第六日目

第六日目 5月23日(水曜日) 2?2
「西部は田舎だ」。これに尽きるといった感じだ。逆に言えば「古き良きアメリカ」が残っているというべきなのだろう。通信事情が極端に悪い。インターネットはホテルから出来るのだが、携帯電話が町を離れると「圏外」と侮ヲされ通話通信全て不可狽ニなる。折角「海外ポケ放題」で「AT&T」に垂オ込んであるが、圏外になるからどうしようもない。まあ、考えてみればそれも当たり前かも知れない。日本の26倍の国土があるのだから、日本みたいに山岳遭難者でも携帯で救われるという訳にはいかないのだろう。それにしても困った。国立公園内は殆ど通話不狽セ。話しは変わるが、アメリカには軍隊が4軍ある。「アーミー」「ネイビー」「エアフォース」「マリーン」だ。それ以外にも「州兵」がいる。これは日本の自衛隊のようなもので「災害派遣」「俣ョ対策」等内向きな活動で濫 ???ノ編入されていて、「すわ鎌倉」という時には軍隊に召集されるらしい。不思議なのはGASOLINE価格だ。レギュラーが大体ガロン$3.7程度で、ディーゼルが10%近く高いのだ。日本や欧州ではディーゼルのほうが安い。聞いてみると税制の違いのようで製造コストはディーゼルのほうが高いらしいから、それを基準にした自由価格だという。米国はガロン単位の価格だから、リッターに直すとほぼ1ドル/Lとなる。西部では車は圧倒的に「日本車」が多い。ある駐車場では8割が日本車だった。トヨタ、ホンダ、日産、マツダ、三菱と多種多用だが、やはりトヨタとホンダが群を抜いていた。北米の自動車ディーラーは「現品在庫販売」だそうで、だから震災やタイの洪水で在庫がなくなった日本メーカーの販売が不振になった訳だ。日本のように注文生産ではなく、見込み生産してそれを現物で買うのが米国式らしい。さて中西部の「穀倉地帯」は実は水が殆どない地区なのだ。そこで川からの灌漑は勿論だが、砂漠地帯ではもう60年も前から「井戸水」が汲み上げられて灌漑用水として使用されてきていた。実は砂漠には雨は殆ど降らないから、この井戸水の水源は「化石水」といって大昔に地下水脈に溜まったものだという。推定ではあと20年ほどでなくなってしまうという。大水流を誇っていた「コロラド川」も水量は半分ほどになっているという。このままではアメリカの農業は大打撃をこうむる可柏ォもある。未来は決して明るくない。更に今話題の「シェールガス」の発掘には「大量の水」が必要だ。果たして人類の文明を支えてきた「水」は足りるのだろうか?「否、絶対に不足する」。
今日は第六番目の「メサ・ヴェルデ国立公園」に行く。スペイン語で「緑の丘」という意味で真平らな丘の数百メートル下に削り取られた谷間が広がっている場所で、先住民族たちが1000年以上前に住んでいた住居跡が岩場に掘られて残されていた。丘の上で耕作をし、崖の中腹の土手に穴を開けて住居として暮らしていたらしいが、その後彼らの行方は不明だという。子孫は多分インディアンだろう。その後インディアンである「ナバホ族」の居留地に向かう。そこに第七番目の観光ポイントの「フォー・コーナーズ」という場所がある。4つの州の境界線が一つに交わる点がそれだ。「ユタ」「コロラド」「ニューメキシコ」そして「アリゾナ」の4州が一点で重なっているのだ。この日は強風で「砂嵐」状態だった。アリゾナの「カイエンタ」というナバホ居留地内の町に入るまでは100m先も見えない位の状態だった。正に砂漠の世界だった。この地区の土は「砂岩」で非常に脆いので風化し易い。砂岩は東京日比谷の「帝国ホテル」の外壁に使われているので思い出して欲しいが、赤茶けた色の岩だ。だから砂漠の中に大きな山がところどころ残されている西部劇特有の風景を醸し出しているのだが、これらは皆砂岩が風化したあとという訳だ。

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