第四日目「ラスコーへ」

昨晩は雨が降っていたが、どうやら止んでいるようだ。早朝のサルラの街を歩く。既にパン屋さんは店開きしていて、パンを焼いていたが、次々と地元の人だろう、焼きたてのバケットを買い求めていた。さて本日の目玉はなんと言っても1万7千年前の洞窟壁画で有名な「ラスコー」だ。1940年犬を探していた少年たちが偶然に洞窟を見つけ、そこに壁画があることを発見したという。その後、壁画の劣化を避けるために閉鎖され、近くに寸分と違わないものを地下に人工的に造り、壁画を再現させたもの、それが「ラスコー?」と言われるものだが、それすら現在では一日約1000名程度に入場を制限している。勿論世界遺産だ。「クロマニオン人」と呼ばれるようになった我々人類の祖先が描いたものだと言われているが、入ってびっくり。本当に素晴らしいものがあった。当時既に「遠近法」が使われ、牛や馬、鹿、熊、トナカイ、ユニコーン、人間などが巨大な姿で躍動的に描かれている。まるで馬が走っているような連続絵もあるのには本当に驚かされた。言葉では言い尽くせない古代のロマンがそこにはあった。感動、感激。当時のヨーロッパの人口は約8万人と言われているから、そんな少数の人たちが数世代かけて描いたこれらの絵は、正に「人類の宝」だ。絵は壁の凹凸を利用して立体的に見せたり、また着色して動物たちの姿に変化を与えたり、当時の天才画家たちが何年も掛けて記憶力だけで下書きなしで描いたと想像されている。約45分の短い見学だったが、本当に素晴らしかった。来た甲斐があった。その後、近くの「フランスで最も美しい村」を2箇所訪れた。この村の選定は「フランス政府」が行い、その条件とは「人口が2000人以下であること」、「歴史的建造物が2つ以上あること」、「住民が村の美しさを維持する意欲があること」等だという。200年以上も前の古い建物が立ち並んでいる美しい村々だが、維持に費用が掛かり、売却する住民が増えていると言う問題も抱えているようだ。どこへ行っても教会を中心にして家々が建てられている。カャ潟bクの一番大切なのは「受胎告知」だそうで、これを信じる人はカャ潟bク教徒になれるが、これを信じなければなれない、所謂「踏み絵」のようなものだそうだ。そしてどの巨匠であれ、中世の画家は必ずこの「受胎告知」の場面を描いているという。「大天使ガブリエルとマリア様」、ガブリエルがマリア様に受胎したことを伝える。この場面がカャ潟bクでは一番重要だそうだ。さて、持参したパャRンが壊れたようでインターネットに繋がらない。10年も前のパャRンだから仕方がないんだろうが、全く困りました。帰国したら買い換えよう。さて今宵の宿は「ロカマドール」というところの「巡礼宿」だ。ここもスペインのサンチァゴ・デ・コンポステーラに続く「巡礼の道」の途中にあり、巡礼の人用の宿だから、設備も簡単で、ただ寝て起きて出発するというものだった。

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