「栄西と建仁寺」

「栄西と建仁寺」
東京国立博物館平成館で鎌倉時代の「禅宗」の高僧「栄西(ようさい)」と彼が建てた京都の「建仁寺」からの国宝等を公開している特別展を訪れた。国宝「風神雷神図屏風」や、「雲龍図」などが出展されていて、800年前からの日本仏教文化の一端に触れることが出来た。「海北友松」作の「雲龍図」の迫り来る龍の迫力は凄いものがあり、正に天から襲ってくるが如くだった。また「俵屋宗達」作の屏風絵「風神雷神」の面白げな姿形と色彩には現代にも通ずる芸術性が感じられた。本当に素晴らしいものばかりだった。

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「新年おめでとう」の意味は?
映画にもなった「武士の家計簿」を書いた「磯田道史」氏の著書の中にこんなことが書かれていた。「新年おめでとう」とはどういう意味なのか?それは「めでたい」のではなく、「木の芽、草の芽が、冬至から一日一日、陽気が生ずるにしたがって萌え出る。この陽気は物を育てる気で、人の慈悲仁愛の心と同じ。天地にも人間にも好ましい気だ。つまり、陽気が生じて、草も木も芽が出たいと思うのが、おめでたいということである。人間の場合は新年できたない心を洗い流し、人間の本心である優しい気持ちに戻ることが、【新年おめでとう】の真意である」 ちょっと長い文章を引用したが、これは幕末の囚人が妹に送った手紙の内容だ。この囚人の名前は?「吉田松陰」だ。彼の教えた「松下村塾」からは、高杉晋作、桂小五郎、伊藤博文らが育っていった。

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