岡山在住の丸紅のOBが今年もまた「光風会」の絵画展覧会に出品して入選したとのことで六本木の「国立新美術館」を訪れた。作品は例年通り「寺の山門」の絵だ。大勢の絵画愛好家が訪れていてそれなりに込み合っていた。最高は「文部科学大臣賞」で女性が横たわる極々単純な絵だった。私にはどうしてこれが大臣賞獲得になるのかが全く分からなかった。これでも絵画鑑賞は好きなほうだから、海外の美術館には必ずと言っていいほど立ち寄って絵を観ている。パリでもロンドンでもニューヨークでもローマでもフィレンツェでも色々な美術館を訪れている。勿論東京でもだ。だがそれでもこの会の中で私がいいなあと思う絵はあったが、それが何かの賞を獲得しているわけではなかった。どこを評価の対象にしているのか?私には分からなかった。ところで後日画家から手紙が来て、「なぜ題材がいつも山門なのか?」の説明があった。それは彼の先生の命令によるもので、「同じ題材を続けることで岡山に彼ありと言われるようになる」とのことで、違う題材を描いて持ち込んだところ先生から却下されてしまったという。絵の世界も難しいものだ。