「牛タンの利久」

「手前勝手世界食物語、第614話」
「牛タンの利久」
昭和40年代の仙台には「牛タン焼き」という料理があった。いつも行く店は国分町の三越の裏の「太助」だった。厚切りの牛タンを豪快に焼く店で、仙台一の味だと思っていた。ところが東京に転勤してきて青山の紀伊国屋に行ったら、牛タンはあったが、タンシチュー用の牛タンだった。そこで紀伊国屋の人に薄切りにしてもらい、自宅で牛タン焼きにして食べたことを思い出した。
その後、太助は姉が全国展開し、弟は老舗の暖簾を守るという具合に道を分かれていった。その隙間を狙って伸びたのが「利久」なのだろう。今では仙台一の牛タンは利久だというようだ。
そんな利久も都内に数件あるが、東急プラザ銀座店にある利久に久し振りに行った。値段も質もかなり悪くなっていた。価格は8枚きりで2900円だし、牛タンも薄くなって且つ小さくなっていた。(写真:利久の牛タン)
牛タンの上がりの影響なのだろうか?
まあ麦飯にとろろを掛けてそれなりに美味しくは食べました。牛タンの値上がりはいつまで続くのだろうか?
以上、寒中の寒さの東京から勢古口がお送りしました。