「手前勝手世界食物語、第214話」

「土手の伊勢や」
「吉原大門」前にあるのが、この店。実に古めかしい和風の建物だ。終戦直後に建てられたのではないかと思ってしまうほどの古さだ。昼時なのに珍しくも誰も人が並んでいない。店に入ると直ぐに相席だったが座れた。天丼は「イ」@1500円、「ロ」@1900円、「ハ」@2300円なのだが、私はロを注文した。それと「味噌椀」@150円を頼む。天麩羅は直ぐに揚がったようで5分も待たずに天丼が出てきた。丼からはみ出した天麩羅は、「海老」「穴子」「烏賊」の3種類だ。味噌椀が余りにも熱くて指を火傷してしまった。熱過ぎる。この店の値段は天麩羅の数が増えると値段が増す仕組みだ。以前「ハ」を食べたことがあって、この場合は天麩羅の具が多過ぎるので、丼の蓋に具を乗せて、丼を少し空けてから食べる。確かハはロに野菜が付いていたのではなかったろうか?イでも充分なボリュームがあるから女性はイで問題ないと思う。店内にはテーブルが4つ、あとは小上がりにテーブルが3つと、まあ10数人も入れば一杯となる。従って通常は店の外の椅子に座って待っている客がいるのだが、最近はいなくなったのか?列はなかった。まあ真夏の炎天下に並ぶ物好きもあまりいまい。それもそれなりの値段のものなのだから。これが大阪ならば絶対にいないなあ。どうしてなのだろうか?東京では行列が出来るが、大阪では行列はめったに見られない。東西の気質の違いなのだろうか?
以上、漸く秋めいてきた東京から勢古口がお送りしました。

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