「癌闘病記ー第11回」

「癌闘病記―第11回」
昔部下だったW君から電話があった。私の病状を心配しての電話だった。実は彼の奥様は10年ほど前に若くして癌で亡くなっていた。当初は乳がんだったが、その後肝臓癌になったという。そんなこともあり私の癌も切除したらどうかと何度も電話を頂いていた。双子の娘さんもそれぞれ独立して今は私と同じように孤独な一人暮らしだから余計心配してくれているのだ。ありがたいことだ。
断酒してほぼ一年が経つ。あれほど飲んでいた酒を止めてから一滴も飲んでいない。また呑みたいとは思わない。
抗癌剤の影響があるものの、どうやら食欲はあり食事はきちんと食べられているので助かる。
でも大腸がんの疑いも浮上し、体力の衰えも酷く、頭の痛いことばかりだ。
とは言え、口内の状態は悪化の一途を辿っている。舌は乾燥するとつばも飲み込めないし、勿論辛い物熱い物は相変わらず駄目だ。従ってアイスクリームばかり食べて舌を冷やしている。一番食べ易いのが寿司なのだが、山葵は厳禁で生姜も駄目だ。まるで子供だね。
不満を述べても仕方ないので、一日でも永く生きることに努める。
以上、春本番となった東京から㔟古口がお送りしました。
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次は前週のJ REPORTに続きます。