「帯広から函館へ」

二日目、旅は一路「帯広」へ。仕事で行ったことはあるが、観光は勿論初めて。気温はなんと30度。暑い。しかし空気は乾燥しているようで日陰に入ると涼しく感じる。快晴の空は真に澄んでいる。お目当ての「豚丼」の店まで歩く。ところが「開店は11時45分」との札が掛かっていた。仕方なく近くの「帯広グランドホテル」へ行くがレストランはやっていない。聞くと近くに喫茶店があるというのでそこで時間調整してから、開店時間に店に向かう。ミシュランガイドの星一つの店「鴨川」なのだが、意外と普通の民家のようで決して綺麗な店ではない。一番に並ぶ。行列は6名。やがて店の人が顔を出し、入れてくれたが、夫婦二人でやっているようだ。カウンター5席、小上がりで8席か。次々とお客が来るが、「時間掛かりますよ」と断るばかり。私は「味噌味豚丼」@1280円を頼む。勿論「時間掛かりますよ」と言われる。待つこと約25分。確かに手作業で自家製だから仕方がないか。丁寧に豚をフライパンで焼いている。普通の店は網で大量に焼くという。一つ一つ自らの手で焼くのがこの店らしい。一度に5人分しか造らないそうだ。味噌味と醤油味の2種類のみ。目の前に「カツ丼はありません」と書かれていた。出来上がった「豚丼」は、豚肉がなんと8枚、どんぶりの上にびっしりと2重に並び、隙間もない。その上に摩り下ろした生姜がどんと乗っている。味噌の甘いたれがこれまた美味い。いやあ、感激だ。途中で「4人ですけれど一つだけ注文できますか?」という人が入ってきた。勿論断っていたが、聞くと「豚丼の食べ歩き」らしい。何軒もの店を廻っている人たちらしい。なるほどそういう手もあるのか。しかし店にとっては迷惑な話しだ。「昨日は大変だった」とご主人が言うが、確かに家族経営の店に沢山のお客がやってきても、対応が難しいのだろう。手造りの豚丼は確かに美味しかった。本に紹介されるとお客がやってくるのはありがたいのだろうが、迷惑な面も確かにあるのだろう。ご主人はミシュランに紹介されてから色々な人がやってきて、果ては文句を言う人もいて警察に相談したこともあるという。有名税みたいなものなのか?さて青い空、美味い豚丼、帯広は天国のようでした。午後からは函館に向かう。南千歳で乗り換えたが、どの路線も人が一杯で混雑していた。「昭和新山」「羊蹄山」等を眺めながら一路函館へ。

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