「山形へ、9月1日」

最初は新庄へ行くつもりだったが、余りにも時間が掛かるので途中の山形で降りることとした。山形新幹線で福島から奥羽本線に入る。米沢経由で山形へ。今まで何回も来ている山形だが、殆どが通過か、蔵王へのスキーなのでゆっくり市内を歩いたことがなかった。まずお城跡へ向かう。「霞城」と書いて「かじょう」と読むらしい。城には東大手門が残っていたが、初代城主の「最上義光」の馬上の戦姿の銅像が印象的だった。入社して初めての勤務地が仙台で、そこで取引先の常務さんが「最上さん」だった。彼が亡くなった時にはなんと2000人もの弔問客があったという。多分、最上家の末裔だったのだろう。未だ戦国の世が残っていたような出来事だった。さて、城址をあとにして目的のラーメン屋に向う。山形だから「蕎麦」か「ラーメン」か、で随分迷ったのだが、山形県は意外に思われるかもしれないがラーメンが好まれる地域なのだ。寒いから仕方ないか。蕎麦も有名だが、地元の人はラーメンも好んでいるのだ。そこで市内のラーメン屋に行ってみた。「龍上海」という店で頼んだのは「赤湯からみそラーメン」@800円だった。普通のラーメンなのだが、真ん中に「辛味噌」がある。それをスープに溶かせて食べるらしい。麺は中太縮れ麺、多分手打ちなのだろう。具材は単純で「ネギ、支那竹、チャーシュー」だけ。しかしトンコツで造ったスープに溶かせた入れた辛子味噌は、仄かに辛子だけでなく、鰹節の味がする。なるほどそれなりに美味いと思った。スープを80%ほど飲み干す。ちょっと塩気を取り過ぎたかな?でもわざわざ山形までやってきたのだから思い切って楽しもう。お城とラーメン、それだけで山形を去る。蔵王の山々も緑一色だ。間もなく秋から冬へと蔵王は変身する前の姿だ。帰り道、大宮では地域的な大雨が降っていた。これで少しでも涼しくなればいいのだが。

「手前勝手世界食物語、第264話」

「財布を失くす」
たまにはといっても最近遺失物が多くて困る。先日も銀座の「紅虎」で中華料理を食べた。「辛子白菜」@580円、「砂肝ネギあえ」@480円、「焼きエビワンタン」@680円、「牛ほほ肉のうま煮」@1900円、「穴子の白酒香り揚げ」@1600円。「牛ほほ肉」は箸でも切れるほどに柔らかく煮込んであって美味しかった。これは満足。「穴子の香り揚げ」は骨を取り除いた穴子を揚げたものだが、香ばしい香りと共に塩味で食べるのだが、さっぱりした味だった。ここの料理はどれも実に美味しい。「焼きエビワンタン」は想像と違っていて、ワンタンの皮にエビを入れて焼いたもの、まあまあか。とご機嫌で帰ったのだが、翌朝、散歩から戻っての午前7時、ポシェットから財布を出そうとしたら「ない」のだ。「財布を落としたのだ」。これからが大変だった。まず「銀行のキャッシュカード」を止める。同時に「クレジット機煤vが付いたものはクレジットも止める。次に「ゆうちょ銀行」、デパートのカード2社、スーパーのカード等々と電話をあちこちに掛けてから、近くの交番へ「遺失物届け」を出しに行く。銀座の店で金を払ったのは間違いないので、店から自宅までに間、途中は銀座4丁目バス停からバスに乗ったが、本を読んでいたので財布は一切使っていない。でも現金は精々数千円しか入っていなかったから、あとはポイントカードだとか病院の「診察券」だとか重要なものが沢山入っていたが、取り敢えず現金化されるものはまずは止めた。そして午前11時、店の開店を狙って電話をすると、「ありました」。向こうはこちらの名前も知っているし、名刺も渡してあるのに、連絡をしてこないとはと怒りもあったが、まずは直ぐに回収に向う。勿論問題なく全てありました。銀行には10時過ぎに既に「再発行依頼済み」だったから、「ゆうちょ銀行で停止解除」してもらい、後は仕方がないが新しいカードが付くまではお金の取り扱いは当分停止としよう。まあ何があれ見つかってよかった。実は回収してきてからみたら、まだまだ沢山の銀行キャッシュカードやらクレジットカードやらが入っていたので、整理のためにも全てのカード類をパャRンに入力して分かるようにしておいた。どうして財布を店での支払いの後忘れてきたのか今もって分からない。カード以外のものでは、診察券2枚、ホテルのバーのボトルキープカード、歌舞伎のイヤフォーン前払い券、レストランのポイント券、スタバのコーヒーのポイント券、床屋のポイント券、スーパーのギフト券、そして「身体障害者手帳」等が財布には入っていた。基本的にクレジットカードは別のものに入れているので、もしそれも失くしていたら、もうどうにもならなかっただろうが、運よく?馴染みの店だったので助かったのかもしれない。以後気を付けます。全くどうしているんだ、気の緩みか?夏バテか?海外に行くときは、カードは「VISA ANA」と「AMEX」の2枚のみ、後はお金のみで余計なものは絶対に持っていかないのだが、国内にいる時はそうもいかない。病院の診察券がなくなっていたらと思うと恐ろしくなってきた。
以上、勢古口がちゅっぴり涼しくなってきたかなあ?と感じる東京からお送りしました。

「松本へ、8月31日」

新宿から「特急あずさ号」で西へ向う。八王子までは住宅街を走るが、その後は山間の緑の谷間を走る中央本線。まだこの辺りは稲刈りにはなっていない。甲府まで一時間半、もう山に囲まれた地域だ。八ヶ岳も美しく見える。やがて約3時間で松本に到着する。気温35度。暑い。駅前から北に向かい約10分ほど歩いてNHKの近くで目的の「そば処浅田」に着く。住宅街の中、自宅の庭に店を建てた風情だ。既に列が出来ていた。駐車場には県外ナンバーの車もある。それでも10分も待つことなく中へ入れて、メニューを見る。「ざるそば」@800円、「じゅう割そば」@1000円とある。そこでそれぞれ1枚づつ頼む。暫くすると店員が薬味を持ってくる。大根おろしと刻みネギと山葵の3種だ。店員が「大根おろしはとても辛いので少しづつ入れて下さい」という。まず来たのは「ざるそば」。これを鰹節の効いた出汁で食べる。まあ良く蕎麦の味が感じられる。次は「じゅう割そば」だ。これはちょっと固めのコシコシした感触の蕎麦だ。蕎麦粉100%ではちょっと固めになってしまうのか?やはり美味しいのは普通の蕎麦だろう。でも蕎麦の感触は悪くなかった。私は蕎麦通ではないので、どうのこうのという立場にはないが、それなりに美味しかったが、高かったと思う。たかが蕎麦だよ、もう少し安くてもと思うのは蕎麦通ではないからだろうか?営業時間は昼前から夕方までで、蕎麦がなくなり次第終了とのこと。早目に行かないと駄目だね。帰りがけにお城まで歩く。大手門の近くで以前にも2度入った「三城」という蕎麦屋も営業していたが、もうお腹一杯だから次回にしよう。松本城を見上げて写真を撮り、駅へと戻る。途中で小さな「山葵」の店を発見したので「山葵漬け」を買う。酒のつまみ用だ。松本の街は本当に小さいが落ち着いた感じで住み易いのだろうと思う。日本アルプスの山々に囲まれた美しい風景とそこから流れ出る清らかな水の街だ。「国宝松本城」の雄姿が目に残った。たった2枚の蕎麦を食べに遥か遠く松本までやって来た日帰り旅でした。

「夏休み最後の鰻」

銀座の「登亭」に久々に行った。毎日暑いので少しでも体力回復?と思い、店に入ったのだが、昼時なのにがらがら。驚きです。カウンターの一番端に座り、頼んだのは一番安い「うな丼@1900円」、果たしてどんなウナギか?一応「鹿児島産」と銘打っていたが、またまた驚き、なんと上品なウナギなのか。実に小さいウナギでした。これでは「鰻」とはいえないね。やはり「ウナギ」ですね。がっかりのうな丼でした。

2012年の映画のお話し
映画「あなたへ」(ユナイテッドシネマ豊洲にて) 私的批評眼(J’CRITICAL EYE)★★★★(今年151作目)
「幸せの黄色いハンカチ」の逆バージョン。定年後嘱託となって富山刑務所に勤務していた男(高倉健)の妻が15年の夫婦生活の後、がんで亡くなった。残された遺書には「あなたへ、私の遺骨は故郷の海に散骨して下さい」とあった。富山から長崎は平戸までの車での一人旅を描く。日本映画の原点とも言うべきもの。無骨な健さんがいい。

映画「プロメテウス」(日劇にて) 私的批評眼(J’CRITICAL EYE)★★★(今年152作目)
過去の映画「ハルマゲドン」や「インディペンデント・デイ」と同じ系列。謎の惑星に人類の起源を探るべく降り立った人たちを描く。

映画「るろうに剣心」(ユナイテッドシネマ豊洲にて) 私的批評眼(J’CRITICAL EYE)★★★(今年153作目)
人気コミックの映画化。確かに殺陣は凄い。お話しは単純。鳥羽伏見の戦いから10年後の明治初期に生き残った元武士の姿を描く。

映画「神弓」(ヒューマントラストシネマ有楽町にて) 私的批評眼(J’CRITICAL EYE)★★★(今年154作目)
17世紀、清に侵略された朝鮮の人たちの中に満州を追われた逆臣の兄妹がいた。兄は弓の名手だった。彼は清に連れ去られた妹を救い出そうとするのだが。

日経新聞8月31日夕刊「シネマ万華鏡」によれば、「ひみつのアッコちゃん」が3つ星、「カルロス」が4つ星、「コロンビアーナ」が3つ星、「人生、いろどり」が3つ星、「アイム・フラッシュ!」が3つ星、「ボブ・マーリー/ルーツ・オブ・レジェンド」が3つ星、「モンサントの不自然な食べもの」が3つ星でした。

「私の今年の映画の評価は?」
今年の★★★★★ 「ヘルプ」「わが母の記」
今年の★★★★  「ロボジー」「麒麟の翼」「ドラゴンタトゥーの女」「ポエトリー」「ピラミッド」「シャレード」         「PINA」「エル・ブリ」「マーガレット・サッチャー」「マリリン 7日間の恋」「アーティスト」「ジョン・カーター」「裏切りのサーカス」「ファミリー・ツリー」「星の旅人たち」「ミッドナイト・イン・パリ」「プレイ 獲物」「崖っぷちの男」「ブラック・ブレッド」「リンカーン弁護士」「ローマ法王の休日」「ダークナイト・ライジング」「あなたへ」

「シノプスシ187」
「名もなき毒」(宮部 みゆき 著)文春文庫 私的批評眼(J’CRITICAL EYE)★★★★(今年224冊目)「吉川英治文学賞受賞作」
巨大コンツェルンの娘を貰った男は社内報の仕事についていた。偶然知り合った少女の祖父が連続殺人犯と思われるものに殺されていた。そこから起きる出来事の末、遂に犯人が見つかる。面白かった。

「夜の終焉」上(堂場 瞬一 著)中公文庫 私的批評眼(J’CRITICAL EYE)★★★★(今年225冊目)
「夜の終焉」下(堂場 瞬一 著)中公文庫 私的批評眼(J’CRITICAL EYE)★★★★(今年226冊目)
地方都市で起こった社長家族殺人事件の関係者たちの物語。殺された社長の息子、殺した犯人の息子、二人は20年後に偶然の形で出会うことになる。そのきっかけとは?面白かった。

「もぐら」(矢月 秀作 著)中公文庫 私的批評眼(J’CRITICAL EYE)★★★★(今年227冊目)
元警視庁組織犯罪対策部の刑事の物語。兎に角強いのだ。

「逆渡」(長谷川 卓 著)朝日新聞社 私的批評眼(J’CRITICAL EYE)★★★(今年228冊目)
戦国時代末期、「山の民」の一人が村を離れて一人で死ぬ旅に出る模様を描く。

「エコイック・メモリ」(結城 充考 著)光文社文庫 私的批評眼(J’CRITICAL EYE)★★★(今年229冊目)
女刑事「クロハ」が活躍するシリーズ第2弾。

安房勝浦、信州松本、出羽山形への旅

「J  REPORT 2012 9月第1週号」
「リタイアメント・ノート 4年3ヶ月目」、
「VOL。756 SINCE AUG.12th、1983」
「旅暦40は国内日帰りの旅」
今回は「大人の休日倶楽部」を利用して「JR東日本」圏内を飛び回ってみた。「4日間乗り放題@15000円」なり。
「勝浦へ、8月30日」
それは日経新聞のコラム「プラス1」からだった。土曜日の新聞記事が目に入ってきた。そこには勝浦市商工会の青年部によって「熱血!!勝浦タンタンメン船団」が結成され町興しに挑んでいるとして千葉房総半島の「勝浦」が紹介されていたからだった。午前10時発の「わかしお号」で東京駅京葉線ホームを出発した列車は右手に東京湾を見ながら千葉方面に進む。あっという間に房総半島に入る。そこは既に稲刈りが行われていた。やはり温暖なのだろう。東京から一時間半で目的地の「勝浦」に到着。確かに暑いのだが、風が心地良い。日陰に入ると涼しさも感じられるほどだ。海岸方面に少し行くと交差点、そこに店はあった。「三彩屋」というのが日経新聞に載っていた店だ。入るとお客は一人だけ。家族経営の店のようだ。「何にしますか?定食は今日はこれです」とメニューを見せられるが、勿論「タンタンメン」を頼む。先客もタンタンメンのようでほぼ同時に出て来た。基本は「タマネギ、ニラ、ニンニク、豚挽き肉」を自家製「ラー油」で絡めたもの。麺は普通のラーメンと同じだが若干細目のストレート麺。「辛さは自家製のラー油を入れて調整して下さい」と言われたが、まずはそのままスープを味わう。普通のタンタンメンとは全く違う。さらっとあっさり味で粘り気がないスープだ。但しラー油は効いている。この地、勝浦ならではのものだろう。驚いたのは、二つのレンゲが出てきたことだ。一つは普通のレンゲ、これは驚かないが、もう一つは小さな穴が沢山開いたレンゲだ。これは具を食べるためのものだろう。二つを使うことでスープも具も食べられる訳だ。そのまま調整せずに食べたが、意外に美味しい。汗も出てきたが、これが今までとは違うタンタンメンだと感心した。今までの概念を覆すタンタンメンでした。食後、名物朝市があるというので漁港まで行って見たが、既に終了していたし、漁船も全て丘に上げられていて漁港は閑散としていた。
ついでに外房線の隣駅「鵜原」に行って見た。駅から10分程歩くと「勝浦海中公園」というのがあり、海に突き出た円形の建物があり、スパイラル式の階段96段を降りた底の部分から海中が見え、魚が泳いでいるのが見えるのだ。透明度6mと書かれていたが、綺麗な房総の海と魚たちが何か子供の頃を思い出させる。海中公園の最上部から見ると180度以上の大海原が見え、地球が丸いのがよく分かる。磯では家族連れが蟹など海辺の動物を追い掛けていた。最後の夏休みを満喫していたのが微笑ましかった。