「茂木家美術館の北斎名品展」

「茂木家美術館の北斎名品展」(北斎没後170年記念)
今、「すみだ北斎美術館」で開催中の掲題北斎展に行ってきた。
茂木家は野田醤油「キッコーマン」の創業家だ。改めて北斎の天才性を確認した。(写真:H1)H1
常設展には北斎と娘のお栄の像があるのだが、実にこれが動くのだ。まるで本物がそこにいるようだ。(写真:H2)H2
会場内は勿論撮影禁止なので、「北斎マスターピーゼズ」という本を買ったので、そこから抜粋してみる。
「富嶽三十六景」からまずは「江戸日本橋」(写真:H3)H3
日本橋を手前に江戸城が見え、その後ろに聳え立つ富士山。遠近法が使われているが、実際には富士山は日本橋からはこの角度では見えないので、これは想像上の絵だとか。
次は「江都駿河町三井見世略図」(写真:H4)H4
三井越後屋の店舗と店舗の間から見た富士山。実際にこのように見えたようです。
「東都浅草本願寺」(写真:H5)H5
「深川万年橋下」(写真:H6)H6
「甲州石斑沢」(写真:H7)H7
鰍沢のことで甲府盆地を流れる釜無川と笛吹川が合流し富士川になる地点。漁師の体と投網が造る三角形と富士山の稜線が相似形となっている。
「甲州三島越」(写真:H8)H8
三島越とは石和宿から山中湖、御殿場を経て三島へと至る道。旅人が大きな樹木の周りで手を掲げて大きさを感じている姿が面白い。
「遠江山中」(写真:H9)H9
静岡西部の山中での木挽きの様子。大きな角材とそれを支える丸太で大小の三角形が形成され、丸太の三画の間から富士をのぞかせている。色々な人物が描かれている。
兎に角、北斎の描く世界は、構図が優れているし、こんな見方が出来るのだと私のような凡人にはとても思いつかない発想が素晴らしい。2008年にスペイン・バルセロナを訪れた時にたまたま「北斎展」が開かれていて、沢山の人が集まっていたのを思い出す。19世紀後半のヨーロッパ画壇に与えた北斎の影響力の大きさに触れたような気がした。
以上、またまた水害の恐怖に慄く東京から勢古口がお送りしました。