「祥月命日」

2001年の1月8日が私の父「國成(くにしげ)」の命日だ。その日は前日からの雪で道路は東京には珍しく凍りついていた。そんな早朝に妹から電話があり、病院からの連絡で家族は直ぐに集まるようにとのことだった。子供たちを起こし、車に乗せて急いで横浜の病院に向った。病院到着時には既に父は意識がなく、それから一時間後に息を引き取った。この月は本当に大変だった。8日に私の父、14日に妻の父、そして更に妹の義母が亡くなった。一月の間に3件の葬儀が行われる結果となった。その最初が父の死去だった。正月は家族で墓参りをするが、8日の父の祥月命日には私は独自で墓参りをする。青山墓地の入口近くのために、見上げると伊藤忠商事本社ビルが直ぐ近くに見える。父の好きだった日本酒を墓石にかけ、般若心経を唱える。色々あったが、父は私たち兄妹には本当に貢献してくれたと今では思う。母に変わって父兄参観日には必ず父がやってきてくれた。それは私も妹も同じだ。私の大学時代のフットボールの試合も、妹の大学時代のバスケットボールの試合も殆ど全て父は観に来てくれた。子供思いの父だった。そんな父は母や私たち兄妹とその伴侶、そして5人の孫たち、母の姉である叔母とその娘(私の従姉妹)に見送れられながら79年の生涯を終えた。全ての家族に見送られた、ある意味では幸福な最期だったと思う。思い出すたびに短かった父との想いが湧き出してくる。勿論母のほうが私達を心配してくれていたのだったが、父もその愛情の全てを我々家族に注いでくれたことを今正に思い起こす。青山墓地は都内の一等地にあるのに「都営霊園」だからその賃貸料は驚くほど安い。私の家の墓は一坪の3/4位の大きさなのだが、年間の使用料が3000円にも満たない。どこの都営霊園もそうなのだろうが、これほど都心近くにあり便利な場所は数少ないと思う。調べてみたら「都営霊園」は「多摩」「小平」「八王子」「八柱」「青山」「谷中」「多摩みたま堂」とあるようだ。青山と同じく便利なのは多分谷中なのだろう。都営なので本当に助かっています。

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