「ニューオーリンズからヒューストン」

「ニューオーリンズからヒューストン」
第五日目、9月8日(水曜日)
「バーボン・ストリート」のバーボンという意味は、最初に植民してきたフランス人が母国「ブルボン王朝」のブルボンを付けたのが最初で、それが英語読みで「バーボン」となったということでウィスキーのバーボンとは全く違った。「フレンチ・クォーター」を散策するが、兎に角蒸し暑くて耐えられない。気温は多分30度近く、湿度が70-80%はありそうだ。このフレンチ・クォーターは金持ちの家が立ち並ぶが、幽霊屋敷がこの辺りは当たり前のように沢山あるという。一軒の有名な屋敷は、映画俳優の「ニコラス・ケイジ」が所有したところ「自己破産」してしまったという曰く付きの家で今も借り手を探していた。18世紀からの家々が立ち並ぶフレンチ・クォーター。(写真 haunted mansion)

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第7代大統領だった将軍の騎馬像があったり、フランス風の街だけに金色の「ジャンヌ・ダルク像」があったが、なぜだろう?不思議だった。(写真 ジャンヌ・ダルク像)
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「フレンチ・マーケット」では、フリーマーケットで土産物を売る店や食べ物屋が連なっていたが、実は私は暑さと二日酔いでばてばてでもう動きたくなく、殆どの時間を椅子に座っていた状態で最悪のコンディションだった。11時からミシシッピー川の船旅に出る。11時半出航だが、乗船と同時にビュッフェ・スタイルの食事が可能だ。まず冷えた水を大量に飲む。食事は朝も食べたし、食べたくもないが、仕方なく正午前から食べた。地元の「ケイジャン料理」、所謂庶民料理だが、「レッド・ビーン&スープ」をご飯にかけたものや、例の「キャット・フィッシュ」や、野菜サラダ、ジャガイモなどがあったが、ちっとも食欲が湧かない。船は川を下り、やがてまた川登りをするのだが、後部に回転する水車を推進力とする蒸気船?なのだ。スチームを発生させるのは今では石炭ではなくガソリンだというのが当時とは違うようだ。川の向こうにニューオーリンズのダウンタウンが観える。(写真 down town)
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午後からは近郊の「オーク・アレイ・プランテーション」に行く。19世紀前半のプランテーションのオーナーの豪華絢爛な住居だ。オークの木は樹齢350年以上、建物は200年近く前に建てられたものだという。アメリカ南部の「クレオール」と呼ばれたフランス系移民の中の一人の大富豪の家だ。主は「ローマン氏」で19世紀半ばに綿花業を営んでいた人から、この土地を買い、家を建てたという。3階建ての豪邸だ。(写真 Roman’s house)
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当時は綿花栽培だったが、ローマン氏はサトウキビ畑に切り替え、更に大成功を収めたという。その広さ東京ドームの102倍だというから凄いものだ。家の2階からミシシッピー川の方を観ると樹齢350年以上のオーク・ツリーが28本並んでいてそれは壮観だった。(写真 oak alley)
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敷地内には奴隷が住んでいた家を復元させていた。驚いたことにこのプランテーションには1848年当時113人の奴隷がいたという。記録を見ると、その価格は最高価格が1500ドル、多分勿論健康な青年だろう。安いのは老人と子供で20ドルから50ドルだ。平均は7-800ドル程度だろうか。当時の1ドルは現在の27ドルに相当するというから、奴隷一人に仮に800ドルとして、今のレートで21600ドル、日本円で260万円位だといえる。だから富の象徴が奴隷だったのだ。奴隷の家は小さいもので6畳ほどの広さに一家7-8人程度が住んでいたという。勿論ベッドなどあるはずがない。(写真 slave’s house)
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ニューオーリンズに戻る途中に「スーパードーム」が観えた。1977年完成のドームは「東京ドーム」の3倍あるという凄い大きさだ。8万以上の席を満席にしたのはイギリスのロックバンド「ローリング・ストーン」だけだったという。ここはNFLの「ニューオーリンズ・セインツ」のホームスタジアムだ。プレシーズン・マッチは4戦全敗だったという。ここに「ハリケーン・カトリーナ」の災害の時に避難所が設けられていたことはまだ記憶に新しい。(写真 super dome)
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夜はまたまた「バーボン・ストリート」に出掛け、老舗レストランの「アーノーズ」を訪れた。料理も勿論美味かったが、3人の高齢者のバンドが印象的な演奏をしてくれた。ジャズとはこういうものかと知らされた一夜だった。(写真 trio band)
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最終日のヒューストンは次号にてご紹介します。
アメリカ南部から勢古口がお送りしました。