「指物師」

この写真も「江戸東京博物館」に展示されていたものを撮ったのだが、ここに江戸時代の町人の生活が縮図となっているので紹介しておこう。江戸時代の江戸と言う町は、いつの頃からか「百万人都市」となり、世界一の大都会だった。そこには「水道水」も「木製の管」で運ばれ、非常に便利にそして衛生的になっていたという。そして町人、ここでご紹介するのは「指物師」で木や竹を使って色々な道具類を作っていた人だ。典型的な江戸の町の「長屋」だ。部屋は一間、入口に土間があり、竃(へっつい=かまど)があり、水を貯めている壺がある。ここで煮炊きをする。部屋は精々6畳間くらい。ここで寝起きも仕事もするのだ。布団は風呂敷に包んで天井から吊るすのが当たり前。江戸時代は火事が多かったので、家具は殆ど持っていない。なぜならばすぐに火事で焼き出されてしまうからだ。だから道具類はレンタルが殆どだったらしい。こんな長屋に暮す人々。「江戸っ子は宵越しの金を持たない」と言われた所以は「火事」が原因だったらしいのだ。火事で失ってしまうのなら、使ってしまえという論理だったらしい。「一両」(今の価値で約10万円)で家族4人が一月暮らせたというのだから、まあそれなりの暮らしをしていた江戸の人たちでした。

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