) 私的批評眼(J’CRITICAL EYE)★★★★(今年156作目)
薬の「副作用」というのだが、うつ病の女性が夫を殺してしまう。これが「薬による副作用」なのか、それとも「殺人」なのか?が争われる。患者に薬を提供した精神科医師が窮地に陥る。果たして真実は?面白かったです。アメリカらしい薬と製薬会社と患者、そして医師との複雑な関係が実にリアルでした。

映画「キャプテン・ハーロック」(銀座TOEIにて) 私的批評眼(J’CRITICAL EYE)★★★(今年157作目)
アニメの傑作シリーズなのだろう。面白かったです。迫力が凄いが、アルカディア号だけが強いのは納得出来なかった。

映画「私が愛した大統領」(エールフランス機内にて) 私的批評眼(J’CRITICAL EYE)★★★(今年158作目)
フランク・ルーズベルト大統領の従姉妹との秘められた愛の物語。あの立派な大統領がこんな不倫をという感じかな?

日経新聞9月13日付け夕刊「シネマ万華鏡」の評価によれば、「あの頃、君を追いかけた」が4つ星、「Miss ZOMBIE」が4つ星、「許されざる者」が3つ星、「私が愛した大統領」が3つ星、「ウルヴァリン:SAMURAI」が2つ星、「ポルトガル、ここに誕生す」が3つ星、「ャEル・フラワー・トレイン」が3つ星、9月20日付けは、「そして父になる」が4つ星、「凶悪」が4つ星、「ウォーム・ボディーズ」が3つ星、「エリジウム」が3つ星、「怪盗グルーのミリオン危機一発」が3つ星、「世界一美しい本を作る男」が3つ星、「甘い鞭」が4つ星でした。

「私の去年2013年の映画の評価は?」
今年の★★★★★は、「舟を編む」「少年H」「タイピスト」
今年の★★★★は、「シェフ」「アルバート氏の人生」「ライフ オブ パイ」「東京家族」「ムーンライズ・キングダム」「ジャンゴ」「愛、アムール」「ヒチコック」「天使の分け前」「藁の盾」「アイアンマン3」「ラストスタンド」「カルテット」「旅立ちの島唄」「奇跡のリンゴ」「アンコール」「真夏の方程式」「ワイルド・スピード ユーロミッション」「風立ちぬ」「クロワッサンで朝食を」「最愛の大地」「スマイル・アゲイン」「サイド・エフェクト」

「シノプスシ236」
「はやり薬」(鳥羽 亮 著)文春文庫 私的批評眼(J’CRITICAL EYE)★★★(今年264冊目)「八丁堀吟味帳、鬼彦組」シリーズ第5弾

「雲」(坂岡 真 著)徳間文庫 私的批評眼(J’CRITICAL EYE)★★★(今年265冊目)「死ぬがよく候」シリーズ第5弾

「妖刀始末」(牧 秀彦 著)徳間文庫 私的批評眼(J’CRITICAL EYE)★★★(今年266冊目)「塩谷隼人江戸常勤記」シリーズ第2弾

「風草の道」(藤原 緋沙子 著)祥伝社文庫 私的批評眼(J’CRITICAL EYE)★★★(今年267冊目)「橋廻り同心平七郎控」シリーズ第11弾

「情けの糸」(岡本 さとる 著)祥伝社文庫 私的批評眼(J’CRITICAL EYE)★★★(今年268冊目)「取次屋栄三」シリーズ第11弾

「河内山異聞」(藤井 邦夫 著)光文社文庫 私的批評眼(J’CRITICAL EYE)★★★(今年268冊目)「乾蔵人 隠密秘録」シリーズ第4弾

「朋輩殺し」(小杉 健治 著)光文社文庫 私的批評眼(J’CRITICAL EYE)★★★(今年269冊目)「人情同心・神鳴り源蔵」シリーズ第3弾

「岡山の闇鳥」(鈴木 英治 著)徳間文庫 私的批評眼(J’CRITICAL EYE)★★★(今年270冊目)「若殿八方破れ」シリーズ第6弾

第三日目「サルラへ」

ボルドーから約2時間、内陸部に入った街「サルラ」へと来た。「土曜日の朝市」には大勢の人が集まっていた。ここは「トリュフとフォアグラの名産地」だそうだ。ありとあらゆるものが売られているが、やはり「フォアグラやチーズ、ワイン、鴨肉」等が中心のようだった。ホテルから数分のところの道路の両側を露天が埋め尽くしていた。ここの朝市は土曜日しか開かれないという。チーズはヤギのチーズがちょっと臭みがあるが美味しいという。トリュフはまだ時期が早いので数は少なかった。ここ「サルラ」は小さな街だが、落ち着いた趣のある街だ。午後からは「フランスで最も美しい村々」を訪れる。河畔の建物は中世そのままで時間が凍結してしまったような村々だ。お城もあちこちにあり、数百年の美しさを醸し出している。時間旅行しているような錯覚に襲われる。昨日訪れたカャ潟bク教会でキリスト教では「八」という数字が大切だと教えられた。洗礼を受ける「洗礼盤」は桶に水を貯めているが、下の台は大抵「八角形」をしているという。これは「七」が完成を意味し、「八」で復活を意味するからだという。神様は人間と地球を造るに当たり、6日間働いて7日目を休息日として「完成」させ、次の日に「復活」させたということらしい。ここはボルドー市内を流れている「ドルブーニュ川」の上流で、幾つかの小さなお城巡りの船旅を楽しむ。川面には「カヤック」がたくさん出ていた。この辺りはイギリスとフランスが領土を巡って戦った「100年戦争」の場所でもあるという。フランスとイギリスとの間での領土争いから、この辺りは一時イギリス領となっていたが、それをその後フランス側が盛り返して奪い返したという。この時魔女として「火炙りの刑」で処刑されたのが「ジャンヌ・ダルク」だ。彼女はその後「聖人」に列せられた。教会には彼女の像も祭られていた。基本的にカャ潟bクでは「マリア様」が主祭壇(東向きに建てられている)に祭られている。なぜイエス様ではないのか?それは我々でも何かおねだりをする時に父親に頼む前に母親に頼むのと同じことで、主イエスにお願いする前に、母親マリア様にお願いして仲介してもらうという発想らしい。だからまずはマリア様が敬われるのだという。カャ潟bクの国では11月1日2日が連休で日本で言う「お盆」に当たる。カャ潟bクの人たちは「お墓参り」に行く。その時持って行くのが「菊の花」だそうだ。だから逆に言えば、菊を人に送るのは絶対に駄目だということだそうだ。「縁起が悪い」ということだ。同じようにプロテスタントにマリア様の像を送ることも拙いそうだ。なぜならばプロテスタントはマリア様を尊敬していないからだという。

美しい村と巡礼の未知

「J  REPORT 2013 9月第3週号」
「リタイアメント・ノート 5年3ヶ月目」、
「VOL。811 SINCE AUG.12th、1983」
「旅暦45、南フランスへ」
昨年11月の「北スペインの旅が旅暦43」だった。そして今年3月の「イグアス、マチュピチュ、ナスカの旅が旅暦44」で、今回の「南フランスの旅が旅暦45」となる。エールフランス機でパリ経由ボルドーへと向う。

「美しい村と巡礼の道」
第一日目「ボルドーへ」
長女と次男の三人で、次男の住んでいたスペイン「マラガ」からフランスに旅してきたのが、2008年の8月だった。その後何度もヨーロッパには来ているが、フランスは多分それ以来だろう。ヨーロッパへの12時間近くのフライトは今回はエールフランス機「エアバスA380」という二階建ての超大型機だった。日本にも就航していたんだ。510数人乗りの機体は安定してパリのシャルルドゴール空港に着陸した。そこから乗り継いでフランス南西部の「ボルドー」へ、成田を出て16時間の長旅だった。現地は小雨模様。このところ雨が続いていて少し肌寒いという。ボルドーまでの機内で隣に座ったフランス人男性は皮のジャケットを着ていた。今回はフランスの美しい田舎村と古城を廻るツアーだ。「東京オリンピック2020」が決まって日本中が沸き立つ中、昨年11月以来のヨーロッパだ。ツアーも15名と少数なので楽なバスの旅になるだろう。時差7時間、歳を取るとやはり時差は辛い。話しは変わるが、私が住むところから数キロメートル以内にオリンピック選手村や競技施設が多数出来ることになった。7年後、自宅近くの周辺はどんな姿に変貌しているのだろうか?楽しみだ。資産価値も上がるだろう。

第二日目「ボルドーにて」
昨晩の日の入りは午後8時頃、本日の日の出は午前8時近くだった。「世界遺産」に登録されているボルドーの旧市街を廻る。驚くべき点が幾つかあった。まずは、「トラム」所謂「路面電車」だが、これが架線のないところを走っているのだ。勿論架線のあるところを走るときは「パンパグラフ」を立てる。しかし架線のないところでは電力を引き込まずに多分蓄電池の力で走行しているのだろう。次の驚きは「路面清掃車」だ。先頭に回転する針状のモップを回しながらごみを車体の中央部分に集め「掃除機」のようにごみを吸い取っていた。日本も同じなのだろう?まるで「動く掃除機」だった。「郵便局の黄色い可愛らしい配送車」が可愛らしかった。ショッピングモールで物価を見たが、そこそこな値段だった。聞くとこれでもパリから比べれば格段に安いとのこと。さて、新しい「TGV」の線路が建設されていた。現在パリーボルドー間約600kmはTGVで現在約3時間だそうだが、この線路が完成されると2時間になるという。すると物価の高いパリが通勤圏内になるという。フランス国鉄もやりますね。フランスの子供たちの学校への送り迎えは親の義務で、法律で決められているらしい。学校の前に車や徒歩で親が子供を送ってきていた。更に聞くと学校は平日の「月、火、木、金」しかなく、夏休みは9週間だそうだ。これで勉強になるのだろうか?ボルドーには昨年11月に訪れたスペインの「サンチャゴ・デ・コンポステーラ」に続く「巡礼の道」が通っていた。今回この旅を選んだ理由は添乗員がS氏だったからだ。彼のヨーロッパに対する、またはキリスト教文化に対する憧憬の深さのためにこの旅を選んだといっても過言ではない。ボルドーでも現地に暮らす日本人女性が現地ガイドとして付いてくれたが、彼女は肝心な説明ではノートを広げていたが、添乗員S氏は全く何も見ずに、その豊富な知識を披露してくれるから素晴らしい。「人気添乗員」の一人だというが、本当に凄い人なのだ。さて、この辺りでは水道水が飲めるという。確かに普通の感覚で飲めた。ヨーロッパへ来て初めて水道水を飲んだが、具合悪くはならなかった。若干石灰分が多いらしいが、これも驚きの経験だった。

第二日目「サンテミリオンにて」
今日は「13日の金曜日」だ。この日がキリスト教国で忌み嫌われる理由は、中世「+字軍」が盛んだった頃、借金に悩まされていたフランス国王が財産を奪うために裕福な「テンプル騎士団を虐殺した日」だったことによるらしい。「1307年10月13日金曜日」のことだ。午後からボルドーの東にある「サンテミリオン」に行く。ここは「ワインの産地」だ。「シャトー」と呼ばれる「ワイン造醸所」が1000箇所ほどあるらしい。この地域全体が「世界遺産」だ。栽培されている葡萄の種類は土地の土質により異なるようだが、植え方にも驚かされる。1mほどの背丈の葡萄の木が植えられていて、葡萄自体は地上数10cmに実っているのだ。これは湿度が低いから、そうするのであり、日本のような高温多湿だと、高く植えないと葡萄が駄目になってしまうらしい。葡萄畑の周囲には必ず「薔薇の花」が植えられているが、これは葡萄に発生する病気を早期に探知するためのものだという。さて「教会のステンドグラス」を観るとその教会の財政状態が分かるらしい。「赤い色は金(ゴールド)」を溶かすので、赤いステンドグラスを沢山使っている教会は裕福だという。因みに「黄色は銀」だそうだ。一口にキリスト教といっても、「カャ潟bク」「プロテスタント」「正教」と色々と風習仕来りも違うようだが、同じキリスト教なのにと思ってしまう。「懺悔室」があればカャ潟bク、礼拝堂に椅子があればカャ潟bクかプロテスタント、なければ正教だそうだ。クロスの切り方もカャ潟bクとプロテスタントは右手の五本指で額、下、左、右とクロスを切るが、正教は右手三本指で額、下、右、左の順だそうだ。さてここで造醸所でのワインの製造を学ぶ。説明は研修生だという若い中国人女性だった。英語での説明だったが、彼女は英語・フランス語・中国語が話せる訳でたいしたものだと思いました。ワインは最後は樽に入れられて寝かされてからボトルに詰められるが、樽一つからワイン250本から300本取れるという。ワイン1本を作るのに必要な葡萄の量は約1kg、葡萄の房では2つから3つだそうだ。ここサンテミリオンは石灰岩の岩盤の上にあり、舞wはわずか数10cmの土が覆っているだけで、その下は石灰岩だ。こんなところで良質なワインが取れるとは驚きだ。ここでは「赤ワイン」しか造っていないそうで、テイスティングしたが、何がいいのか、味はさっぱり分からなかった。味音痴なのだろうか? さてヨーロッパは1849年に「大飢饉」に襲われたそうだ。アイスランドの火山噴火による低温と穀物の病気が蔓延したそうだ。ワインも全滅したようで、ここでの葡萄の種はカリフォルニアから持ち込まれたものだそうだ。1849年といえばカリフォルニアは「ゴールドラッシュ」に沸いていた時だ。アメリカに住むアイルランド系の人の大半はこの飢餓の時代に移住した人たちの子孫だという。もう一つ、教会の内壁を飾る白い漆喰を作るのには大量の生卵の白身が必要だそうだ。そこで余った黄身の部分を使ったお菓子が考えられるようになったという。面白いものだ。これらもみな添乗員S氏からのお話しだ。

「稚内のタコシャブ」

最終日は礼文島7:30発のフェリーで稚内に向う。戦前は「樺太」への定期航路の町として栄えたが、戦後は衰退したようだが、それでも「道北」最大の都市であることには変わらない。「自衛隊」の3軍「陸、海、空」が全て駐屯している珍しい町でもあるという。デジカメの電池がなくなってしまい、写真が撮れなくなったので、困ったが、荷物に「充電器」を入れなかった私が悪いので仕方ない。昼食は稚内名物の「タコシャブ」を食べた。冷凍させたタコの足を薄く切り、野菜と一緒にシャブシャブで食べる。実に柔らかい舌触り歯触りだ。タコと野菜から丁度いい出汁が出て、これにご飯を入れて「おじや風」に仕立てても美味しい。塩味が効いている。食が増す一品でした。その他、「海鮮丼」「黒牛肉のシャブシャブ」が出されていた。一番多くリクエストされていたのは不思議と海鮮丼だった。最後に「宗谷岬」を訪れたが、そこには食用家畜の「放牧黒牛」がのんびりと草を食み、自然の「蝦夷鹿」が時々見られた。利尻、礼文で見かけた動物は、当然ながら「カモメ」と「カラス」だったが、「犬や猫」は全く見られなかった。「チョウチョ」も「虫類」も見なかった。トレッキングの途中で死んでいた「小さな野鼠」と、生きている「カタツムリ」を見ただけだった。最北の島には「熊」も「蛇」もいないという。「猿」もいない。但し野鼠退治用に「イタチ」は北海道本島から持ってきたのでいるという。風が強い宗谷岬では、「風車発電」が行われていた。因みに、利尻礼文の電力は島内にそれぞれ発電所があるという。宗谷岬からは約43kmで旧「樺太」、今の「サハリン」だが、生憎天候が悪く見えなかった。前回は見えたのだが、残念でした。稚内空港から羽田まで一時間半のフライトはあっという間でした。
以上、北海道道北から勢古口がお送りしました。

「ウニ丼」

礼文島での昼食は島名物の「ウニ丼」だった。オプションで「ホッケ」を頼んだ。地元の漁協が経営している店だということで、出てきたウニは「馬糞ウニ」だった。恐らく今シーズン最後の馬糞ウニだろう。その色は昨日の「紫ウニ」と比べると「黄色」が濃い。味も甘みが増していて、実に美味い。「濃厚、トロトロ、アマアマ、そして海の香り」がする馬糞ウニ。実は当日は「私の誕生日」だった。嬉しい誕生日プレゼントだった。ホッケも美味しかったが、ちょっと食べ過ぎてしまった。食堂の隣の海岸で地元の叔母さんが海岸に打ち寄せられていた「昆布」を拾い集め、形のよいものを持ち帰っていた。これを乾して二級品にでもするのだろう。波を被りながらの作業だったから、夏場にしか出来ないだろう。馬糞ウニを初めとするウニたちは、ここの昆布を食べて成長するから美味しくなるというが、本当のことだろう。

「利尻富士」

二日目は「利尻島」からフェリーで隣の「礼文島」へと向う。相変わらず「曇り時々雨」が続いている。藍瘡鼎錬隠古戞・濘絣領┌毅亜鵑判个討い燭・△匹Δ世蹐Δ・・・∋曲發靴・b>「湧き水」を汲んできた。利尻島は1700mを超える利尻山があるので、良質な湧き水が出るという。「日本百名山」の第一番目が「利尻山」で、水も「日本百名水」に選ばれているという。登山客も多い土地柄らしい。この地方、日本海の中にあるが、年間の平均気温が摂氏5度だという。冬は雪と風に覆われ、厳しい生活を余儀なくされている。観光も9月末で終了、翌年4月まではホテルも殆ど稼動していないという。半年間だけの営業では観光業も大変だ。

2013年の映画のお話し
映画「タイムスクープハンター・安土城 最後の一日」(ユナイテッドシネマ豊洲にて) 私的批評眼(J’CRITICAL EYE)★★★(今年148作目)
確かNHKで放送していたが、タイムトリップして歴史上の事件を追うというもの。面白くはなかった。現実味が全く感じられない映画でした。

映画「夏の終り」(ユナイテッドシネマ豊洲にて) 私的批評眼(J’CRITICAL EYE)★★★(今年149作目)
時代は不明、多分昭和20年代から30年代か?夫と娘を捨てて染物の世界に逃げた女性が、中年の妻子もある作家と半同性生活を送りながら、若い男性にも愛を注ぐ。その結末は?瀬戸内じゃくしょう氏自伝の映画化。暗い映画でした。私には理解出来ないね。

映画「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない」(ユナイテッドシネマ豊洲にて) 私的批評眼(J’CRITICAL EYE)★★★(今年150作目)
アニメ。男女3人づつの少年少女たちが、そのうちの死んだ一人の少女の幽霊とのやり取りから友情、愛情を描く。皆泣いていたね。女性陣は大泣きでした。

日経新聞9月6日付け夕刊「シネマ万華鏡」の評価によれば、「共喰い」が5つ星、「大統領の料理人」が4つ星、「わたしはロランス」が4つ星、「サイド・エフェクト」が3つ星、「スーサイド・ショップ」が3つ星、「キャプテン・ハーロック」が3つ星、「ハーメルン」が3つ星でした。

「私の去年2013年の映画の評価は?」
今年の★★★★★は、「舟を編む」「少年H」「タイピスト」
今年の★★★★は、「シェフ」「アルバート氏の人生」「ライフ オブ パイ」「東京家族」「ムーンライズ・キングダム」「ジャンゴ」「愛、アムール」「ヒチコック」「天使の分け前」「藁の盾」「アイアンマン3」「ラストスタンド」「カルテット」「旅立ちの島唄」「奇跡のリンゴ」「アンコール」「真夏の方程式」「ワイルド・スピード ユーロミッション」「風立ちぬ」「クロワッサンで朝食を」「最愛の大地」「スマイル・アゲイン」

「シノプスシ235」
「縫合」(上田 秀人 著)角川文庫 私的批評眼(J’CRITICAL EYE)★★★(今年260冊目)「阜苳ヤ石診療・vシリーズ第2弾

「大統領の首」(風野 真知雄 著)角川文庫 私的批評眼(J’CRITICAL EYE)★★★(今年261冊目)「妻は、くの一 蛇之巻」シリーズ第3弾

「白頭の虎」(牧 秀彦 著)二見時代小説文庫 私的批評眼(J’CRITICAL EYE)★★★(今年262冊目)「八丁堀裏+手」シリーズ第4弾

「哀しき刺客」(牧 秀彦 著)二見時代小説文庫 私的批評眼(J’CRITICAL EYE)★★★(今年263冊目)「八丁堀裏+手」シリーズ第5弾

「礼文島」

この島は「お花の島」だ。5月から9月末まで色々な花が咲き乱れる。前回訪れた時は5月中旬だったから、「水芭蕉」と「仏の座」を見ることが出来た。今回は「桃岩」展望台から尾根伝いに「つばめ山」、「元地灯台」経由で約3時間の「トレッキング」で「知床」まで歩く。その途中に「高山植物」が咲き乱れているはずだったが、咲き乱れてはいなかったが、それでも随所に花が咲いていた。本来ならば2000m級の山でしか見られない花々がこの島では見ることが出来る。時期的には遅かったが「エーデルワイズ」の花も観ることが出来た。一番の見頃は「トリカブト」だった。こちらの名前では「利尻ブシ」というが、「青紫色」の花を咲かせて正に見頃だった。この花、ご存知のように「毒」がある。普通のトリカブトは「根」の部分に毒があるが、こちらでは「根も花も茎も葉も」全てに毒があるという。自生している花々の中ではひとしお美しさを放っていた。だが、この島の最大の問題点は「強風」だ。高い山がないため、夏は東からの、冬は西からの強風が吹き捲っているので、木々の丈は小さく、また木は風でなぎ倒され、何度も何度も植樹が行われているが、上手くいかないという。島全体は小さな樹木とあとは草木で覆われていた。逆に言えば、木々がないため太陽の光が地面にまで到達して、「高山植物の宝庫」が出来たとも言えないことはないらしい。

再び利尻礼文へ

「J  REPORT 2013 9月第2週号」
「リタイアメント・ノート 5年3ヶ月目」、
「VOL。810 SINCE AUG.12th、1983」
「再び利尻礼文へ」
2010年5月に訪れたことがあった北の島々「利尻島」と「礼文島」だが、今回は例の「3S会」の3人で訪れた。羽田から「新千歳」経由「利尻空港」へと一直線に飛ぶ。空から見ると雲ばかりだ。丁度日本列島を横切っている前線と台風崩れの温帯性低気圧の影響か?全日空機の左翼に大きな「日の丸」が描かれていたが、あれ?日の丸なんて書いてあっただろうか?それとも北の方に行く飛行機にのみ書かれているのか?どうなんだろう?疑問符でした。もし、北行きだけならば、それはロシアに対する警告なのかなあ?とも思ったりした。利尻空港到着。だが、天候は「曇り、時々小雨、気温18度」とのこと。暑い東京から比べると極楽だが、風邪が7mあり、体感温度はかなり低く感じた。勿論「利尻富士」は半分以上雲の中だ。島はほぼ円形だ。反時計回りに島を巡る。西側で少し利尻山の山頂付近の雲が薄れ見ることが出来た。利尻島の見所は全てが「利尻富士」中心なので山が見えないとどうしようもない。前回訪れた時は雪に覆われた山は天候にも恵まれ素晴らしい姿を見せてくれたが、今回は駄目でした。兎に角涼しいのが嬉しい。夕食には山海の珍味がたくさん出てきた。美味かった。追加で「馬糞ウニ」を頼んだのだが、残念ながらホテルには「紫ウニ」しかなくて、それでも150g@4200円を頼み、3人で分けた。馬糞ウニの漁期は8月末までなので、ぎりぎり間に合うのではないかと思っていたが、紫ウニで我慢するしかなかった。利尻と言えば「利尻昆布」だ。島の人たちも「漁師」か「観光」に従事しているらしい。昭和30年代までは「ニシン漁」が盛んだったが、今は「ウニ」と「昆布」がメインだという。冷酒を飲んで満足しました。お腹も満腹です。