映画

映画「一枚の葉書」(ヒューマントラストシネマ有楽町にて) 私的批評眼(J’CRITICAL EYE)★★★(今年138作目)
戦友から預かった一枚の葉書はその戦友宛に届いた故郷の妻からのものだった。返事が検閲で書けない戦友は「自分が戦死したら、この葉書を妻の元に届けて、確かに読んだと伝えて欲しい」とのことだった。そして全ての配属先は上官の籤引きで決った。戦友は死んだ。男は生き残り、戦友の妻を尋ねると、そこには実に運の悪い女がいたのだった。新藤兼人監督の恐らく最後の作品となるのだろう。

映画「ツリー・オブ・ライフ」(TOHOシネマ六本木にて) 私的批評眼(J’CRITICAL EYE)★★★★(今年139作目)
カンヌ映画祭最高賞獲得。キリスト教的倫理観を持って、神とは生命とは人類とは愛とは何か?を問うもの。独特のカメラワークと人の眼丈の視線で捉えた画像が実に美しい。1950年代のテキサスの田舎町に住む少年3人兄弟の長男と、独善的な父親との愛憎関係を描く。見方によっては理解出来ない部分もあるかも。だが長男を演じた少年の演技が素晴らしかった。必見の映画です。

映画「メカニック」(ユナイテッドシネマ豊洲にて) 私的批評眼(J’CRITICAL EYE)★★★(今年140作目)
メカニックと呼ばれるプロの暗殺者のお話し。痛快な動きでどんどん暗殺を実行してしまう手際のよさとスリリングな活躍に暑さを忘れさせてくれた。

映画「ペーパーバード 幸せは翼にのせて」(銀座テアトルシネマ豊洲にて) 私的批評眼(J’CRITICAL EYE)★★★★(今年141作目)
フランコ総統支配下のスペイン。全体主義が国を覆う。戦争で妻と子どもを亡くした喜劇役者、同じく戦争で母を失った子ども。彼らは偶然に同じ劇団で働くことになる。子どもは子役として喜劇に出る。そこで起こる悲喜劇、最後は涙、涙の感動ドラマ。良い映画でした。原題のペーパーバードとは紙で折った鳥のこと。子どもが作ったもの。

映画「未来を生きる者たちへ」(日比谷シャンテシネマ豊洲にて) 私的批評眼(J’CRITICAL EYE)★★★★(今年142作目)
主題は「沫ヘ」にどう対応するか?ということ。デンマークの中学で虐めにあっているスゥエーデン人の少年と転向してきたばかりの少年は遂にいじめっ子に逆襲する。一方、虐められていた少年の父親は医師でアフリカで難民キャンプで働いている。そこで次々と起きる妊婦殺人事件。だが偶然犯人のブラックマンという「ならず者達」の首謀者が運び込まれてきて怪我した足を治せという。周囲の人は殺人者だから治す必要はないというのだが、医師は患者として扱う。医師はデンマークに帰国したが、あることがあり子供たちの前で乱鮪メの男に殴られるが反撃しない。そんな沫ヘの応酬を嫌う医師。だが息子達は乱鮪メに復讐しようとするのだった。なかなか考えさせられるいい映画でした。

映画「雨に唄えば」(日比谷ミユキ座にて) 私的批評眼(J’CRITICAL EYE)★★★(今年143作目)
1920年代、アメリカ映画界にトーキーの時代が訪れた。無声映画からトーキー映画への切り替え時に起こった事件をミュージカル風に描く。歌は良く知っていたが、映画がこのような内容だとは知らなかった。流石ハリウッド。

映画「この愛のために撃て」(有楽町スバル座にて) 私的批評眼(J’CRITICAL EYE)★★★(今年144作目)
パリで富豪が暗殺された。その犯人とされた男が交通事故で入院した。そこで働く看護士の妻が何者かに誘拐され、妻を殺されたくなければ、入院している男を密かに連れ出せと命令される。そして何とか男を連れ出すのだったが、警察に追われパリの街中を逃げ回ることになる。なかなか見ごたえのある映画でした。

日経新聞8月19日夕刊の「シネマ万華鏡」の評価は、「ハンナ」が4つ星、「サヴィヴィングライフ」が4つ星、「カンフー・パンダ2」が2つ星、「イースターラビットのキャンディ工場」が3つ星、「シャンハイ」が3つ星、「うさぎドロップ」が3つ星、「リメンバー・ミー」が3つ星でした。

「シノプスシ138」
本「三人羽織」(井川香四郎著、)講談社文庫 私的批評眼(J’CRITICAL EYE)★★★(今年241冊目)「梟与力吟味帳」シリーズ10作目
本「闇夜の梅」(井川香四郎著、)講談社文庫 私的批評眼(J’CRITICAL EYE)★★★(今年242冊目)「梟与力吟味帳」シリーズ11作目
北町奉行所の吟味与力「藤堂逸馬」ら3人が江戸の悪を魔ュ。

本「旧主再会」(佐伯泰英著、)幻冬舎文庫 私的批評眼(J’CRITICAL EYE)★★★(今年243冊目)「酔いどれ小藤次留書」シリーズ16作目
老年の域に入ろうという年寄りの「赤目小藤次」、今度の事件は信州は「松野藩」のお家騒動だった。信州路に旅立つ彼の前にはまたまた危機が。

本「淡路坂」(藤井邦夫著、)文春文庫 私的批評眼(J’CRITICAL EYE)★★★(今年244冊目)「養生所見廻り同心 神代新吾事件覚」シリーズ4作目
「小石川養生所」が担当の北町奉行所の同心「神代新吾」の活躍を描く。

本「母子草」(今井絵美子著、)角川春樹時代文庫 私的批評眼(J’CRITICAL EYE)★★★(今年245冊目)「立場茶屋おりき」シリーズ8作目
品川宿で料理宿屋と茶店、蕎麦屋を経営する2代目おりきを中心にして季節の料理を生かしながら江戸の暮らしを描く。

本「彼岸花」(宇江佐真理著、)光文社文庫 私的批評眼(J’CRITICAL EYE)★★★(今年246冊目)
いつもながら女心を美しく描く下町人情話し6話。

本「眼に見えぬ敵」(八木忠純著、)文春文庫 私的批評眼(J’CRITICAL EYE)★★★(今年247冊目)「喬四郎 孤剣ノ望郷」シリーズ5作目
敵討ちを目指す有馬喬四郎を次々と襲う敵を破り続けるのだが。

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