「J REPORT 2016 9月第4週」
「リタイアメント・ノート 8年3ヶ月目」
「VOL。969号 SINCE AUG.12th、1983」
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「お寺の仏像が東京にやって来た」
甲賀地方のお寺「らく野寺」(らくやじ=らくは木偏に楽と書く)は、平安の昔に「最澄」によって開かれた「天台宗」の寺の一つだ。甲賀の里にひっそりと建つ。そこから仏像が「東京国立博物館」にやってきた。(写真:2)
そして中に入ると5m以上はあろうかという大きな仏像が目の前に現われた。(写真:1)
「十一面観音菩薩坐像」だ。重要文化財としては日本最大のものだという。頭の上にある十一面の顔は世の中全てを広くあまねく仏様が見詰めているという意味らしい。それを囲むように二十体の仏像が並ぶ。全て重要文化財。素晴らしいとしか言い得ない。勿論写真撮影禁止だから残念だが、カタログでお許しを頂くしかない。(写真:4)
仏像と一口に言っても、昔の中国から伝わった仏像は「金属」「石」「漆」で作られていた。それが8世紀になり、日本では樹木から掘り出す仏像が造られる様になったという。この「らく野寺」の仏像は全て木彫りの仏像なのだ。謂われは、延暦11年(792)に最澄が延暦寺建立に際して良材を求めて、この地で「らく」の零木に観音像を刻んだことが寺の始まりだとか。また征夷大将軍の「坂上田村麻呂」が山賊追討の祈願成就をよろこび、堂搭を寄進したとの伝えも残る古刹だ。日本にはまだこんなに素晴らしいものが沢山あるのだ。それにしても観音様のお顔の穏やかなこと、心が洗われるとはこんなことなのだろう。さて、甲賀の里といえば「忍者」だ。別室に忍者の絵があった。(写真:3)
寺の仏像はめったに観ることが出来ないというからチャンスがあるうちに是非ご覧下さい。12月11日まで開催しています。
「古代ギリシャ展」
19日で終了したが、同じ東京国立博物館の「平成館」で開かれていたのが「古代ギリシャ展」だ。(写真:1)
紀元前8000年前頃からのギリシャ文明、といっても実は神話の世界だが、ローマ時代に至るまでの歴史的なものが展示されていた。多くの彫刻、貴金属の装飾品、壁画、壺、等々圧倒的な量で迫ってくる。(写真:2)
同じ時代、日本では縄文時代だったのに、これだけの差があったとは驚きだ。マケドニアのアレクサンドロス大王により、エジプトからインドまでがギリシャ文明の下に開かれた歴史や、ローマの台頭により、やがてローマ文明にギリシャ文明が継続されていく歴史。西欧文明の元となった古代ギリシャ文明に驚かされた展覧会でした。(写真:3)
正に「時空を超えた旅」でした。