「J REPORT 2011 6月第1週号」
「リタイアメント・ノート 2年12ヶ月目」 「VOL.682 SINCE AUG. 12th、1983」
「亀戸天神と東京スカイツリー」
錦糸町から歩いて「亀戸天神」に行った。既に「藤の花」の時期は過ぎており、藤棚は青葉に覆われていた。それでも神社は実に清々しい。池の上に架かった「太鼓橋」の上から「東京スカイツリー」が見える。もう最高峰の634mに達していて内装等の工事が進んでいるようだが、まだ外側には大きなクレーンが4機動いていた。ニュースによると日立のエレベーターが震災の影響で納期遅れを起こすらしい。従って来年春の開業が遅れることもありうるそうだ。さて、ここ亀戸天神は正月明けには「鷽替え神事」があり、4月には「藤まつり」もあり多いに賑わう。去年買った「鷽鳥」を新しいのに買い換えて古いのを神社に納める。「凶もウモノなり、吉にトリ替わる」という「縁起物」で、木で出来た鷽鳥を買い求める人で1月24日25日は多いに混むのだ。亀戸と言う位だから、勿論この神社の池には「亀」が住んでいる。この辺りは江戸時代はきっと湿地帯だったのだろうと思って江戸時代の古地図を観てみると、周囲は掘割が張り巡らされ、神社の西から南にかけては「大名や大身旗本の下屋敷」が連なり、東側から南側にかけては「亀戸村」となっていて畑になっているから、江戸近郊の野菜産地だったのだろう。
話しは戻るが、東京スカイツリーをよく観てみたらなんとクレーンが3本に減っていた。もう既に一機撤去されていたのだ。早いねえ。
「写楽展」
上野の「東京国立博物館平成館」で開催中の「写楽展」に行って来た。身障者の特典で入場料は勿論無料、500円のイヤフォンガイドを借りて江戸時代最も活躍した浮世絵師の一人である写楽を堪狽オた。実は最近小説で「歌川国芳」の物語を読んでいたので余計興味があった。写楽が活躍したのは寛政6年(1794)から同7年に掛けてのたった10ヶ月だったという。10ヶ月で消えてしまった不思議な浮世絵師。主な作品は「歌舞伎役者」の「大首」と言われる顔を描いたものと、「立ち姿」だ。面白いのは同時代の浮世絵師「勝川春英」と「歌川豊国」らとの競作だ。同じ題材、同じ役者を描いたものを並べて比較してあるのが素晴らしい。必見の価値が有る。だが残念なのは大半が海外の美術館が所有しているものなのだ。当時の浮世絵はいわば現代のブロマイドみたいなもので庶民に人気はあったものの文化財としては認められていなかったために当時から多数が海外に流失してしまい国内では保存されにくかったという事情があったらしいが、実に残念である。まあそれでも海外にあるということで納得しよう。写楽は「東洲斎写楽」というのが正しい名前。浮世絵は「版元」「絵師」「彫り師」「刷り師」の4人がいないとできない芸術だという。6月12日までなのでお早めに行かれることをお薦めする。