「手前勝手世界食物語、第228話」

「鰻の登亭」
太るから止めるべきなのだが、どうしても鰻を食べたくなった。そこで銀座4丁目和光の裏にある「登亭」に行った。それなりに安い鰻を食べさせてくれるが多分輸入の養殖物だろう。仕方がないがこればかりは値段との相談だから、国産の天然物を食べようと思えば4桁の金額を払えばいいだけで、安く美味しくとはそうは簡単にはいかない。不思議なもので「鰻」の値段は、大きさで付けられているようだ。本来ならば鰻の味や質で決るはずなのだろうが、全てが輸入か国産でも「養殖物」ばかりだろうから、味も質も同じということだろうから、大きさが値決めの最大の要素になる訳だ。だがよく考えてみると鰻を扱う技術と言うのはどうなっているのだろうか?鰻を「捌き」「串に刺し」「蒸し」「焼く」と言う行程を経ている訳で、そこに職人の技術が入っているからこそ、美味しさの良し悪しがあるだろうに。何とも納得しがたい鰻屋さんの現状でした。両国にあるそれこそ「両国」という名の店では、昔ながら客から注文が入ってから、串刺しされていた鰻を蒸す。そして蒸し上がった鰻を炭火でタレを付けながら焼く。従って捌きからではないものの時間が掛かる。まあ最低でも30分近くは待たされる。それ位気持ちの余裕がないと食べられないのが鰻だ。昔は多分注文が入ってから捌いたと思う。今は注文、即出てくる。焼いてあるのを暖めて出すだけならばそれは早いだろう。それでも鰻は美味しいから止められない。
以上、鰻好きの勢古口が東京からお送りしました。

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