「癌闘病記ー第19回」「肝臓癌は拡大していた」

「癌闘病記―第19回」
「肝臓癌は拡大していた」
私は30歳の時に喫煙を止めた。それまで一日に60本吸っていた。1年前肝癌宣告を受けてから飲酒を止めた。大好きだった飲酒は連日焼酎で3合近い量だったが、翌日から100%止めた。
友人の一人は「意志が強い」というが、ある友人は「頑固一徹、近視眼的一点主義」と言う。まあ何故こんなバカなことをしてきたのかと自分でも呆れる。
そしていよいよ検査結果発表の日となった。

ガガーン!がっくり!

結果は?
2月に実施したMRI検査と今回5月の検査結果を比較したところ、肝細胞癌は拡大していたとのことだった。
MRIレポートによれば、「多発HCCが知られており、S5/6のHCCに対しDEB-TACE後、化学療法後です。両葉のHCCは全体に増大しています」とのことだった。
よって医師からは現状の投薬ではなく、新薬を使った点滴に変えたほうが良い。但し初期の患者には効果がある点滴だが、治療が進行してからの患者に効果があるかは分からないとのことだった。もう対応方法が限られつつあるとの残酷な話しだった。新薬は自己免疫力を増すもので、免疫力で癌を抑えるということだという。今更嫌ですと言っても仕方がないので、来週から点滴を開始することにした。

ひょっとしたら癌は縮小しているのではないかとの淡い期待は裏切られた。徐々に選択肢は狭まりつつある。それに伴い私の寿命も先が見えつつあるのだろうか?
実は余りのショックで新しい点滴薬の名前を聞くのも忘れてしまっていた。それほどの衝撃だったということだ。恥ずかしいが数日ショックから回復出来なかったと告白しておこう。
命ある限り抵抗していくつもりだが、挫けそうになりそうだ。頑張らなくてはなるまい。
思い付くのは「万事塞翁が馬」と言う言葉。なるようにしかならないと諦めるか。
来週からは点滴が始まる。副作用はどうなるのやら。一方大腸内視鏡検査のサンプル採取では全く問題なく通常の組織だった。従って2014年からほぼ毎年行って来ていた大腸内視鏡検査はもうする必要がないと医師から伝えられた。

以上、今年も暑い夏になりそうな東京から㔟古口がお送りしました。
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次は前週のJ REPORTに続きます。