「石川島風景」

隅田川は永代橋の先で東京湾に出るが、そこにある島で流れが二つに分かれる。河口から見て左側が「本流」、右側が「豊洲運河」と呼ばれている。豊洲運河上、清澄通りに架かる橋が「相生橋」だ。「相生橋」上から、「佃島」の高層マンション群が見える。江戸時代はこの島は実は「石川島」と「佃島」に分かれていた。北の部分が「石川島」、南の部分が「佃島」だった。二つに分かれていた島がいつの時代かに繋げられた。「石川島」には当時「人足寄場」があり、比較的軽い罪を犯した犯罪者を収容し、手に仕事を覚えさせたり、労働させた厚生施設でもあったという。島だから船がないと渡れない。だから逃げ出すには泳ぐしかないが、大川の流れもあり、汐の流れもあり、脱出は不可狽セったようだ。今は高級高層マンション群が立ち並ぶ都心の一等地だ。東京駅まで2km、あっという間だ。この石川島は幕末には「幕府の造船所」が置かれていた。「勝海舟」がそのトップだったという。その名残りが「石川島播磨重工業」になったのだろう。

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