「三月大歌舞伎観劇記」

「三月大歌舞伎観劇記」(写真:K1)
「菅原伝授手習鑑 寺子屋」(写真:K5)
菅原道真が大宰府に流されたあと、残された一子・菅原秀才を匿っていた武部源蔵(愛之助)は、その事実を敵方に知られ、秀才の首を出すように命ぜられる。苦悩の末、寺子屋で秀才と一緒に学ぶ実の息子・松王丸(菊之助)の首を身替りに差し出すという人情物。
何回も観たものだ。

「傾城道成寺」(写真:K4)
「四世中村雀右衛門13回忌追善狂言」(写真:K2)
安珍清姫の物語の後編に当たる。白河の僧安珍に恋した清姫は紀州道成寺で釣り鐘ごと安珍を焼き殺す。再び清姫は傾城の遊女・清川(五代雀右衛門)として現れる。そこには平維盛(尾上松緑)が安珍に姿を変えていた。

「元禄忠臣蔵 御浜御殿豊綱卿」(写真:K3)
松の廊下の事件で廃藩となった赤穂浪士たちの一人富森助右衛門(幸四郎)が五代将軍家綱の甥綱豊(仁左衛門)と浜御殿での面会を描く。後に六代将軍家宣になる綱豊が、御家再興を将軍に進言しようというが、偶然現れた吉良上野介を討とうとする富森とそれを戒める綱豊との言葉のやり取りが見せ場。

毎月ながら歌舞伎の伝統を味合うのは楽しい。

「癌闘病記ー第7回」

「癌闘病記―第7回」
抗がん剤治療を再開して10日後から、異変が始まった。食欲が全くなくなり、殆ど物を食べられなくなった。それからの1週間は悲劇と言っても良い位の状態だった。従ってまたまた激やせした。水と栄養剤での生活のようだ。特に口内が刺激物を受け付けないので、本当に困った。2週間が経っても改善は見られなかった。冷たいアイスクリームや栄養ドリンク、冷たいスープで辛うじて生きている。息子たちからは脱水症に要注意と言われているので水分補給はしているが、如何せん食欲不足は治らない。

「辛いベトナム料理が食べられない」

「手前勝手世界食物語、第667話」
「辛いベトナム料理が食べられない」
昨年10月に有楽ビルから撤退した「ベトナム料理店 サイゴン」が東京フォーラム内に復活した。早速何とか食欲が湧くように願いながら伺った。(写真:S6)
東京フォーラム地下1階は非常に天井が高くレストランとしては不向きのようだ。店も殆ど前のムードはない。早速いつも食べていた料理を注文した。
まずは「パパイヤ・サラダ」(写真:S2)
何か以前とは違うような気がしたが、一口でギブアップした。とてもではないか辛い香辛料を全く受け入れなかった。口の中が火の海になった。
次は「揚げ春巻」(写真:S3)
これも一口で吐き出した。香辛料が強いので受け付けられない。困った。
そして「生春巻き」(写真:S4)
大丈夫だった。刺激物は入っていなかったから、これは食べられた。
最後は「ちまき」(写真:S5)
これも熱かったので冷ましてから食べられた。何とか少しづつ食べることが出来たが、これではエスニック料理は今後も食べられそうにない。がっかりです。
別の日に日本橋高島屋新館のレストラン街でスペイン料理の「パエリア」にトライした。(写真:S1)
なんとか少しだけ食べられたが味が全く分からなかった。何を食べたのか?無味無臭の物を食べた感じだった。
これからもこんな食生活が続くのだろうか?情けない。
以上、春めいてきて、桜の開花も近い東京から㔟古口がお送りしました。
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次は前週のJ REPORTに続きます。

「U君の世界裏ニュース」

「J  REPORT 2024 3月第3週号」
「リタイアメント・ノート 14年9ヶ月目」
「VOL.1358 SINCE  AUG.12th、1983」

「走るな! 転ぶな! 風邪引くな!」が老人には大切らしいです。㔟古口
追加して「癌になるな」。

「U君の世界裏ニュース」
これは浅草会という会でのお話しだ。この会は昭和46年(1971年)卒の体育会OB達の一部の集まりで、浅草での世話役のF君がセットしてくれた美味しい店を巡るもので、今回は「蔵」という和食の店で開催した。
この店、先月歌舞伎座で13回忌が行われた十八世中村勘三郎が浅草中村座の公演を行った後にF君と共に訪れた
店だそうで、中々格式のある店でした。
その折、仲間の一人U君による恒例の「世界裏ニュース」が発表されたのでその一部を引用してみよう。
U君は今でも官界に太いパイプがあり、表向き発表されないマスコミ等の裏ニュースを教えてくれた。
1) 安倍晋三は何故誰に暗殺されたのか?=22年2月のロシアによるウクライナ侵攻後、プーチンと親しい安倍がその影響力(和平)を欧州首脳に働きかけることを危惧したアメリカは、ウクライナへの軍事支援を行うに当たり安倍の影響力を排除するためにバイデン政権の指示によりスナイパーが派遣され狙撃し成功したというもの。実際の殺人者はプロのスナイパーだった。
2)プーチンは悪の権化なのか?=否、FOXニュースの名物司会者「タッカー・カールソン」による直撃インタビューを観れば分かるが、プーチン批判はロシアに20%はいる共産体制復活主義者と、世界のエリート層から彼の評判を貶めるために仕組まれた悪質なプロパガンダである。一方、ウクライナは一党独裁で民主的ではないし、世界でも最も汚職の多い国だという。
3)世界は極一部のエリート層により支配されており、ほぼ完成しつつあるという。勿論我々日本人もその最下位の一般大衆(愚民)に落とされているのだが、誰もそのことを政界もマスコミも批判も指摘もしない。理由はアメリカにより殺されてしまうからで、安倍の事件の真相も奈良県立病院の検屍をした医師は知っているし、政界も知っている。
4)ではエリート層とは何なのか=国際金融機関であり、産軍複合体であり、ネオコンであり、ディープステートであり、巨大ファーマであり、政治化した司法であるという。日本のマスコミなどは全てこれらの傘下に組み入れられていて、同じ方向へと向かって報道しているという現実。
以上、まだまだ詳しくは説明しないが、与えられた情報からしか判断出来ないニュースの裏側をもっと知るべきなのだろう。見方が変われば真実も変わるというお話しでした。今後もU君の活躍に期待する。

「浅草会は蔵で」
当日は23名が集まったが、まずは料理をご紹介しよう。
先付―数の子、根三つ葉お浸し(写真:A8)
前菜―出汁巻玉子、鰯南蛮漬、青唐チーズ射込み、桜葉蒸し(写真:A9)
造りー季節の鮮魚お造り(写真:A10)
煮物―蛍烏賊、味噌煮(写真:A11)
炭火焼―田村牛(A5ランク)十g肩ロース(写真:A12)
食事―稲庭うどん(写真:A13)
デザート(写真:A14)
皆さん、75歳以上の後期高齢者なのだが、元気でした。スナップ写真です。(写真:A1)
(写真:A2)
(写真:A4)
(写真:A5)
(写真:A6)



次回は4月6日の総会です。

「今週の映画と本」

「今週の映画と本」
「ポーカーファエイス/裏切りのカード」(TCシャンテにて)私的評価★★★(今年13作目)
オーストラリアの富豪は自称ギャンブラー。仲間と立ち上げた事業で巨大な富を築くが、末期がんと宣告される。彼の自宅に幼馴染たちが集まりポーカーを行うのだが、そこに強盗団が襲い掛かる。彼らの狙いは高価な絵画類。そこに富豪の妻と娘が帰って来る。果たしてその結末は?

「アーガイル」(TC日比谷にて)私的評価★★★(今年14作目)
元CIAと悪の集団とがある情報を巡り争うというもの。主役は作家の女性。彼女の書いている小説が物語の先を暗示しているという。不可思議なお話しで何が何だか全く理解不能でした。

また、3月8日付け日経新聞夕刊「シネマ万華鏡」には、「ゴールド・ボーイ」「津島―福島は語る―第1章―」「映画 マイホームヒーロー」「DOGMAN」「アバウト・ライフ 幸せの選択肢」「irai(アイアイ)」が紹介されていました。

「2024年の映画で私が良いと思ったのは」
★★★★★=「哀れなるものたち」「ジャンヌ・デュ・バリー 国王最期の愛人」「コット、はじまりの夏」

★★★★=「枯れ葉」「ゴールデンカムイ」「ダム・マネー ウォール街を狙え!」

「私の2023年に観た映画は98本、星5つは
★★★★★=「ドリーム・ホース」「SHE SAID その名を暴け」「生きる LIVING」「パリタクシー」「クロース」「ふたりのマエストロ」「JFK/新証言 知られざる陰謀」

「2024 観劇シリーズ」 2023年の歌舞伎観劇は12度でした。
寿初春大歌舞伎昼の部「常辰歳歌舞伎」と「荒川十太夫」「狐狸狐狸ばなし」を観劇。
一月大歌舞伎「平家女護嶋」(新橋演舞場にて)を観劇。
猿若祭二月大歌舞伎、昼の部を歌舞伎座にて観劇。「新版歌祭文」、「釣女」、「籠釣瓶花街酔醒」の3題目。
三月大歌舞伎、昼の部「菅原伝授手習鑑」、「傾城道成寺」、「小浜御殿綱豊卿」を観劇予定。
四月大歌舞伎、夜の部「於染久松色読販」、「神田祭」、「四季」を観劇予定。

「2024年旅暦」
1月に蕎麦の旅で東北と信州に行きました。
7月に釧路に長期滞在を、8月には家族全員で壱岐の島へ旅する予定。
海外には2月にハワイに行きました。

「2023 本の記憶シリーズ」  2022年の読書数は、185冊でした。
「振り出し」(上田 秀人 著)中公文庫 私的批評眼★★★(今年24作目)「旗本出世双六」シリーズ第1弾

「貼り紙値段」(千野 隆司 著)角川文庫 私的批評眼★★★(今年25作目)「成り上がり弐吉札差帖」シリーズ第2弾

「お伊勢参り」(小杉 健治 著)ハルキ文庫 私的批評眼★★★(今年26作目)「情け深川恋女房」シリーズ第4弾

「仇討ち」(稲葉 稔 著)光文社文庫 私的批評眼★★★(今年27作目)「隠密船頭」シリーズ第12弾

「別れの季節」(柴田 よしき 著)ハルキ文庫 私的批評眼★★★★(今年28作目)「お勝手のあん」シリーズ第9弾

「癌闘病記ー第6回」

「癌闘病記―第6回」
抗がん剤治療を再開して10日経った。徐々に副作用が出始めてきたようだ。体調自体は問題ないと思っていたのだが、どうも調子が狂い始めて来たようだ。まずは食欲不振が訪れた。そして気力が失われつつある。
一番の問題点は実は口の中にある。舌が熱さと辛さ等の刺激物を受け付けないのだ。だから飲み物は温いお湯にまで冷まして、刺激物は食べないということになってしまった。大好きなカレーももう食べられないのだ。更に歯磨きは歯磨き粉の刺激が強過ぎて使えない。普通の水で歯磨きしている。
まだ10日しか経っていないのに、そして量は1/3に減らしているのにどうも具合が悪い。癌との戦いに終わりはない。
先日の「神奈川第2次会」でも殆ど食べられなかった。本当に苦しい。
神奈川会のメンバーと(写真:B1)

「くらわんか」

「手前勝手世界食物語、第666話」
「くらわんか」
初めての店だ。4S会を開催し主催者のサーさんが御推奨の店で新宿東口にありました。流石新宿ですね。物凄い人混みでした。たまたま今月は「九州編」ということで九州各地の名物料理が出るとか。
私は沖縄のノンアルコールです。(写真:S1)
突き出し(写真:S2)
サラダ(写真:S3)
九州名物盛り合わせ。きびなご、辛子レンコン、西海漬け、明太子、キンカン(写真:S4)
ゴマあじ(写真:S4)
黒豚(写真:S5)
4S会のメンバー(写真:S6)
皿うどん(写真:S7)
デザート(写真:S8)
最近記憶力の衰えで品物の名前を憶えていられないので何だったのだろうか?単なるデザートでした。
以上、兎に角寒い東京から㔟古口がお送りしました。
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次は前週のJ REPORTに続きます。

「2月の満月」

「J  REPORT 2024 3月第2週号」
「リタイアメント・ノート 14年9ヶ月目」
「VOL.1357 SINCE  AUG.12th、1983」

「走るな! 転ぶな! 風邪引くな!」が老人には大切らしいです。㔟古口
追加して「癌になるな」。

「2月の満月」
春節から15日目、所謂15夜の夜が24日だった。
その2月の満月を「スノームーン」と呼ぶらしい。如何にも雪が舞うような冷たい風の天気だった。(写真:A1)
気温25度のハワイから帰国した途端に6度の気温に出会って、拗らせていた風邪に本格的に掛かってしまった。
年間に一度位しか風邪にならなかった私がこの時期になるとは困ったものだ。これも癌による免疫力低下のせいなのだろうか?そんなハワイでは毎日1万5千歩は歩いていたが、帰国後は数千歩も歩かない状態だ。不健康な生活だった。そんな体調の中、仲間内の飲み会も欠席することになった。病院にも通い次の治療方針を決めるためにも風邪は禁句だ。早く治そう。

「国の力」
ハワイではステーキばかり食べていたので体力は回復しているとは思うものの今後が心配だ。それにしても先週も述べたようにハワイの物価は高い。今回はマイレージを利用したので航空機代は只だったが、ホテル代も飲食代も予想通り高かった。でも物価高はその国の力の象徴でもある。物価高を吸収できる収入を得られる国家が幸福な国家だと言えよう。物価高で低収入というのはインフレの国であり、決して国力がある訳ではない。国民は物価高に耐えられる国家を目指す心意気を持って前に進もう。それにしても日本の政治は酷いね。トランプ元大統領の復活を危惧する前に日本の政治を危惧し見限ってしまいそうだ。誰かいないのかよ、救世主は!
話しを元に戻そう。ハワイでは安売りの店に数度行った。大体90%から2~30%程度が定価より値引きされていた。ある商品を手にして値段と質、サイズを確認し迷っていて、では翌日に再度考えようとしたとすると、翌日には確実になくなっていた。誰かに買われたのか?それほど購買力が強い高いということだ。需要があり、それに見合った供給があり、スパイラル状に需給バランスが取られていく社会が経済力のある国だということだろう。確かにアメリカ、少なくともハワイでは経済は強い需要と購買意欲が支えていると感じられたのでした。但し、ハワイの今の問題点はメインランドを含めた観光客の少なさだ。
追伸:買ってきたパンツを穿いたところ、後ろのポケットが縫製上のミスで閉じられていた。やむなくハサミで糸を切り開らいたところ、全く問題なく使用できた。ブランド物だったが、ちょっとしたミスで安くなっているものなのだ。

「今週の映画と本」

「今週の映画と本」
「コヴェナント/約束の救出」(TC日比谷にて)私的評価★★★(今年11作目)
2018年アフガンでの出来事。駐留している米軍とタリバンとの戦いで負傷した曹長を現地の通訳が120kmを単独で基地まで運び命を救った。その後通訳の家族はタリバンから懸賞を掛けられ命を狙われる。それを知った米軍の曹長は自らアフガンに救出に向かう。当時現地人の通訳や5万人いたと言われ、米軍撤退後のタリバン政権では多数が殺されたという。

「コットンテール」(HTC有楽町にて)私的評価★★★(今年12作目)
ローマ映画祭で賞を獲得した日英合作作品。難病と認知症を併発した妻が苦しみながら亡くなり、遺言でイギリスは湖水地方への散骨をしようとして訪英した夫とその息子夫婦に孫娘。行き違いが数々あり息子と折り合いの悪い父親だったが、苦難を重ねての旅が続く。美しい湖水地方の背景が素晴らしい。

また、3月1日付け日経新聞夕刊「シネマ万華鏡」には、「かづゑ」「すべtの夜を思いだす」「52ヘルツのクジラたち」「コットンテール」「リトル・リチャード:アイ・アム・エヴリシング」「FEAST―凶宴」「ARGYLLE/アーガイル」「ストリートダンサー」「K5)ポーカーファエイス/裏切りのカード」「水平線」「瞼の転校生」が紹介されていました。

「2024年の映画で私が良いと思ったのは」
★★★★★=「哀れなるものたち」「ジャンヌ・デュ・バリー 国王最期の愛人」「コット、はじまりの夏」

★★★★=「枯れ葉」「ゴールデンカムイ」「ダム・マネー ウォール街を狙え!」

「私の2023年に観た映画は98本、星5つは
★★★★★=「ドリーム・ホース」「SHE SAID その名を暴け」「生きる LIVING」「パリタクシー」「クロース」「ふたりのマエストロ」「JFK/新証言 知られざる陰謀」

「2024 観劇シリーズ」 2023年の歌舞伎観劇は12度でした。
寿初春大歌舞伎昼の部「常辰歳歌舞伎」と「荒川十太夫」「狐狸狐狸ばなし」を観劇。
一月大歌舞伎「平家女護嶋」(新橋演舞場にて)を観劇。
猿若祭二月大歌舞伎、昼の部を歌舞伎座にて観劇。「新版歌祭文」、「釣女」、「籠釣瓶花街酔醒」の3題目。
三月大歌舞伎、昼の部「菅原伝授手習鑑」、「傾城道成寺」、「小浜御殿綱豊卿」を観劇予定。
四月大歌舞伎、夜の部「於染久松色読販」、「神田祭」、「四季」を観劇予定。

「2024年旅暦」
1月に蕎麦の旅で東北と信州に行きました。
海外には2月にハワイに行きました。

「2023 本の記憶シリーズ」  2022年の読書数は、185冊でした。
「幻月の鬼」(岩室 忍 著)祥伝社文庫 私的批評眼★★★★★(今年20作目)「初代北町奉行米津勘兵衛」シリーズ第10弾

「信長餅」(和田 はつ子 著)ハルキ文庫 私的批評眼★★★(今年21作目)「料理人季蔵捕物控」シリーズ第46弾

「ほっこり粥」(倉阪 鬼一郎 著)光文社文庫 私的批評眼★★★(今年22作目)「人情おはる四季料理」シリーズ第2弾

「幾夜の鈴」(髙田 郁 著)ハルキ文庫 私的批評眼★★★★★(今年23作目)「あきない世伝金と銀」徳月辺下

「十八世中村勘三郎十三回忌・追善二月大歌舞伎観劇記」

「十八世中村勘三郎十三回忌追善・猿若祭二月大歌舞伎」観劇記(写真:K6)
早いものだ。十八世勘三郎が亡くなってもう12年も経ったのだ。(写真:K2)
その息子たち「勘九郎」「七之助」の活躍振りに期待する。
歌舞伎が江戸で始まってから400年を経て、その歴史も伝統も受け継がれながら更に進化していくのだろう。100年後もこれらの芸能が日本で楽しめることを祈る。
このちょっと色の変わった定式幕が追善の意味があるという。(写真:K2)

「新版歌祭文 野崎村」
所謂お染久松の心中物のそれ以前を描いたもので、野崎村の百姓久作の元へと義理の息子である「久松(七之助)」が急に帰って来る。喜んだ久作は娘のお光(鶴松)との祝言を揚げようとする。だが実は久松は奉公先の油屋の娘お染(児太郎)と熱愛し合っていた。それを知らず喜びに沸く久松とお光。だがお光は二人が結ばれなければ心中するとまで覚悟していたことを知る。お光は自ら髪を下ろし尼になり二人の行く末を祈るという人情物だ。

「釣女」
室町時代、土地の大名(地方豪族のこと=萬太郎)が縁結びの神と名高い西宮戎神社へ妻と得たいと願う。同行するのは太郎冠者(大名の部下=獅童)。神社でお祈りをすると夢に神様が現れ釣竿を与える。それを使って大名は妙齢の美しい上臈(新吾)を得て祝言を揚げる。
一方、太郎冠者もその釣竿で女性を吊り上げるのだが???
良く演じられるものだが、思い出せば勘三郎の名演技が蘇る。

「籠釣瓶花街酔醒」(写真:K3)
下野国佐野の絹商人「次郎左衛門(勘九郎)」は初めて訪れた吉原(新吉原の事で明暦の大火後浅草の田圃に移された)で花魁道中を観て、絶世の美女「八ツ橋(七之助)」に一目惚れする。それから足繁く通い馴染みになった次郎左衛門は遂に見受けの話しも始めるようになった。一方八ツ橋には情夫「繁山栄之丞」がおり、八ツ橋の義理の父が次郎左衛門への恨み妬みから栄之丞に八ツ橋に次郎左衛門を振る様に仕向け、挙句満座の中で次郎左衛門は大恥を掻かされる。それを恨みに思う次郎左衛門は名刀妖刀「村正」を持参して八ツ橋を殺すというストーリーだ。これは実際に起きた事件を物語にしたものだという。村正は名刀であり切れ味が凄いが、徳川家にとっては不吉な刀とされていた歴史がある。中々の名演技でした。
(写真:K5)
心中物は大いに流行ったが、逆に本当の心中も増えたので幕府は歌舞伎等での公演を禁じた時期もあるのだから不思議だ。