「癌闘病記ー第17回」

「癌闘病記―第17回」
何度目かのMRI検査を受けた。MRIは造影剤を使った上に強力な電磁波で身体内部を探る装置で、筒状の中に入れられるので閉所恐怖症の方は困るだろうが、私は高所恐怖症ではあるものの閉所は大丈夫なのだが、約30分大きな音を浴びせられる苦痛の検査ではある。さて結果は2週間後に医師から聞くのだが、癌細胞は大きくなっているのか、それとも縮小しているのか、はたまた同じ大きさなのか、心配な限りだ。
病状時代は抗癌剤の副作用も克服して元気にはなっており当面問題はなさそうだが、MRIの結果待ちということだ。但し副作用の口内炎的な刺激物や熱い食べ物は食べられないということは変化がない。
先日家族で食事した際に辛い物の話しが出た。子供たちが小さい頃から我が家では辛い物を食べさせていた。インドカレーの名店「アジャンタ」が九段坂上の靖国神社前にあった頃、この店はインド大使館が近いこともあり本格的なインド料理を食べさせてくれていた。私自身学生時代にこの店のカレーを食べて口がひん曲がる位の辛さに閉口したが、慣れて来るとこれが実に美味いことに気が付いた。当然子供たちも幼い頃からこの店の本格的辛さを経験させていたから、今でも子供たちは辛さには慣れっこになっている。慣れとは恐ろしいものだ。ところが今は私がこの辛さが全く駄目になってしまったから皮肉なものである。タイ料理もエスニックも大好きなのだが、これも駄目。四川料理も大好きだがこれも全く駄目。ああ,情けない。これが癌患者の現状なのだ。香辛料は殆ど全てが駄目で山葵も生姜も駄目なのでした。
以上、春なのに夏のような暑さの東京から㔟古口がお送りしました。
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