「桜餅」

「手前勝手世界食物語、第333」
「桜餅」
江戸の花見の名所と言えば、「墨堤」「飛鳥山」「品川御殿山」「上野」等々が有名だった。その中でも八代将軍吉宗が植えさせたとされる「墨田川沿いの堤」即ち「墨堤」は江戸の中心部からも近いことから庶民も沢山繰り出したらしい。吉宗の時代に「山本屋」が売り出したのが「長命寺の桜餅」だった。享保2年(1717年)に長命寺門番の「山本新六」が桜の葉を塩漬けにしたもので餅を包むものを売り出したという。値段は一個4文というから、大体80円前後だろう。吉宗は1716年に将軍になっているから、その翌年に隅田川に堤防を固めるために植えさせたらしい。それが今に伝わる銘菓となっているのだ。確かに現物を買い求めてきたら、製造販売元は「(株)ヤマモト」となっていたから、未だに江戸の歴史が伝わっているのかも知れなかった。3個で税込(8%)601円だから、まあ高いと言えば高いだろう。だが、この時期に食べるのがやはり一番だろう。
以上、勢古口が桜咲く東京からお送りしました。

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