「鮨 まねき」

「手前勝手世界食物語、第429号」
博多駅から特急みどり号に乗り、「武雄温泉」に着く。雨がかなり強く降っていた。タクシーで「鮨 まねき」に行く。福岡に来た時には殆ど必ず伺う店だ。事前に連絡してあるから、いつも珍しいものを食べさせてくれる店だ。もう10年以上通っている馴染みの店だ。今回も趣向を凝らして待っていて下さった。住宅街の一角にあるので不通の人には分からないだろうが、地元では有名な店で政治家や医者、製薬会社等々の接待も多いらしい。聞くと最近は中国人や台湾人が退去して訪れるという。その食べ方は半端でないほどの量で、マグロのトロばかり食べるらしい。さて、私にはまず付け出しの「アンキモ」(左)と「マグロの煮付け」(右)が出た。(写真1)

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しっとりとした美味しさだ。今日は寒いのと風邪気味なので「芋焼酎のお湯割り」を貰う。次が高級魚「クエ」のシリーズだ。最初が「クエの刺身」、白身魚だが歯応えのあるコリコリ感が素晴らしい。(写真2)
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実物の頭を見せてもらった。1.6kg位の大きさだったという。長崎クンチが終わるまではクエは皆長崎に流れていってしまうので、クンチ明け漸く手に入れることが出来たという曰く付きのもの。(写真3)
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先日の香港で「凶悪魚」としてクエの同類を見たが、こちらはまだ凶悪という顔つきではなかった。次は「やり烏賊」の刺身。(写真4)
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そして「クエのひも」だとそうだ。(写真5)
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極め付きは「クエの皮」。油通ししたものでサクサクとした食感が面白い。(写真6)
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クエという魚もありとあらゆる部分を食べることができるようだ。それにしても高級魚だけに確かに美味い。私の好きな魚は「鯖」だ。マグロより鯖のほうが好きだ。鯖は丁度今が脂が乗った絶好の時期だ。さっと先ほど塩と酢で締めたという鯖を出してもらった。絶品だ。(写真7)
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懐かしい「鯨」の刺身が出てきた。昔は小学校の給食で鯨の塩ベーコンが出てきたことを思い出したが、味が全然違う。流石刺身だ。いやあ、美味しい。柔らかくて下の上で溶けそうになる。長崎沖では今でも鯨漁が行われているという話しだ。地元の人しか食べられない一品なのだ。(写真8)
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これは本当に初めて食べた。その名は「めかじゃ」というもので、烏賊の先祖だという。(写真9)
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有明海には3億年前位から住んでいるというもので、小さな貝のようなものから紐が出ていて、貝は中に小さな身を付けている。紐も中の身を食べることが出来る。これは珍味中の珍味だろう。こんな珍しいものを食べることが出来て幸せです。体調も良くないので、本日はここからは握りを貰い早目に帰ることにした。最初の握りは勿論「鯖」だ。(写真10)
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いつも年末に向けて自家製の「カラスミ」を造っているはずなので聞くと出来ているというので少し貰った。いつもは赤ワイン漬けだろうだが、今回は米麹に漬けたという。これもしっとりとして美味しい。こんなに美味いカラスミは初めてだ。(写真11)
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次が「シャコ」の握り。(写真12)
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「鯵」の握り。ちょっと炙ってある。(写真13)
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「カイワレ」の握り。(写真14)
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最後にマグロのヌタ漬けをもらった。(写真15)
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体調が良ければ後1時間はいて、もっと食べるのだが、今回は風邪で咽喉が痛くてどうしようもないので、已む無く帰ることにした。いつもいつも「鮨 まねき」さん、本当に美味しいものを出してくださって有難う御座いました。また来ます。
以上、勢古口が東京からお送りしました。