「手前勝手世界食物語、第266話」

「旅暦41、グルメ旅、後記」
残された最終日の「大人の休日倶楽部」の切符を使って長野県上田市を訪れた。上田から「しなの鉄道」に乗り替えて「信濃国分寺」へ行く。そこから歩いて「蕎麦屋」に行ったのだが、月曜日で休みだった。月曜日だと言うことを忘れていた。がっかり。仕方なく上田駅まで戻り、以前入ったことのある店を探すことにした。駅前から坂を登り「旧北国街道」沿いの古い町並みのところにその店はあった。数年前にも一度訪れていたが、その店の名は「おお西」という。この店の蕎麦の特徴は「発芽そば」というところにあるらしい。まあどんなものか知らないが、以前訪れた時には何かの新聞記事のコピーが置いてあり、「信州蕎麦に美味しいのはないが、うちのは美味しい」というようなことが書かれていたと記憶している。店の人にその話しをしたら「まあ、自信たっぷりねえ」と笑っていたが、「そんな記事のことは知らない」とその女性店員は言っていた。蕎麦の実を発芽させてそれを臼で挽いて粉にしているという。それではその「発芽そば」@1575円を食べてみることにした。細目の蕎麦が冷たく冷やされて出て来た。出汁は「鰹節」か。確かに咽喉越しはよい。つるつると入って行く。「二八そば」だろうか。量はそれなりに多い。でも直ぐに出て来たから、「挽きたて、打ちたて、茹でたて」でないことは間違いないだろう。ちょっと残念な結果でした。どうもご主人はおられず、女性店員が2名いただけでした。ご主人はいろいろと著作も多い方だけれど、「蕎麦屋の主人が店にいなくてどうするの?もっと蕎麦に力を入れるべきだ」と思いました。
以上、まだまだ暑い東京から勢古口がお送りしました。

「朝焼け」

猛暑が続いているが、その日は朝焼けが実に美しい朝だった。なんだか地震でもくるんじゃないかと奇妙な気持ちにさせられた。北海道に行っている間も北海道も30度以上だったが、比較的朝晩はまだ東京よりは涼しかった。日中でも日陰に入れば涼しく感じるから、まあ少しは助かった。地震の前に起こる自然現象に「雲」などがあるようだが、連日のように「東南海地震」や「首都直下型地震」、果ては「富士山噴火」等が報じられているから、ちょっと空を見ただけで何かを想像してしまうのは私だけだろうか?いつも持ち歩いている「カメラ」は、オリンパスのデジカメなのだが、どうも超高機狽フデジカメがオリンパスから出ているらしい。20数万円するらしいが、軽くてズームも凄いという。ちょっと高いが重たいカメラを持ち歩いている人には都合がいいらしい。オリンパスにャjーが出資することが決ったと新聞に報じられていた。今、日本の電機電器業界は大変だ。シャープの創業者の記事も新聞に載っていたが、100年前には実に斬新な企業だったのが、今や経営危機に襲われている。戦前からの企業も戦後からの企業も岐路に立たされているのは事実だ。日本復活は果たしてあるのか?問われているのは企業経営者だけではない。政治家はどうなっているのか?疑問ばかりが頭をよぎる。

「中学同級生たちの集まり、後記」

先日の中学のクラス会での写真で右から「K君、O君、そして私」だ。昭和23年生まれか24年早生まれの団塊の世代たちだ。その中の誰かが世界55カ国に旅したと話していたので、これまで余り計算してこなかったが、私は果たして何カ国なのか、勘定してみることにした。アジアは「中国、韓国、台湾、香港、マカオ、ベトナム、カンボジア、マレーシア、タイ、シンガポール、インドネシア、スリランカ」で13カ国、オセアニアは「オーストラリア、ニュージーランド」で2カ国、北米は「アメリカ、カナダ」で2カ国、中南米は「チリ、アルゼンチン、ウルグアイ、ブラジル」で4カ国、中東アフリカは「アラブ首長国連邦、カタール、バーレーン、エジプト、チュニジア」で5カ国、ヨーロッパは「フィンランド、スウェーデン、ノールウェイ、ロシア、オランダ、ベルギー、ドイツ、フランス、スペイン、イタリア、ギリシャ、スイス、スペイン、オーストリア、チェコ、スロベニア、ハンガリー、クロチア、ボスニアヘルツェゴビナ、モンテネグロ、セルビア、イギリス、トルコ」で23カ国。合計は「49カ国」でした。今年はこれに「ポルトガル」が加わる嵐閧セ。まだまだ行っていない国が沢山あるなあ。これからは年2回程度に減らして海外旅行に行くつもりだ。ANAのマイルも7万マイル以上貯まっているから、ヨーロッパでもアメリカでもただで行けるから、それも考えて嵐閧??gむつもりだ。
私が中学に入学したのは昭和36年だ。学校は横浜市港北区日吉に今もある。東横線の日吉駅から歩いて10分ほどだった。だが、当然のことながら日吉駅から電車で渋谷方面に帰る同級生は多いが、横浜方面に帰るのは数人だった。だから少数派はだいたい一緒に帰ったものだった。他のクラスも同様で横浜方面に帰るのはやはり少数派。だからそれなりに仲良くなった。多数派の渋谷方面組は多過ぎて分からないが、中学時代の生活は本当に楽しかった。いじめなど全くなかったし、毎朝、バスケットか野球をやりに始業時間の1時間も前に登校していた。本当に楽しい中学時代だった。中学入学時のクラスはそのまま卒業時まで同じなので3年間親しんだ仲間達との再会は本当に楽しかった。今はどうか知らないが、当時は一クラス50名で5クラス、合計250名、内小学校からの進学組が100名で外部から受験してくるのが150名だった。「ベビーブーマー」と呼ばれた世代だった。

「富士山の見える町」

遠く透き通った空気の先に「富士山」が見える。昔はごく当たり前の風景だったのだろうが、今は高層ビルが建ち並び都内から富士山を観ることも希になった。それでもたまに富士山が見える場所に立つと胸を打つ。日本人にとっての富士山は宗教のようなものなのだろう。正に神様が宿る場所だと感じるのだった。

2012年の映画のお話し
映画「デンジャラス・ラン」(有楽座にて) 私的批評眼(J’CRITICAL EYE)★★★(今年159作目)
元CIAの工作員が原題でもある「SAFE HOUSE」、証人等を隠しておく家のことだが、この家に収容された。彼は何か秘密を持っている。そこに何者かの集団が襲い掛かり、護衛たちを殺して行く。脱出したハウスキーパーの若い男性と工作員が逃げるのだが、追跡は終わらない。何者が追いかけて来ているのか?その黒幕は?

映画「躍る大捜査線 THE FINAL」(日比谷スカラ座にて) 私的批評眼(J’CRITICAL EYE)★★★(今年160作目)
警察内部の人間が起こした殺人事件。その問題点を明らかにするために青島係長は辞任勧告まで受けることになるのだが、最後は勿論ハッピーエンドです。15年間ご苦労様でした。これで終わりです。

映画「凍える牙」(丸の内TOEI銀座にて) 私的批評眼(J’CRITICAL EYE)★★★(今年161作目)
韓国はャEルで起きた連続殺人事件に対応する警察を描く。その手口は犬と狼を掛け合わせた犬が人を襲うというもの。殺人の動機は娘の復讐だった。それを中年の刑事と若い女性刑事が解決する。

映画「ハーバークライシス」(丸の内TOEIにて) 私的批評眼(J’CRITICAL EYE)★★★(今年162作目)
台湾の映画だが、まあ色々な要素が全て織り込まれた活劇だ。ある爆弾を奪おうとするグループに挑戦する一人の警察官とヤクザが主人公だ。銃撃戦、カーチェイス、殴り合い、挙句は飛行機のハイジャック等もう大変です。

映画「夢売るふたり」(ユナイテッドシネマ豊洲にて) 私的批評眼(J’CRITICAL EYE)★★★(今年163作目)
居酒屋をやっていた夫婦は火事で全てを失う。自前の店を持つために始めたのは旦那が女性を引っ掛け、結婚鷺を働くと言うもの。人間が陥る夢と犯罪を描く。

日経新聞9月14日夕刊「シネマ万華鏡」によれば、「ライク・サワン・イン・ラブ」が4つ星、「わたしたちの宣戦布告」が4つ星、「天地明察」が3つ星、「鍵泥棒のメャbド」が3つ星、「白雪姫と鏡の女王」が3つ星、「イラン式料理本」が3つ星、「スケッチ・オブ・ミャーク」が3つ星でした。

「私の今年の映画の評価は?」
今年の★★★★★ 「ヘルプ」「わが母の記」
今年の★★★★  「ロボジー」「麒麟の翼」「ドラゴンタトゥーの女」「ポエトリー」「ピラミッド」「シャレード」         「PINA」「エル・ブリ」「マーガレット・サッチャー」「マリリン 7日間の恋」「アーティスト」「ジョン・カーター」「裏切りのサーカス」「ファミリー・ツリー」「星の旅人たち」「ミッドナイト・イン・パリ」「プレイ 獲物」「崖っぷちの男」「ブラック・ブレッド」「リンカーン弁護士」「ローマ法王の休日」「ダークナイト・ライジング」「あなたへ」「最強のふたり」

「シノプスシ189」
「風渡る」(葉室 麟 著)講談社文庫 私的批評眼(J’CRITICAL EYE)★★★(今年240冊目)
戦国時代から秀吉の時代に掛けてのキリスタンたちの布教活動とキリスタン大名らの動きを追う。

「深川思恋」(稲葉 稔 著)光文社文庫 私的批評眼(J’CRITICAL EYE)★★★(今年241冊目)
「剣客船頭」シリーズ5

財布を買い換える

「J  REPORT 2012 9月第3週号」
「リタイアメント・ノート 4年3ヶ月目」、
「VOL。758 SINCE AUG.12th、1983」
「久し振りに仙台会」
オジサンたちが集まってわいわいやってます。これは昭和40年代後半に仙台で机を並べた同僚達の集まりです。内2名はわざわざ仙台からやってきました。その時代、「総合商社 丸紅」の「仙台支店の金属課」は総勢17名いたということだから大変な大所帯だったわけで。当時は「日本列島改造論」に沸き経っており、東北地方も「東北新幹線」の着工等で大型土木工事やらなにやらで活況を呈していた、そんな時代を過ごした仲間達だ。現役はたった一人だが、皆元気にやっている。

「財布を替えた」
先日、財布を落としてしまい、大変苦労したので、「縁担ぎ」「厄落とし」も兼ねて財布を買い換えることにした。結論から言うと財布は見つかって被害はなかったのだが、その財布はフランス製のブランド品で実はもう20年以上も使っており、元々の茶色や模様が見えない位に手垢?か何かで汚れてしまっていた。但し丈夫だから使用しているのに問題はない。まあ円高だから思い切って買い換えることにしたが、これで後20年は持つことが可狽セとすれば、私にとってこれが「人生最後の財布買い替え」となるのだろうか?そう考えるとしんみりしてしまう。

「函館のうに丼」と「あおもりのラーメン」

第三日目、函館に朝は真っ青な空に魚の鱗のようは雲が浮かんでいた。空気は澄み切っている。函館山もくっきりと見える。お目当てはこれもミシュランで紹介されていた「うに むらかみ」だ。朝市仲通りの突き当たりだという。行ってみると既に行列が出来ていた。7時30分開店だ。中に入ってオーダー。私はこの店自慢の「無添加生うに丼」@2850円を頼む。約25分ほどで出てきた。「うに」が2段になってご飯の上に乗っている。わさびを醤油で溶かしたものを上から掛けて食べる。「うに」の甘みが口いっぱいに広がる。美味しい。ご飯と一緒に口に放り込む。箸はいつまでたってもご飯に到達しないかのような「うに」な量だ。これは美味だ。ついでに贈答用に「B級うに詰め合わせ」を注文する。インターネットでも注文できるという。さてこの店、「味噌汁」はお替り自由だ。海藻類がはいっていてこれも美味しい。納得の味でした。
函館から少し先の「大沼公園」に足を運び「小沼」の周辺を探索する。「水仙」が沢山咲いていた。さて、海峡線で青森へ向かう。青森も空気がからっとしていて冷房の必要がないような気分にさせられる。お目当ては「まるかいラーメン」だ。いつも青森ではここでラーメンを食べる。今年の一月にも来ている。店は大変混んでいた。あるのは「ラーメンの大盛か中盛」のみ。その他は「お握り」がおいてあるくらいで本当のラーメン専門店だ。中盛が@550円、大盛が@600円と格安だ。出汁は「煮干」が青森ラーメンの特徴だ。醤油ベースで煮干の香りが口中を潤す。中太麺とあとはチャーシューと支那竹と刻み葱とごくごく単純だ。それを一度に20杯づつ位茹で上がり出てきて客に配る。「大」か「中」だけだから配るのも簡単なもの。客席はどうだろう。40人は楽に入れるのではないだろうか?美味しかった。
青森港では「B級グルメ」のフェアをやっていて沢山の屋台に行列が出来ていた。凄い人の数だ。田舎では珍しいフェアだから市内近郊からも客が詰め掛けてきているようだ。港には函館にも青森にも既に引退した「青函連絡船」が保存されていた。青い海と空、本当に綺麗で北海道側からは海峡を挟んで青森側が、青森からは北海道がそれぞれ見えた。

2012年の映画のお話し
映画「最強のふたり」(日比谷シャンテシネにて) 私的批評眼(J’CRITICAL EYE)★★★★(今年155作目)
フランス映画らしいエスプリが効いた映画だった。首から下が動かない富豪のヘルパーをすることになった黒人青年と富豪との心温まる実話。面白かった。お薦めです。

映画「コロンビアーナ」(ユナイテッドシネマ豊洲にて) 私的批評眼(J’CRITICAL EYE)★★★(今年156作目)
コロンビアで両親をマフィアに殺された少女が復讐を遂げるまでのお話し。少女はマフィアの追跡を逃れてアメリカに渡り、15年後には完璧な暗殺者になる。兎に角銃撃戦が凄い。

映画「ひみつのアッコちゃん」(ユナイテッドシネマ豊洲にて) 私的批評眼(J’CRITICAL EYE)★★★(今年157作目)
小学5年生のかわいい少女「アッコちゃん」が魔法の鏡で大人に変身して化粧品会社を助けると言うお話し。御伽噺のような物語。

映画「I’m FLASH」(ユナイテッドシネマ豊洲にて) 私的批評眼(J’CRITICAL EYE)★★★(今年158作目)
舞台は沖縄。新興宗教の若き教祖は、飲酒運転の上、事故を起こし人を殺し、同乗の女性も植物人間となってしまった。しかし警察に逮捕されることもなく、3人にヒットマンにガードされて過ごしていた。彼の趣味は素潜り。そんな彼を殺そうとするのは果たして誰か?不可思議な映画でした。

日経新聞9月7日夕刊「シネマ万華鏡」によれば、「デンジャラス・ラン」が4つ星、「夢売るふたり」が3つ星、「凍える牙」が4つ星、「ウェイバック・脱出6500km」が3つ星、「ディクテーター・身元不明でニューヨーク」が2つ星、「踊る大捜査線・ザ・ファイナル・新たなる希望」が3つ星、「莫逆家族」が3つ星でした。

「私の今年の映画の評価は?」
今年の★★★★★ 「ヘルプ」「わが母の記」
今年の★★★★  「ロボジー」「麒麟の翼」「ドラゴンタトゥーの女」「ポエトリー」「ピラミッド」「シャレード」         「PINA」「エル・ブリ」「マーガレット・サッチャー」「マリリン 7日間の恋」「アーティスト」「ジョン・カーター」「裏切りのサーカス」「ファミリー・ツリー」「星の旅人たち」「ミッドナイト・イン・パリ」「プレイ 獲物」「崖っぷちの男」「ブラック・ブレッド」「リンカーン弁護士」「ローマ法王の休日」「ダークナイト・ライジング」「あなたへ」「最強のふたり」

「シノプスシ188」
「警視庁極秘捜査班」(南 英男 著)光文社文庫 私的批評眼(J’CRITICAL EYE)★★★(今年230冊目)
緊迫の刑事物

「もぐら 讐」(矢月 秀作 著)中公文庫 私的批評眼(J’CRITICAL EYE)★★★(今年231冊目)
「もぐら 乱」(矢月 秀作 著)中公文庫 私的批評眼(J’CRITICAL EYE)★★★(今年232冊目)
元刑事が捜査に協力して大活躍。新しい時代のヒーローか?

「青嵐の譜」上(天野 純希 著)集英社文庫 私的批評眼(J’CRITICAL EYE)★★★(今年233冊目)
「青嵐の譜」下(天野 純希 著)集英社文庫 私的批評眼(J’CRITICAL EYE)★★★(今年233冊目)
鎌倉時代、元が2度に亘り攻めてきた。若い日本の男2人と高句麗から渡来した少女らの時代に翻弄された物語。

「岳飛伝」上(北方 謙三 著)集英社 私的批評眼(J’CRITICAL EYE)★★★(今年234冊目)
「岳飛伝」下(北方 謙三 著)集英社 私的批評眼(J’CRITICAL EYE)★★★(今年235冊目)
幻王楊令が死んだ梁山泊はどこへ行くのか?中原は「金」、南には「南宋」、そして東に「梁山泊」。次の時代は南宋の軍閥を率いる「岳飛」だった。

「木場豪商殺人事件」(風野 真知雄 著)文春文庫 私的批評眼(J’CRITICAL EYE)★★★(今年236冊目)
「耳袋秘帖」シリーズ14段

「浮かぶ瀬」(岡本 さとる 著)祥伝社文庫 私的批評眼(J’CRITICAL EYE)★★★(今年237冊目)
「取次屋栄三」シリーズ第7段

「空ろ蝉」(藤井 邦夫 著)文春文庫 私的批評眼(J’CRITICAL EYE)★★★(今年238冊目)
「秋山久蔵御用控」シリーズ第5弾

「悪銭」(鈴木 英治 著)カドカワ文庫 私的批評眼(J’CRITICAL EYE)★★★(今年239冊目)
「裏江戸探索帖」シリーズ第一弾
以上、勢古口が北海道からお送りしました。
「函館・むらかみのうに丼」

「手前勝手世界食物語、第265話」

今回の「旅暦41」はある意味「ミシュランガイド北海道編、グルメ旅」でもある。ミシュランガイドの「一つ星」の店を3軒廻る旅だ。まず札幌の「すし処 ひょうたん」、次が帯広の「豚丼 鴨川」、そして最後が函館の「鮨処 美な味(みなみと読む)」だ。夕暮れの函館の街を函館山のほうに歩いていく。沢山の人たちが歩いているのが不思議だ。15分ほどでお店を発見した。勿論蘭?マだ。店には49歳、創業20周年のご主人と、女性が二人だけ。お任せで食べる。ネタをおもむろに下の冷蔵庫から取り出し、そのま目の前に並べるだけ。ここも生のままで冷蔵装置は使用していない。壁を見ると本日のネタとその産地が書いてある。殆どが道内、それも函館近辺のものばかりだ。聞くと本日は「バルガイ」とか言って前売り3500円、当日@4000円で5枚綴りの券を買って参加70軒ほどの店に立ち寄り、1ドリンク1品の料理が出来るイベントが開催されているという。以前はこの店も参加していたらしいが、一日に500名も来られてどうしようもないので参加を止めたという。確かにご主人一人しかカウンターにいないのだから500人には対応出来ないだろう。でも外は賑やかな人出が続いていた。さてお任せで最初に出てきたのは「松前漬け」、お酒は地元北海道増毛町の「国稀」というのを頼む。この店はビールか日本酒しかない。お造りは「小鯛、ホッケ、さより」だ。ホッケは金串を焼いてそれを押し付けている。次が「馬づらの刺身」、「焼きうにと煮たこ」、「真烏賊の刺身」(生きたままの烏賊を目の前でさばく。一日3尾のみの限定品だという。たっぷりの生姜とおろしに醤油をたらす絶品でした)、「たらこの粕漬け」(これはご自身で発案されたもので酒飲みのは最高の品だった)、「穴子の生地焼き」。握りは「鱸」、「赤身の鮪」、「鮪のトロ」(函館)、「小肌」(熊本産)、「平目の昆布〆」、「赤貝」(仙台湾)、「〆鯖」(釧路産)、「ボタン海老」、「うに」(戸井産)、「ハマグリ」、「煮穴子」、「卵焼き」(塩をつけて食べる)、「紅鮭」、最後にお椀でお吸い物が出た。まあ言葉にならないほどの美味しさだった。日本酒を5杯ほど飲んで、14000円強でしたが、これはもう一度来る必要ありの美味しさでした。ご主人は色々な鮨屋さんには出掛けていったその仕事振りを勉強してくるというから、どこの鮨職人も一緒だ。「鮪」は対岸が青森の大間だから同じものが函館にも揚がるという。極上の鮪でした。
今回の「ミシュランガイドのグルメ旅」は色々ありましたが、大成功だといえよう。

「帯広から函館へ」

二日目、旅は一路「帯広」へ。仕事で行ったことはあるが、観光は勿論初めて。気温はなんと30度。暑い。しかし空気は乾燥しているようで日陰に入ると涼しく感じる。快晴の空は真に澄んでいる。お目当ての「豚丼」の店まで歩く。ところが「開店は11時45分」との札が掛かっていた。仕方なく近くの「帯広グランドホテル」へ行くがレストランはやっていない。聞くと近くに喫茶店があるというのでそこで時間調整してから、開店時間に店に向かう。ミシュランガイドの星一つの店「鴨川」なのだが、意外と普通の民家のようで決して綺麗な店ではない。一番に並ぶ。行列は6名。やがて店の人が顔を出し、入れてくれたが、夫婦二人でやっているようだ。カウンター5席、小上がりで8席か。次々とお客が来るが、「時間掛かりますよ」と断るばかり。私は「味噌味豚丼」@1280円を頼む。勿論「時間掛かりますよ」と言われる。待つこと約25分。確かに手作業で自家製だから仕方がないか。丁寧に豚をフライパンで焼いている。普通の店は網で大量に焼くという。一つ一つ自らの手で焼くのがこの店らしい。一度に5人分しか造らないそうだ。味噌味と醤油味の2種類のみ。目の前に「カツ丼はありません」と書かれていた。出来上がった「豚丼」は、豚肉がなんと8枚、どんぶりの上にびっしりと2重に並び、隙間もない。その上に摩り下ろした生姜がどんと乗っている。味噌の甘いたれがこれまた美味い。いやあ、感激だ。途中で「4人ですけれど一つだけ注文できますか?」という人が入ってきた。勿論断っていたが、聞くと「豚丼の食べ歩き」らしい。何軒もの店を廻っている人たちらしい。なるほどそういう手もあるのか。しかし店にとっては迷惑な話しだ。「昨日は大変だった」とご主人が言うが、確かに家族経営の店に沢山のお客がやってきても、対応が難しいのだろう。手造りの豚丼は確かに美味しかった。本に紹介されるとお客がやってくるのはありがたいのだろうが、迷惑な面も確かにあるのだろう。ご主人はミシュランに紹介されてから色々な人がやってきて、果ては文句を言う人もいて警察に相談したこともあるという。有名税みたいなものなのか?さて青い空、美味い豚丼、帯広は天国のようでした。午後からは函館に向かう。南千歳で乗り換えたが、どの路線も人が一杯で混雑していた。「昭和新山」「羊蹄山」等を眺めながら一路函館へ。

「旅暦41、ミシュランガイド北海道編を手に北海道東北へ」

中学校のクラス会の翌日、東京から東北新幹線「はやて」号で新青森に向かう。東北の稲刈りはまだ先のようだ。田では黄金色になった稲穂が重そうに頭を垂れている。この暑さで逆に米は豊作だったのだろう。空はどんよりと曇っている。日本海側を中心にして大雨の藍?ェ今朝方出ていたが、どうやらこの先、青森は雨かも知れない。先週行った「安房勝浦」や「信州松本」はほぼ稲刈りが終わりかけていた。日本は南北にも東西にも長いから、地域的な違いは沢山ある。私自身、サラリーマン時代には日本全国を仕事でもレクリエーションでも旅した経験がある。「住めば都」とはよく言ったもので、どこでも日本は素晴らしいと思う。特に海外に出て日本を見るとその素晴らしさをより一層感じることが出来る。暮らしも環境もそして食も素晴らしい。そんな経験を今回の旅でも味わおう。新青森でラーメン屋を探すが、目的の店がなかなか見つからない。仕方なくタクシーを拾い漸く店に到着。「双葉」というみせだったのだが、残念ながら全く期待外れ。青森独特の魚介のスープも駄目だし、塩っ辛いだけで店自慢というのは全然感じられなかった。たまには失敗もするなあ。JR海峡線で北海道に入ると雨が降っていたが、函館は曇り空。乗り換えて札幌に向かうのだが、兎に角どの路線も満席だ。東北新幹線も海峡線も道内の函館線も全て満席だ。まあ、「大人の休日倶楽部」の波及は凄いと言わざるを得ない。指定も自由も全て満席なのだから凄い。さて、函館を過ぎると曇りになり、漸く札幌、ちょっと涼しくなってきた。東京を朝7時30分に出て札幌には午後6時半、長い長い汽車の旅でした。早速、お目当ての「すし処 ひょうたん」に行く。カウンター席9席は私の席以外はもう埋まっていた。「ミシュランガイド北海道編」で一つ星を獲得した店だ。今日は何を食べようか?まず出されたのが「もずく酢」、「白子のポン酢和え」、「秋刀魚の刺身」、「毛蟹の内子和え」(内子はロシア産のタラバがよいのだが、只今は殆ど輸入がなくて苦労しているという、正に珍味)、「キンキの煮漬け」(大根と梅干入り)、「こはだ」、「甘エビ」、をあてで食べた。握りで「ボタンエビ」、「大とろ」、「鯛の昆布締め」、「とりがい」、「いくら」、「うに」、「いか」「、サーモン」、「さば」を食べた。最後は「キンキと平目の荒汁」でした。味にしても最初の頃よりは感激が薄らいだか。まあ地元の客のほうが大切だろうし、私みたいに突然年に数回来る客は一見客並みに大切にされないというが良く分かった。歴然と他の客と差別されるとがっかりするよなあ。まあ寿司屋は馴染みにならないと駄目だね。これは全国共通だ。馴染みにはかなわない。ネタは最高だったが、サービスは今一つ納得できないものだった。焼酎を飲んで合計14200円でした。寿司屋との付き合いは本当に難しいといか馴染みにならなければならないというのが不文律なんだろう。だから多分「回転すし」がはやるのだろう。でも握り手と指しで食べる本当の寿司はやはり馴染みでなければならないと痛切に感じた今回の札幌でした。ホテルが凄い。「ホテル・レオパレス札幌」一泊@6000円だったが、一階は大き目のャtァーが向かい合わせについた部屋、ベッドルームは2階、というよりもロフトといった形でこれも広い。トイレ、バスは1階だったが、これにはびっくり。素晴らしいホテルでした。

48年振りのクラス会

「J  REPORT 2012 9月第2週号」
「リタイアメント・ノート 4年3ヶ月目」、
「VOL。757 SINCE AUG.12th、1983」
中学校のクラス会は48年振り
昭和39年3月に我々は「慶応義塾普通部」を卒業した。その時のクラス会がなんと48年振りに開かれたのだ。我々のクラス名は「C組」だ。3年間クラス替えはないから少年時代の3年間を毎日付き合った仲間たちだ。その日我々は期待と興奮のうちに銀座のイタリア料理店「バラババオ」に集まった。まず最初に私を見て「誰だ?」との声が掛かった。確かに中学時代は痩せていたが、今は太っている。まあ皆同じように太っていたり、頭髪がなかったり白かったりと当然ながら老化していた。でもなんとなく面影が残っているので大体誰だか分かるから不思議だ。C組50名の内、物故者が5名、平均値なのだろうか?病気も事故もあったが、大変残念だ。海外にいるのが3名。その他医師が2名、弁護士が1名。合計出席者23名、皆いい叔父さん?お爺さん?になっていた。大声で歓談し、飲み、楽しい一時を送った。再来年は卒業50周年ということで、学年全部での同窓会もやるらしい。場所が銀座のイタリア料理店だったので、他のお客様にかなり迷惑を掛けたのではなかろうか?はしゃぎ過ぎた叔父さんたちでした。追伸、やはり自己紹介が自慢話にはってしまうのは避けられませんでした。もういい加減にしてもらいたいね。自慢話は止めてよ。昔、こういう話しを聞いたことがある。「老人になると言うことは可柏ォの窓がどんどん閉じて行くことだ」。それは青年時代には可柏ォの窓は沢山あるが、歳を経るに連れて窓が閉じられてくると言うことだという。今、私の前にある窓は果たして幾つあるのだろうか?中学時代の同級生と会ってそんなことを思い出した私でした。写真はクラス会のもの。私は後の列の中央部、背をかがめています。