「丹羽氏の講演会」

「シンガポールの旅、後記」
意外だとおもったことが幾つかあったのが、今回のシンガポールの旅だった。まずは「バリアフリー」だ。あれだけ地下鉄が発達しているのだが、階段が意外に多くて、バリアフリーになっていなかった。だからお年寄り、身体障害者、ベビーカー利用者に決して優しい都市ではなかったことだ。エレベーターはバリアフリーとはいえない。車椅子での通行が可能でなければ意味がない。マリーナベイサンズ前のデッキには階段しかなかった。これでは車椅子はどうしようもない。意外なシンガポールの姿でした。次は予想されていたことではあるが、「韓国の躍進」だろう。以前は「日本語」を習う生徒が多かったというが、今は「フランス語」か「韓国語」だという。シンガポールは多国籍民族の国だから、「英語、中国語、マレー語」が話せるのは当たり前で、それ以外の言語となると、「昔日本語、今韓国語」だそうだ。文化面も含めて東南アジアは今や正に韓国の牙城になりつつあるらしい。建築についてもあの「マリーナベイサンズ」も韓国のゼネコンが造ったという。今に見ていろ!韓国よ!!日本は必ず復活するぞ。それともう一つ、野球の原形となったのは英国育ちの「クリケット」だが、ご他聞に漏れずシンガポールでもやっていたが、その隣で野球をやっているのには驚いた。シンガポールでも野球をやっているんだ!!!

「丹羽氏の講演会」
民主党政権下に初めて民間人として「中国駐在大使」に起用された「丹羽宇一郎」氏の後援会があり、無料と言うことで「S会のさーさん」と一緒に参加させてもらった。伊藤忠商事の社長、会長を務めた氏の歯に衣着せぬ発言に200名近くの聴衆は拍手喝采だった。主な発言を纏めて見よう。
「2:6:2の比率」「日中共同声明4回を守れ」「サンフランシスコ講和条約の遵守」等々だった。まず最初の「2:6:2」だが、これはどこの社会でも優秀な人が2割、普通の人が6割、駄目な人が2割いるという。会社も同じ。また上の2割だけを集めても、これまた同じ2:6:2の比率になるという法則だそうだ。何を言いたいのか?中国人でも日本人でも悪い人も良い人もいるということ。確かに中国人は公衆道徳に欠けるきらいがあるが、それは別としてもこの比率は人間であれば同じだということ。だから中国人に対する見方は、自分で観て、接して、感じて、自分の頭で判断して欲しい。人の話しを鵜呑みにしないでもらいたいということだった。でも私の意見では中国人は人口が多いだけでなく、この比率は「2:4:4」だと思っている。これは経験から来た実感である。次の「日中共同声明」だが、これは1974年の「田中角栄と周恩来」の共同声明、日中国交正常化以来、4回の共同声明が出されているという。歴史認識の問題にもなる訳だが、この共同声明をお互いがしっかり守ることが必要だということだ。その際、「田中・周会談」で「尖閣列島」の問題は先送りし、お互いが触れないとした原点に立ち返るべきだというのだ。尖閣を中国側は絶対に自国の領土だと思っているという。それは明、清の時代からの認識だとのこと。言い出せば切りがない。また「サンフランシスコ講和条約」で日本は敗戦国として世界45カ国と講話した。それを忘れて戦犯や侵略をなかったものとしようとしている現政権を暗に批判していた。講和条約は日本が戦争に負けたことを認め、そこから独立国として世界平和に貢献するというのを世界中の45カ国と約束したことなのだから、遵守しなければならない。「チャイナ7」とは中国共産党の最高幹部7名だ。14億人の中国人、56の民族、92%は漢民族だが、残りは55の民族で構成されていて、それらだけでも日本の全人口とほぼ一緒だ。そんな中国を統治するのに欧米式の民主主義では統治できない。従って現共産党政権を維持するしか方法はないのだという。今、中国は「一人っ子政策」から変わろうとしているという。2012年の中国の出生者数は約1600万、死亡者数は約1000万人、少なくとも5?600万人人口増加となっているという。それも普通は男児105:女児100なのが、中国では120:100だという。これも一人っ子政策の弊害だ。子供が女の子だと分かると堕胎してしまうのだという。また、既にGDPは日本の2倍になっているという。1位アメリカは日本の3倍、2位中国は日本の2倍、そして3位日本と続くが、これが中国の今の実力だ。早晩アメリカを抜く日も遠くないのだろう。中国は日本の40年前の姿だという。給与は毎年15%程度上昇している。公害問題も発生している。丁度40年前の日本が経験したことが今の中国で起こっている。そして中国はもはや日本など当てにしていない。アメリカ、欧州、そして韓国、皆鵜の目鷹の目で中国市場を狙っている。日本国内に中国弱体化論が出ているようだが、そんなことはない。中国は益々強くなるとの丹羽氏のご意見だった。だから民間レベル地方レベルでの中国人との関係を良くし、強化しなければならないともいう。そこで私は思うのだが、政治家とは10年先、100年先の国の姿を考えて行動するのが政治家で、自分の思うままを貫けばいいというような短絡的な政治家はいらない。今の安倍首相が正にそれだ。100年後の日本の姿を描いているとはとても思えない。「歴史認識、靖国問題」も「集団的自衛権」も「憲法改正・解釈」も国民を無視して進めようとしているとしか思えない。我々が自民党に政権を与えたのはそういうことをやって欲しい為ではなかったはずだ。安倍の思い上がりもいい加減にして欲しいという印象を抱きながら講演会を聞いていた。今、日本は右傾化していると海外のメディアは報じている。果たしてそうなのか?30日付の日経新聞のコラムでは「左傾化していた戦後の日本を中道に戻しているだけ」と書いていたが、果たしてそうなのだろうか?最後に氏が言ったのは「戦争だけは絶対にしないように」ということだった。ということは「日中戦争がありうる」ということなのか?

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