「ナチェスからメンフィス」

「ナチェスからメンフィス」
第二日目 9月5日(土曜日)
朝、散歩に出掛ける。いやに蒸し暑い。40分程の散歩で汗まみれになった。この辺の人たちはコミュニティーを大切にしているというが、知らない人でも会えば必ず挨拶を交わす。正に昔の日本の社会のような所だ。朝は「おはよう」が当たり前の生活のようだ。この「ナチェス」という街の生い立ちは、19世紀初頭に綿花産業が発達した時に、ミシシッピー川の河川にあって、ちょっと小高い丘の上にあったため洪水に襲われず、綿花の集積地としての港湾都市として栄え、そこに豪商たちが所謂マンション(豪邸)を建てたことが繁栄のきっかけだという。今も1800年代初頭の、南北戦争以前に建てられた豪邸が残されている。本日はその内の3軒を見て回るそうだ。最初は「メルローズ邸」だ。元々弁護士だったメルローズ氏がその後綿花栽培の事業にも進出して成功し、380人もの奴隷を持つ大農場主になったという豪邸だ。(写真 Melrose)

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邸内には、使用人たちの家や、奴隷小屋、馬小屋、馬車の車庫、物置、洗濯室等々色々な建物が散在していた。今も勿論人が住んでいる。ここでワッペンとピンバッジを買う。ほぼ目的達成だ。
その次は珍しい「セント・メアリー教会」の尖塔のある建物だ。(写真 church1)
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次は、元々は奴隷だったが、「自由奴隷」となり自由を獲得した後に、理髪業をこのナチェスでやって大成功し、自身も16人もの奴隷を所有する富豪になった「ウィリアム・ジェームズ邸」だ。彼は元々白人と黒人の女性との間に生まれた混血児「ムラート」だったが、白人の所有主から認められて自由人になった人だ。理髪業を営み、この地で大成功したが、残念ながら隣人との土地を巡る境界線問題で揉めて殺されてしまった。しかし彼が残した日記が非常に貴重で黒人奴隷の歴史を物語る上で素晴らしい資料となったのだった。奴隷とは当時は「富の象徴」だったという。(写真 dairy)
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最後が「ロザリー邸」だ。ミシシッピー川を見下ろす位置に立つこの建物は、風光明美な建物でミシシッピー川が一望できる素晴らしいロケーションにある。ナチェスの歴史地区にあり、正に富の象徴だったのだろう。(写真 Mississippi river 2)
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南部の富とは「綿花」と「奴隷」というものが一体化されてなされたものだった。綿花の摘み取り作業は手作業での過酷な労働の上に、黒人奴隷の安価な労働力によって達成されていた訳だ。そこから白人の大富豪が次々と生まれて行った。ミシシッピー川の東岸のナチェスから川に沿って北上し、一路メンフィスを目指す。「インターステイト・ルート55」即ち「アイ(I)55」を走るが、これまでと違って内陸部の起伏のある丘の間を走る。(写真 route 55)
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道路脇の電柱が皆木材のポールなのに驚かされる。これのほうが安価なのか? またアメリカのフリーウェイの脇にはバーストしたタイアの残骸が沢山放置されている。本当に沢山のバーストがあったことが分かる。日本では決して見られない光景だ。
昼食は途中の街のイタリアンレストラン「ブラボー」で「牛肉煮込みペンネ」を食べた。(写真 bravo restaurant)
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美味しかったが、レストランの室内温度が華氏70度に設定されていて冷蔵庫にいるように寒かった。摂氏21度が室温ってありますか?うちでは28度ですよ。寒くて震えていました。ホテルの部屋も大体華氏72度位だから、寒過ぎる。他の客はノースリーブだとかTシャツだとかで全然問題ないみたい。本当に困りました。
「メンフィス」に着く。ここは北のシカゴと南のニューオーリンズとのほぼ中間点だという。これまでテキサス州、ルイジアナ州、ミシシッピー州、そしてテネシー州に入ってきた。ダウンタウンの「BBキング」という店に行く。87歳で今年5月に亡くなったジャズ奏者のキング氏が店のオーナーで生演奏を披露していた店だということで人気一番のようだ。エレキのリードギター、ベース、キーボード、ドラムスの4名が一斉に奏でるジャズに皆が酔い痴れている。踊り出す人もいて熱気むんむんのレストランだ。(写真 BB king )
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料理は「BQリブ・ハーフ」。ハーフというが日本人にはフルと同じ大きさだ。勿論私は手掴みで食べた。(写真 BQ lib half)
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丁度カレッジフットボール「PAC12」の「テキサスA&M」と「アラバマ・ステイト」の試合を放送していた。テキサスが圧倒的に勝っていた。食後、「ビール・ストリート」に出たが、凄い人出で警察のパトカーが3台も道路を封鎖していた。(写真 beale street)
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その道路の中を黒人の若者二人がバック転を連続して行い、チップを貰っていた。そうそう、ナチェスのメルローズ邸に綿花が植えられていて、今正に摘み取りを待っている状態だった。確かにこれでは手摘みしかできないなあと実感しました。(写真 cotton flower)
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「2015 私の勝手な映画批評シリーズ」
映画「しあわせへの回り道」(TC日本橋にて)私的批評眼(J‘CRITICAL EYE)★★★(今年140作目)
売れっ子作家の家庭生活での挫折にインド生まれの自動車教習所の教師が絡む真面目なお話し。いつでも前向きに行きましょう。

映画「ボーイソプラノ」(ANA機内にて)私的批評眼(J‘CRITICAL EYE)★★★(今年141作目)
アメリカの国立少年合唱団に入った少年が目指す頂上とは何か?しかしソプラノの声が出るのは本の数年でしかない。そこで彼は何を得るのか?

日経新聞9月4日夕刊の「シネマ万華鏡」の評価によれば、「赤い玉」が4つ星、「ヴィンセントが教えてくれたこと」が4つ星、「映画 みんあ!エスパーだよ!」が3つ星、「アンフェアー the end」が4つ星、「ピース オブ テイク」が2つ星、「ギヴァー 記憶を注ぐ者」が3つ星、「エデン」が2つ星でした。
日経新聞9月11日夕刊の「シネマ万華鏡」の評価によれば、「黒衣の刺客」が5つ星、「天空の蜂」が3つ星、「DEARダニー 君へのうた」が3つ星、「ピクセル」が2つ星、「ピエロがお前を嘲笑う」が3つ星、「私たちのファファ」が2つ星、「ヒューマン・ハイウェイ」が3つ星でした。

「私の去年2015年の映画の評価は?」あくまで私の私感ですからね!!
今年の★★★★★は、「ドラフト・デイ」「アメリカン・スナイパー」「博士と彼女のセオリー」「中島みゆき」「セッション」「ビリギャル」「あん」「人生スイッチ」「筑波海軍航空隊」
今年の★★★★は、「ゴーン・ガール」「トラッシュ」「スパイ・レジェンド」「アゲイン、28年目の甲子園」「おみおくりの作法」「ビッグ・アイズ」「KANO」「深夜食堂」「シェフ」「パリよ、永遠に」「ソロモンの偽証」「くちびるに歌を」「イミテーション・ゲーム」「バードマン」「ギリシャに消えた嘘」「龍三と七人の子分たち」「駆け込み女と駆け出し男」「靴職人と魔法のミシン」「海街ダイアリー」「マッドマックス、怒りのデスロード」「愛を積むひと」「アリスのままで」「雪の轍」「悪党に粛清を」「チャイルド44」「アベンジャーズ」「バケモノの子」「ラブ&マーシー」「ジェラシック・ワールド」「ミッション・インパセブル」

「2015 旅の記憶シリーズ」
2015年の国内旅行は、1月に福岡(博多)、大分(中津)、佐賀(武雄温泉)、岐阜(白川郷、)、富山(五箇山、氷見、高岡)、新潟(越後湯沢)、3月は長野(長野)、千葉(銚子)、5月は福岡(博多)、熊本(熊本)、佐賀(武雄温泉)、6月は不老不死温泉(青森)、弘前城(青森)、釜石(岩手)を訪れました。

2015年の海外旅行は、2月のアメリカ(ハワイ)、3月のウズベキスタン(61カ国目)、4月のメキシコ(62カ国目)、5月は2度目のバルカン半島(アルメニア、モンテネグロ、クロアチア、ボスニアヘルツゴビナ、スロベキア)、7月はブルガリア(63カ国目)ルーマニア(64カ国目)、8月はアメリカ西海岸(シアトル、LA)、9月はアメリカ南部(ヒューストン、ナチェス、メンフィス、ツゥペロ、ニューオーリンズ)でした。

「2015 歌舞伎観劇シリーズ」第1回目=2月大歌舞伎(歌舞伎座)、第2回目=4月大歌舞伎(歌舞伎座)

「2015 本の記憶シリーズ」
「もみじ姫」(佐々木 裕一 著)ハルキ文庫 私的批評眼(J‘CRITICAL EYE)★★★(今年196冊目)「もののけ侍伝」シリーズ第5段

「大塩平八郎」(早見 俊一 著)祥伝社文庫 私的批評眼(J‘CRITICAL EYE)★★★(今年197冊目)「一本槍悪人狩り」シリーズ第3段

「兄妹の星」(和久田 正明 著)ハルキ文庫 私的批評眼(J‘CRITICAL EYE)★★★(今年198冊目)「髪結の亭主」シリーズ第3段

「迷い人」(倉坂 鬼一郎 著)ハルキ文庫 私的批評眼(J‘CRITICAL EYE)★★★(今年199冊目)「品川しみずや影絵巻」シリーズ第1段

「浅草料理捕物帖」(小杉 健治 著)ハルキ文庫 私的批評眼(J‘CRITICAL EYE)★★★(今年200冊目)「浅草料理捕物帖」シリーズ第1段