春のお彼岸

「J REPORT 2012 3月第5週号」
「リタイアメント・ノート 3年目9ケ月目」 「VOL.732 SINCE AUG. 12th、1983」
「永代橋と東京スカイツリー」
東京駅八重洲口から真っ直ぐに東に向う道が「八重洲通り」だ。その通りは隅田川にぶつかると「中央大橋」という橋を渡ることになる。この橋の右手が「佃島」、そして左手は「石川島」と呼ばれている。この石川島には今は超高層マンションが立ち並んでいる。あの元巨人軍の松井秀樹氏や、元総務大臣の竹中平蔵氏らが住んでいたことでも有名だ。実はこのマンション群が江戸時代は「人足寄場」と言われた所謂監獄なのだ。当時は勿論橋など掛かっていないから、船でしか来ることができないが、以前にもお話ししたように、ここに軽度の犯罪者を集めて社会復帰させるべく、色々な仕事を覚えさせていたのだ。そして佃島は徳川家康が大阪より漁師を連れてきて、この地に住まわせ、「白魚」を独占的に獲らせ、将軍家に献上させていた。そんな中央大橋から「永代橋」を観る。隅田川の上流には今や都内最高の観光スポットとなった「東京スカイツリー」も見ることが出来る。そういえば東武鉄道の「業平橋駅」の名前が変わった。「東京スカイツリー駅」となった。同時に都バスの「業10」番路線、「新橋駅°ニ平橋駅」間のバスも、「とうきょうスカイツリー駅」行きとなった。

「iPAD続き」
いやはや苦労させられる。数時間も「アップル」社や「イーモバイル」社に電話して漸く初期設定が完了したが、疲れ果ててしまった。携帯もスマートフォンではないので、中々難しく使い慣れるにはかなり時間が掛かりそうだ。「音声認識」機狽焜_ウンロードして使ってみたが、きちんと反応し、答えをインターネット上の検索エンジンから導いてくれるのには驚かされた。一日一個でもいいから色々なアプリをダウンロードして使いこなせるようになるように頑張る。

「東京ゲートブリッジ再び」

その日は寒かった。自宅から歩いてJR東雲駅まで小一時間。その先に「東京ゲートブリッジ」があった。まだここからだと1km以上は離れているが、上を走る車も見える。橋の下は「中央防波堤」という名が付いたゴミ捨て場だ。東京湾は区画を区切って「ゴミ処理場」としてゴミの捨て場となり、やがてそれが満杯になると上に蓋が乗せられた形で新しい地面が出来る。こうして徐々に埋立地が広がって東京湾は狭くなっていく。江戸時代も徳川家康が入府した当時は海は日比谷だったそうだし、上野のお山近くまで海岸が迫っていたという。それを埋め立てでどんどん広げていったというから、今も昔もやっていることは同じだ。神戸市も六甲山の山を削った土で海岸を埋めて平地を作っていった。山の上にはニュータウン、埋立地には高層住宅とオフィース、そして神戸空港となっている。六甲山をぶち抜いてトンネルも作った。さて東京ゲートブリッジより更に海側に新しい埋立地が出来るのはいつのことになるのだろう?都市で出るゴミは一向に減らないから、意外に早く埋め立てられるかも知れない。

「古地図ブーム」
江戸時代の古地図が小さなブームとなっているようだ。NHK・TVでやっている「ブラタモリ」もその一つだ。さて日本橋は昔から街道の起点となっていた。今も橋の袂に「道路元標」がある。江戸時代は、日本橋が出発点となって五街道が設けられていた。「東海道」「甲州街道」「中仙道」「奥州街道」「日光街道」がその五街道だ。奥州街道と日光街道は宇都宮までは同じ道で宇都宮で分離し左右に分かれた。ところで話しは日本橋のような橋のお話しなのだが、「大坂」は江戸時代から「八百八橋」と言われる「水の都」だった。事実、橋の数は八百を越えていたという。八百八とは沢山あるということの比喩だ。一方、お江戸は「八百八町」と言われる巨大な都市だったのだが、この江戸、実に川や掘割、運河等が網の目のようにあったために実際の橋の数は2000を越えていたという。特に大川の東側の本所深川などには本当に沢山の橋があったようだ。それらは古地図からも、伺い知る事が出来る。橋といえば江戸時代、深川の富岡八幡様の例大祭の人出で混みあっていた「永代橋」が落ち、1500人以上が死んだ大事件があったという。当時の江戸の人たちは殆どの人が泳ぎが出来なかったらしく、水死したという。地方の人で海辺や川筋に住む人ならば水泳も出来ただろうが、昔はプールもないわけだし、大半の人は泳げなかったそうだ。武士は武芸の一環として水泳術を学ぶ人もいただろうが、漁師とか船乗りならいざ知らず、一般の庶民はそんなことをする暇もなかったのだろう。

「手前勝手世界食物語、第244話」

「麗香園」
その店は埼玉県のJR西川口駅から徒歩5分ほどにあった。中国は大連からやってきた家族が経営していると言う小さな中華料理店だった。店の名は「麗香園」。例の6月にスイスに一緒に行くメンバー3人の月例会をこの店で開催した。料金はセットメニューで一人@1800円、それに飲み放題@1200円を付けて合計で@3000円と言う安さだった。ところが前菜は「圧縮豆腐、腸つめ」「茹で鶏、 」「なまこの煮付け、野菜サラダ」、そして「海老と野菜の甘酢餡かけ」等々食べきれないほどの料理が次々と出てきた。驚きの料理、それも美味しい。こんな店があったんだと思わず感心してしまった。我が家からは遠いので中々これないとは思うが、意外な隠れ屋でこれなら地元の人も満足しているのではないか。そして最後の〆は特注の「ふかひれ餡かけ焼き飯」だ。豪華に「ふかひれ」を乗せてもらい堪狽オました。これも美味しかったです。「ふかひれ」の本場、三陸海岸は未だに復興復旧に至っていないが、「ふかひれ」の復活が早いことを祈っています。特に日本の「ふかひれ」は中国料理には欠かせない高級食材でもある訳だから、「頑張ろう、日本」の象徴にしてもらいたい。

「一日一快食」
「本」の欄でもご紹介したが、ベストセラーになっている本「空腹が人を健康にする」、副題「一日一食で20歳若返る」というのがある。著者は医師だ。自らの経験を記したもので、10年前にこの一日一食に挑戦して、身長173cm77kgあったものが、62kgへと減量しそれを今も維持しているという。要は一日一食だけ夕食時に食べる。その時は基本的には何を食べてもいい。まあ普通の人は一回の食事で三食分を食べることは不可狽セろうから、現実的に一日の総カロリー量は減ることになるというわけだ。著者によると、人類は17万年の間、常に空腹だったが、この100年で漸く満足に食することができるようになった。従って人間を「飢餓状態」にすると色々と隠れていた或いは使われていなかった「遺伝子」が動き出し、身体を活性化させ、若返らせるというもの。特に現代人は食べ過ぎでこれが万病を呼び込んでいるというのだ。私は以前にも「一日一快食」というのにチャレンジした経験もある。仏教では「断食」、イスラム教では「ラマダン」という形で世界中で「飢餓状態」を経験することも出来る。アメリカでのある調査では世界中で「日本の元・?フ食事が一番健康によい」という結果が出たという。当時は「一汁一菜」で、それも普通の人の食事は一日二回と言われているからカロリー摂取量はかなり低かったと思われる。しかしそれが逆に健康には良いというのだから、これは是非マネをしてみたいものだ。また、食事の際に過度な砂糖と塩の摂取は厳禁だそうだ。ダイエットによるウェイトコントロールだけでなく、細胞自体が活性化してくれるならば、これ以上良いことはないだろう。早速始めてみました。結果は後日ご報告します。美味しいものばかり食べていても仕方がないですが、一日に一度の食事ならば、豪華に美味しいものを食べます。追伸:本にあった「ごぼう茶」を作ってみました。牛蒡を洗ってささがきにして天日干し、それをフライパンで油なしで炒め、こげて煙が出る前に取り出してお茶の葉とするというもの。さて、実はこの「一日一快食」と言う話しは、2008年1月に新聞紙上にて報道されていた。九州大学の名誉教授の「藤野武彦」氏だ。私はその記事を見て実行しようと思った。藤野氏によれば、朝食は緑茶や紅茶、味噌汁といった水分を、昼は軽く林檎やお握り程度にして、夕食はストレス解消のためにも何でも好きなもの(和食がお薦めだが、中華でも洋食でもいいし、お酒もOK)を好きなだけ食べるといった方法なのだ。基本的には今回の「空腹が人を、」と同じ話しなのだ。
以上、東京から勢古口がお送りしました。

「豊洲新市場建設進む」

晴海から眼を湾岸方面に向ける。遠くにレインボーブリッジ、そしてお台場の建物が見えるが、その手前に正に今開発中の「豊洲新市場」の建設現場が見える。2年後には今の「築地市場」がここへ移って来る。今はモノレールの「ゆりかもめ」が走っているだけだが、大きな市場の建物と駐車場などが整備されるのだろう。築地は今や観光名所にもなっており、外国人観光客の姿も多い。それが市場が豊洲に移動すると残されるのは「築地場外市場」だけになってしまう。場外市場は小売り屋さんたちの店が立ち並ぶ。だから市場が豊洲に行ってしまっても残らざるを得ないのだろう。まあその時は「味で勝負」してもらうしかないだろう。市場内での「競り(せり)」が注目されて観光客を集めていたが、豊洲に移転後は場外市場はおこぼれを貰うのではなく、自らの創意工夫で市場関係者以外の人たちを集めることが必要となるのだろうか。晴海側からは新市場に向けて既にある晴海通りを真っ直ぐに直進する「晴海大橋」があるが、更に海側に新しい「豊洲大橋」の建設も進んでおり、市場開業時には勿論完成しているのだろ。いずれにしても移転後の跡地再開発問題が俄然注目される。

2012年の映画のお話し

映画「シャーロック・ホームズ シャドウゲーム」(丸の内ルーブルにて) 私的批評眼(J’CRITICAL EYE)★★★(今年49作目)
前作から5年、全世界で470億円も稼いだその後継作。速いテンポに鋭い推理とまあ楽しめる映画でした。

映画「麗しのサブリナ」(日比谷みゆき座にて) 私的批評眼(J’CRITICAL EYE)★★★(今年50作目)「午前10時の映画館」
第2週目も「オードリー・ヘップバーン」主演映画。「ハンフリー・ボガード」との共演だ。ニューヨークはロードアイランドに住む富豪一家。そこに働く運転手の娘がサブリナだった。彼女は昔から一家の弟に恋していたが、相手は既に3度の結婚に失敗している浮気者だった。サブリナはパリに2年間料理で留学し帰国した。その変貌と美しさに弟は今結んでいる婚約を解消しても彼女と一緒になりたいと思った。そんな時兄のほうがサブリナの相手をすることになってしまう。そこから思いもかけぬ方向へとドラマは進む。美しいオードリーでした。ショートパンツ姿が魅力的でした。

映画「おかえり、はやぶさ」(丸の内ピカデリーにて) 私的批評眼(J’CRITICAL EYE)★★(今年51作目)
小惑星探査機「はやぶさ」の映画はこれで3作目だ。今回は3Dだ。確か昨年は「角川」、今年は「東映」、そして今回は「松竹」がはやぶさの映画を作ったことになる。主演は「藤原竜也」と「三浦友和」。余り感動しなかった。

映画「魔弾の射手」(ニューマントラストシネマ有楽町にて) 私的批評眼(J’CRITICAL EYE)★★★(今年52作目)
有名なオペラの映画化。試射競技で勝てば美しい花嫁を貰えるために緊張し不安になってしまった若者。悪魔の誘いで禁断の弾丸を作ってしまうというお話し。

映画「アフロ田中」(ユナイテッドシネマ豊洲にて) 私的批評眼(J’CRITICAL EYE)★★(今年53作目)
高校を中退したアフロヘアーの男性。もてない歴、産まれて以来という男の物語。笑えるね。

日経新聞3月16日夕刊「シネマ万華鏡」の評価によれば、「マーガレット。サッチャー 鉄の女の涙」が3つ星、「僕達急行」が4つ星、「青い塩」が3つ星、「イップ・マン 葉問」が3つ星、「長ぐつをはいたネコ」が3つ星、「ゴーストラーターホテル」が2つ星、「種まく旅人」が2つ星でした。

「シノプスシ166」
本「花涼み」(井川 香四郎 著) 幻冬社文庫 私的批評眼(J’CRITICAL EYE)★★★(今年71冊目)「船手奉行うたかた日記」シリーズ5
本「風の舟唄」(井川 香四郎 著) 幻冬社文庫 私的批評眼(J’CRITICAL EYE)★★★(今年72冊目)「船手奉行うたかた日記」シリーズ6
本「海賊ケ浦」(井川 香四郎 著) 幻冬社文庫 私的批評眼(J’CRITICAL EYE)★★★(今年73冊目)「船手奉行うたかた日記」シリーズ7
若手の船手奉行所同心の「早乙女薙左」の活躍を描く。

本「恋椿」(藤原 緋沙子 著) 祥伝社文庫 私的批評眼(J’CRITICAL EYE)★★★(今年74冊目)「橋廻り同心・平七郎控」シリーズ1

本「妖談へらへら月」(風野 真知雄 著) 文春文庫 私的批評眼(J’CRITICAL EYE)★★★(今年75冊目)「耳袋秘帖」シリーズ5

本「空腹が人を健康にする」(南雲 吉則 著) サンマーク出版刊 私的批評眼(J’CRITICAL EYE)★★★(今年76冊目)
副題は「一日一色で20歳若返る」です。詳細は「食」の部で紹介しています。

本「仇討」(佐伯 泰英 著) 光文社文庫 私的批評眼(J’CRITICAL EYE)★★★(今年77冊目)「吉原裏同心」シリーズ16
神守幹次郎と妻の汀女のお話し。今回は吉原で起こった仇討騒ぎだ。

本「蜩ノ記」(葉室 麟 著) 祥伝社刊 私的批評眼(J’CRITICAL EYE)★★★★(今年78冊目)
「直木賞」受賞作。主君の側室に不貞があったとして幽閉されている「戸田秋谷」。場内で刃傷沙汰に及んだ罪で秋谷の監視役を命ぜられた「檀野庄三郎」。秋谷はあと3年で切腹するまでの間に藩の歴史書の作成を命ぜられていた。武士とは何かを鋭く問う作品。感動出来る一作でした。

一日一快食

「J REPORT 2012 3月第4週号」
「リタイアメント・ノート 3年目9ケ月目」 「VOL.731 SINCE AUG. 12th、1983」
「晴海で再開発が進む」
夜明け前の晴海地区が見える。隅田川の河口部分、豊洲の向い側の晴海で大規模な再開発が行われていた。大手不動産会社がオフィースビルや超高層マンション群を建設しているのだ。既に開発された「トリトン・スクウェアー」の東側にあたる部分だ。都内のそれも中心部にこれだけ纏まった土地はもう残されていないだろうから、素晴らしい物件に違いない。広さは東京ドーム3個分位は充分にありそうだ。幾つもの区画に分けられていたから、色々な建物が出来るのか。勿論公園もあるし、野球場もあった。それもベースの位置が2箇所、マウンド上のプレートも2箇所設けられていたから、野球とャtトボールの両方が行える球場のようだ。その球場の内野には緑の芝生が張られていた。立派な野球場でした。

「iPAD」
興味本位で柄にもなく新型「iPAD」を買ってしまった。使いこなせるとは全く思わないが、衝動買いとは恐ろしい。これもインターネットで買えるから困る。ところが品が来たが、ャtトバンクのWI-FIは都合で2週間後でないと届かないという。だからそのままではインターネットにも繋がらないということが分かった。それまで電話しまくり漸く分かった。そこで既にノート型パャRンで使用している「E-MOBILE」に問い合わせたら、この機種は一種類のパャRン対応しかしていないと言うので、有楽町まで赴き契約変更した。明日になれば「LTE」という高速無線通信が可狽ニなるので、それからどういう風に使えるのかやってみよう。本当に叔父さんはインターネットの世界から落とされてしまうと実感した。

「春の雪」

東京も久々に白一色となったそんな日。都会の雪はあっという間に融ける。誰が作ったのだろうか?小さな雪だるまがまだ残っていた。3月も半ばになり流石に春めいてきた、と思ったらまた真冬のような寒さと雪。寒くなったり暖かくなったりしながら春の足音が微かだが聞こえてきたのだろうがいつになれば春になるのか?梅の開花が遅れているらしい。さて、思えば大学卒業の年の3月、友人達と車で雪の北海道にスキー旅行に出掛けたことがあった。3月1日に東京を出発して、群馬の前橋で友人の一人を乗せ、総勢4人は一路国道4号線を青森に向った。夜明けは仙台バイパスだった。青森の途中でスリップして車は約2mほどの崖下へ転落したが、直ぐに通り掛ったトラックに引き上げてもらい、怪我もなくすんだ。青森で一泊して青函連絡船に車を乗せて函館へ。函館でまた一泊してニセコに到着。ニセコアンヌプリに登ったが一瞬の内に霧が出て周囲が全く見えなくなり、慌ててスキーで下山したが、まさに死ぬかと思った時だった。今思えば笑い話だが、途中隊列を組んで登ってくる登山パーティーに遭遇して難を逃れた。ニセコは森林限界線の上にある山なので樹木等の目印が全くない山だった。北海道の道路を夏タイヤを履いた我々はチェーンの着脱を何度も何度も行いながら走った。雪道になればチェーンを直ぐに着け、普通の道路になればチェーンを直ぐに外す。それでも数本のチェーンが切れて使えなくなった。約1週間ニセコにいた後、札幌に。札幌では手稲山でスキーをしていよいよ旭川経由で大雪山系の山でこれまたスキーを堪狽オた。その時、ロープウェイの下で捜索隊に発見された自殺者の女性の遺体が収容されているのを見かけた記憶がある。夜に宿を出て雪の中で凍死したのだということだった。約3週間に亘るスキー旅行を終えて横浜の自宅に戻った時はすっかり春だった。そして4月に就職して最初の勤務地が仙台だったのは何の偶然だったのだろうか?スキー旅行中の雪の仙台バイパスの風景は今でも覚えているから不思議だった。

「手前勝手世界食物語、第243話」

「雛祭りとお食い初め」
3月3日に訪れたのは、先にもお話しした松戸の御寿司屋さん「大黒寿司」だ。娘の嫁ぎ先の親戚が経営する店だ。昨今、街中の寿司屋というのは流行らないらしい。今や「寿司屋」といえば「回転すし」と相場が決っているようだ。我が家の家族は一緒にも個人的にも殆ど回転寿司に行った事がない。そんな訳だから、回転寿司を論じることは出来ないが、今や寿司業界は、一に回転寿司、二にチェーン店になってしまい。個人経営の寿司屋は衰退の一途を辿っているのではないだろうか。この大黒寿司さんも以前は年末年始など大忙しで、出前などは親戚中で手助けをしていたらしいが、今では大分違うようだった。さて孫娘「栞」のために最初に出してくれたのは、眼の下1尺(約30cm)以上もあろうかという見事な「鯛の活き作り」だった。誠に見事な鯛だ。身も「こりこり」と締まっており美味しかった。白身魚は醤油のモロミで食べるのも美味しいが、今回は勿論「山葵醤油」だ。鯛の頭と骨は叔母が持ち帰った。
以上、勢古口が東京からお送りしました。

「お食い初め」

雛祭りと合わせて生後3ヶ月半の初孫「栞」の「お食い初め」の儀式を行った。昨年お宮参りを深川の「富岡八幡宮」で行った際に神社から戴いた道具類に「煮物」「赤飯」「ハマグリのお吸い物」等々を乗せ、中心に近所の神社から拾ってきた「玉砂利」の洗ったのを置き準備万端整った。知らなかったが、この玉砂利を食い物に見せかけて食べさせるマネをさせると「赤ん坊の歯が強くなる」という謂れがあるらしい。写真は石を食べさせるマネをしているものだ。このような儀式は健康で丈夫な子に育ってもらいたいという親たちの願いが元になっているのだろう。昔は赤ん坊の生育率が低かったから、季節のそして年齢の節々で大切に育つようにとの願掛けを行い、子どもの無事な成長を祈ったのだろう。元気で大きくなろう、栞ちゃん

2012年の映画のお話し

映画「ヒューゴの不思議な発明」(日劇にて) 私的批評眼(J’CRITICAL EYE)★★★★★(今年44作目)
パリの終着駅の屋根裏に一人で住む少年「ヒューゴ」の物語。亡くなった父が博物館から持ち帰った不思議な古い人形。その鍵穴の形はハート型だった。駅の玩具売り場で働く老人に大切なノートを奪い取られたヒューゴは老人のあとを追う。そこで少女と知り合う。偶然にもその少女はハート型をした鍵を持っていた。鍵を人形に差し込む。そしてそこで見つかるのは?20世紀初頭の映画創世記の切ない物語だった。実にハートフルないい映画でした。お薦めです。

映画「ライアーゲーム リボーン」(日比谷スカラ座にて) 私的批評眼(J’CRITICAL EYE)★★★(今年45作目)
集められたのは20人の男女。各自20枚のメタルを持って20億円を巡って行われるゲームは「椅子獲りゲーム」と「親の投票」の組み合わせだった。しかし椅子獲りゲームの陰には「国獲りゲーム」の要素が隠されていた。騙し騙され、そして最終的な勝利者は誰になるのか?

映画「シャレード」(日比谷みゆき座にて) 私的批評眼(J’CRITICAL EYE)★★★★(今年46作目)「午前10時の映画館、過去の名作シリーズ」
なんてオードリー・ヘップバーンは美しいのか。主演はオードリーとケリー・グラント。夫が殺されたオードリーはパリの自宅に戻るが、全ての家具は夫によって売り払われていた。その葬儀にやってきたのは4人の男たちとCIAだと名乗る男。彼らは夫が持ち逃げした25万ドルを返せと彼女に迫る。そして次々と彼らは誰かによって殺されていく。果たして25万ドルはどこにあるのか?彼女の身も危うくなるのだが。面白いと同時にどうしてオードリーの目はあんなに大きいのだろうか?本当に美しい女性でした。

映画「PINA 躍り続けるいのち」(ヒューマントラストシネマ有楽町にて) 私的批評眼(J’CRITICAL EYE)★★★★(今年47作目)
ドイツの天才舞踊家ピナ・バウシュを描いた3D映画。撮影の直前に亡くなった彼女のことを団員達が思い出しながら語りながら、彼女が演出した踊りを繰り広げるが、これほど舞踏が色々なことを阜サできるとは思わなかった、意外な感動の映画だった。満席でした。

映画「エル・ブリ」(銀座シネスウィッチにて) 私的批評眼(J’CRITICAL EYE)★★★★(今年48作目)
こんな不思議な映画は初めてだ。スペインの超有名なレストラン「エブ・ブリ」のお話し。営業は6月16日からの半年間のみ、それも蘭?qのみ。残りの半年間は新しい料理の創作期間だ。お客には3時間に35種類の料理を提供する。半年の間に200種以上もの新作を考え出すという店なのだ。厳しい躾に耐えたスタッフたち。オーナーがOKしなければお客には提供されない料理。驚きでした。映画は創作している半年間とその年のオープンした数日間を見せるだけの単純なものでした。一度行きたいね。

日経新聞3月9日夕刊「シネマ万華鏡」の評価によれば、「戦火の馬」が5つ星、「RIVER」が4つ星、「シャーロック・ホームズ/シャドウゲーム」が3つ星、「シェイム」が3つ星、「おかえり、はやぶさ」が2つ星、「超迫ヘ者」が3つ星、「プリピャチ」が3つ星でした。

「シノプスシ165」
本「顔をなくした男」上(ブライアン・フリーマントル 著) 新潮文庫 私的批評眼(J’CRITICAL EYE)★★★★★(今年60冊目)
本「顔をなくした男」下(ブライアン・フリーマントル 著) 新潮文庫 私的批評眼(J’CRITICAL EYE)★★★★★(今年61冊目)
「チャーリー・マフィン」シリーズ14作目の作品だ。MI5のスパイであるチャーリーは妻で元KGB、現「ロシア連邦保安局」の上級職員でもある「ナターリア」とその娘「サーシャ」をイギリスに亡命させるためのモスクワに潜入した。一方MI6主導で同じロシア連邦保安局副局長家族の亡命も並行して行われようとしていた。それはチャーリーたちを囮として陽動作戦をしようとするものだった。果たしてチャーリーたちの運命は?本当に面白いこのシリーズ。私が大好きなシリーズだ。このシリーズ15作目で完了するという。手に汗握る展開に驚きばかり。本当に見事なプロットで読者を引き込んで行ってしまう。まるで自分自身がスパイになってモスクワ中を走り回っているようなお話しでした。絶対のお薦めです。

本「日光代参」(佐伯 泰英 著) 新潮文庫 私的批評眼(J’CRITICAL EYE)★★★(今年62冊目)「新・古着屋総兵衛」シリーズ三
異国の血が入った10代目総兵衛がいよいよ動き出す。「影様」が徳川家を裏切るのか?そしてそれを「大黒屋総兵衛」はどう対応しようとするのか?

本「奉行始末」(上田 秀人 著) 中公文庫 私的批評眼(J’CRITICAL EYE)★★★(今年63冊目)
「闕所物奉行裏帳合」シリーズ六。いよいよこのシリーズも最終回を迎えた。目付「鳥居耀蔵」に見出され「闕所物奉行」に抜擢された「榊 扇太郎」は、筆頭老中「水野越前守」にも好かれ、江戸の闇を見詰める役割を果たしていた。しかし鳥居のやり方に不満を覚えた榊は水野の政敵から狙われるのだが、江戸城内の権力闘争が逆転に次ぐ逆転となる。運命に翻弄される榊。最後はどうなるのか?

本「お化け大名」(幡 大介 著) 双葉文庫 私的批評眼(J’CRITICAL EYE)★★★(今年64冊目)「大富豪同心」シリーズ六
本「水難女難」(幡 大介 著) 双葉文庫 私的批評眼(J’CRITICAL EYE)★★★(今年65冊目)「大富豪同心」シリーズ七
江戸の豪商「三国屋」の孫息子「卯之助」は祖父の金の力で南町奉行所の「同心」の株を買って貰い町方の同心となる。次々と襲い掛かる禍を見事に裁いて江戸中でもやり手同心として名を馳せた。

本「若殿八方破れ」(鈴木 英治 著) 徳間文庫 私的批評眼(J’CRITICAL EYE)★★★(今年66冊目)
本「若殿八方破れ 木曽の神隠し」(鈴木 英治 著) 徳間文庫 私的批評眼(J’CRITICAL EYE)★★★(今年67冊目)
信州松代藩の嫡男「真田俊介」は、大名の息子とは思えぬ男。いつも江戸の町へ出て悪を懲らしめる。そして長崎への長旅に出るシリーズだ。

本「闇の梟」(鳥羽 亮 著) 角川文庫 私的批評眼(J’CRITICAL EYE)★★★(今年68冊目)「火盗改鬼与力」シリーズ2
与力の「雲井竜之介」が活躍するシリーズ。今回は「ふくろう党」と言われる窃盗団が相手だ。

本「ため息橋」(井川 香四郎 著) 幻冬社文庫 私的批評眼(J’CRITICAL EYE)★★★(今年69冊目)「船手奉行うたかた日記」シリーズ3
本「咲残り」(井川 香四郎 著) 幻冬社文庫 私的批評眼(J’CRITICAL EYE)★★★(今年70冊目)「船手奉行うたかた日記」シリーズ4
若手の船手奉行所同心の「早乙女薙左」の活躍を描く。