「暑い夏」
夜9時の有楽町マリオン前、道路反対側のある温度計は未だに「29度」を示していた。本当に暑い夏だが、江戸時代とは恐らく数度以上違っていただろう。我々の子供時代を考えてみても、そんなに暑い夏があったという記憶はない。クーラーも扇風機もなく夜は寝ていたし、また寝られた。それにつけても江戸時代が羨ましい。
「江戸の庶民の生活は楽だったか?55」
「大名や高禄な旗本らの相手の名前の呼び方」
彼らは実名で呼びあわない。実名とは「いなみ」といい、「いなみ」は「忌み名」から来ているので、相手を呼ぶ場合は「通称」で呼んだという。「官名」があればそれで呼ぶ。例えば名奉行で有名だった「大岡越前守忠相(ただすけ)」は、本名は「忠相」だが、呼ぶ時は「越前守」ないし「越前」と呼ぶらしい。例え将軍でも越前と呼んだらしい。更に詳しく述べると、大岡家は「源平藤橘(げんぺいとうきつ)」(血筋の元)では、「藤原氏」なので、正式には「大岡越前守藤原忠相(ふじわらのただすけ)」となるらしい。だから徳川家康は自分で書類に記名する時には「源家康(みなもとの)」と書いていたらしい。中々面白い。