「美しい住宅へ」

「美しい住宅へ」
これは本のお話しだ。本の題名は「美しい住宅へ」、著者は「横河健」氏。彼は私の中学校時代の同級生だ。作家ではない。建築家なのだ。彼は著書によると幼いころから建築に目覚め将来は建築家を目指していたといい、大学は母校から離れ他校に進んだ。アメリカはワシントン州立大学への留学を含め、色々な経験を経て、数々の個人の住宅や別荘、また公共施設等の建築の設計を行って現在に至っているという。ある意味建築家の一方の旗手でもある。
私が彼の著書を読み感じたことは一言「脱帽」だった。実にち密な設計思想と施主の将来を見据えた考え方捉え方から描き出す世界は本当に素晴らしく、私自身こんな家に住んでみたいと感じるものだった。建築をただ単なる箱から脱却させ、そこに住む人を如何に幸せにするかというのが彼の根底にある優しさなのだろうと私は推察したのだった。それと光の捉え方がまた素晴らしい。フェルメールの絵画にあるような光の魔術師の一人だといえよう。
昔の思い出に、彼の父親がアメリカ出張時に購入してきてくれたという、当時売り出したばかりの「ビートルズ」のLPレコードを貸してもらったことだ。あのレコードに魅入られて、それ以来ビートルズの大ファンになったのは勿論だった。
この本は専門家向けの本ではない。素人が読んでも彼の思想に感銘を受けること間違いないお勧めの本の一つだと言えよう。
因みに発行元は「左右社」である。