映画館

映画館も「計画停電」の影響から平日の興行は余り当てにならない。中止の劇場も多い。夜は大概やっていない。

映画「トゥルー・グリット」(TOHOシネマ六本木にて) 私的批評眼(J’CRITICAL EYE)★★★★★(今年41作目)
本格的な西部劇には久振りに出会った。今年のアカデミー賞に10部門でノミネートされた作品だという。19世紀末のアメリカは西部。父親を無法者に殺された少女14歳は会計係、非常にしっかり者でお金にも締まり屋、古手の商売人勝りだった。父親の敵を討つため連邦保安官を雇い、テキサスレインジャーと3人で無法者を追いかけるというもの。古き良き時代の西部劇を見せて貰った。必見ですよ。題名は「真の勇者」

映画「神々と男たち」(銀座シネスウィッチにて) 私的批評眼(J’CRITICAL EYE)★★★(今年42作目)
非常に前評判の良い映画だったが、ちょっとばかり日本人には難しいかもしれなかった。1960年代のフランス植民地下のアルジェリア。小さな町にあるキリスト教の修道所。そこでは住民のイスラム教徒とキリスト教徒の修道士たちが共存し、互いに尊敬し助け合って生きていた。そこへイスラム過激派が乗り込んできた。信仰を捨てここから逃げてフランスへ戻るか、それとも残って死を覚悟し殉教者になるのか選択を迫られた修道士たちの生き方が主題だ。宗教心のない私など、なぜ逃げないのか?という疑問しかわかなかった。カンヌ映画祭最優秀作品。

映画「落語物語」(東劇にて) 私的批評眼(J’CRITICAL EYE)★★★★(今年43作目)
こんなに面白い映画だとは思わなかった。お話しは単純、ある夫婦者の落語の師匠の内弟子に入った青年の修行中の生活を描く。そこにある人間愛と師匠たちの夫婦愛が微妙に絡み下町情緒を醸し出す。手軽に笑えて泣けるいい映画でした。

映画「アメージング・グレース」(銀座テアトルシネマにて) 私的批評眼(J’CRITICAL EYE)★★★(今年44作目)
1796年のイギリス議会。奴隷制度反対を唱える若手政治家の半生を描く。アフリカからジャマイカに連れて行かれる奴隷達の悲惨さを訴え、人間の平等を説き、奴隷ビジネスによって利益を上げている人たちとの永い戦いの末、遂に奴隷制度廃止を獲得するという感動のお話しです。題名はスコットランドの民謡に奴隷反対の歌詞を歌い込んだ物だそうです。

日経新聞3月25日夕刊の「シネマ万華鏡」の評価によれば、「トゥルー・グリット」が4つ星、「ザ・ファイター」が4つ星、「ランウェイ・ビート」が3つ星、「わたしを離さないで」が3つ星、「ファンタスティックMr.FOX」が4つ星、「チャットルーム」が2つ星、「ジョージとタカオ」が4つ星でした。

「シノプスシ116」(読書シリーズ116)
本「ひとり膳」(和田はつ子著、ハルキ文庫) 私的批評眼(J’CRITICAL EYE)★★★★(今年63冊目)
「料理人季蔵捕物控」第12弾。一膳飯屋「塩梅屋」の料理人季蔵がまたまた活躍。季節の料理が楽しい。

本「小夜しぐれ」(高田 郁著、ハルキ文庫) 私的批評眼(J’CRITICAL EYE)★★★★(今年64冊目)
「みをつくし料理帖」シリーズの第5弾。大阪で洪水に合い江戸に来た娘「澪」は小料理屋「つる屋」の料理人として腕を磨く。吉原の粋人の桜見物の料理、友達の「美緒」の婚礼料理等に人並み外れた冴を見せる。

本「妖かし斬り」(風野真知雄著、角川文庫) 私的批評眼(J’CRITICAL EYE)★★★(今年65冊目)
月村四じゅう郎の渾名は「からす四じゅう郎」、いつも3匹のからすに付きまとわれている。理由は上野でからすを切ったこと、どうもその仇討ちらしい。浪人の彼の仕事は「妖怪退治」、新しいシリーズが始まったその第一弾。

本「青春の門 第7部 挑戦編」(五木寛之著、講談社文庫) 私的批評眼(J’CRITICAL EYE)★★★★★(今年66冊目)
涙を流しながら読んだ。25歳になった主人公の「伊吹信介」は北海道は江差にやってきていた。そしてそこで出会う人々との触れ合い、好きになった少女「襟子」らと遂にロシアに渡ろうとする信介。一方、幼馴染の「牧織江」は歌手として独り立ちし始めた。時代は1960年から61年。人の出会いと別れ、正に信介にとっても織江にとっても挑戦する時代だった。涙なくしては読めなかった。

本「悪の教典」上、下(貴志祐介著、文芸春秋刊) 私的批評眼(J’CRITICAL EYE)★★★★★(今年67、68冊目)
上巻434頁、下巻411頁の超長編物だ。読み始めはある私立高校の教諭と生徒達の学園物語かと思っていたら、筋書きがどんどん進むに連れて引き込まれるように読み続けて、あっという間に読み終えた。久々に満足感を味わった。京都大学法学部中退、ハーバード大学卒にてMBA取得のかっこいい男性英語教師はクラスの生徒達からも好かれていた。だがその本当の姿は誰にも、いやごくごく一部の生徒にしか分からなかった。恐ろしいドラマが展開する。

本「指切り」(藤井邦夫著、文春文庫) 私的批評眼(J’CRITICAL EYE)★★★★★(今年69冊目)
「養生所見廻り同心 神代新吾事件簿」という新しいシリーズ。小石川の養生所に奉行所から派遣されている主人公が活躍するもの。

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