「春本番」

「J  REPORT 2015 4月第2週」
「リタイアメント・ノート 6年10ヶ月目」、
「VOL。893 SINCE AUG.12th、1983」
「春本番」
「大奥・花見の絵」
写真は大奥の花見を描いたものだ。「江戸東京博物館」がリニューアルオープンした。常設展もリニューアルした。そこにあった浮世絵の写真だ。常設展の6階は江戸時代の大名屋敷の模型と日本橋界隈の賑わいの模型があったが、これは今までと一緒だ。今回は5月連休まで「歌川広重の江戸百景」の浮世絵を公開していた。これは必見だと思う。有名な「深川洲崎の十万坪」は鳥瞰図になっている。この時代に鳥瞰図で浮世絵を描くなど全く着想が素晴らしい。観た事もない鳥瞰図を描くとは天才だ。前半後半の二つに分かれて50枚づつ公開されるというからぜひご覧になってもらいたい。大奥の花見が普通の男性は決して目に触れることのない大奥の女性たちが江戸城内の桜を観て楽しんでいる絵だが、多いにはしゃいでいるのが微笑ましい。めったに外出できない大奥の女性たちは花見を本当に愛でているのだろう。さて正に今週は春本番だ。都内の桜の名所も満開の桜で人出も凄いようだ。

「ウズベキスタンでの話し」
たまたまご一緒したグループの中の一人の女性から話し掛けられ、列車での旅の間中、コンパートメントの中で江戸時代の話しをした。色々な質問があったのだが、皆さんが一番驚いたのがやはり「隠れ姓」だった。武士階級しか姓を持っていなかったと思っている人たちが実に多いことに改めて驚かされた。姓名は基本的に皆あった。しかし支配階級となった武士が優越性を図り、身分制度を定着させるために意図的に武士と一部の階級しか「名字帯刀」を認めなくなった。だが実際には皆姓を持っていた。公然と使えなかっただけなのだ。これを説明すると皆さんびっくりされる。でも事実だから仕方がない。身分制度などは支配階級の都合の良いように作られているだけで、必ずしも完全に守られていた訳ではない。キリスト教が静かに深く人々に浸透していたことと同じようなものなのだ。もう一つ実によい質問があった。「江戸時代の人たちは森の木を刈ってしまわなかったのですか?」というものだったが、これは現代にも通ずる「燃料」の問題なのだ。家康が江戸で幕府を建てたのも近畿圏では過度の伐採により森林資源が減少していたということがあったからなのだ。木材がまだ豊富だった関東に行くことにより更なる将来の発展があったのだ。人間には「空気と水と火」が必要なのだ。火=燃料=エネルギーは当時は木材から得ていた。現代は石炭、石油、原子力、再生可能エネルギーへと進んでいるが、全ての大元はエネルギーに集約されるのだ。江戸時代も同じだった。こういう話しをしながら3時間の列車の旅を楽しんだ。聞いている方々には苦痛だったのかも知れないが。

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