2012年6月22日(金曜日) 第九日目

ジュネーブの朝、国際機関が多く集まる「レマン湖」湖畔の街だ。早朝5時半から外出していた2人がホテルに戻ってきた。本日より泊まるホテルのチェックインを既にしてきたという。朝食後早速移動を開始。ジュネーブには外国から来た旅行者には「ジュネーブ・トランスポート・カード」なる無料パスをホテルが発行してくれる。公共交通機関である「バス、ライトレール、近郊電車、船」がただになるというものだ。バスを利用して都心へ出て、まずは「市内観光バス」に乗ることにした。待合所で私一人が残り二人の荷物(リュック二つ)を預かって椅子に座っていた。右手が大きなガラス窓、その一番ガラス側に私は据わり、左手の椅子にリュックを二つ置いておいた。自分のリュックは右手のガラスと私の座っている椅子の間に置いた。するとガラスをノックする背広姿でネクタイサングラスをした中年小太りの男がしきりに私を見て指で向こうのほうを示す。何かと思ってその指のほうを見た。だが不可思議なので左手を見るとリュックの一つがない。慌てて立ち上がり振り向くと別の男が一人荷物を片手に歩み去ろうとして、待合室のドアから出るところだった。私が大声を上げて追いかけるとドアの外側にリュックを捨てて走って逃げた。私も走ってリュックを確保、直ぐにガラスのほうを見たが、外にいた男もいなくなっていた。危なかった。置き引きに合うところだった。二人が帰ってきて事情説明したら、なんとリュックの中にはパスポートも入っていたという。本当に良かった。助かった。預かっていた私の責任だ。近くにいた日本人女性がたまたま写真を撮っていたのでその写真に犯人が写っていないか観て欲しいといわれたが、どうやらそうではなさそうだった。直ぐに待合室の係員の女性がやってきて被害状況を聞かれたが、荷物は盗まれなかったと説明すると、「警察に届けるので後で書類にサインしほしい」とのことだった。やがてバスツアーが始まる。ジュネーブ市内の国際機関の建物や、旧市街地を約2時間廻った。戻ると早速警察向けの書類にサインをした。中身は「私はここで泥棒に襲われたが、被害はありませんでした」という内容のものだった。昼食後、今度は観光船で「レマン湖」を一時間クルーズすることとした。綺麗な空と湖、周囲の町並みは古いヨーロッパそのもの。船が出る埠頭が「モンブラン」というので何なのだろうと思っていたら、なんとこの場所から本物の「モンブラン」が見えるのだ。勿論湖上からも雪を被ったモンブランとその一連の山々が見えたのには驚いた。感動ものだ。これで目指すスイスの山々を完全に快晴の空の下、観ることが出来た訳だ。私は今回はモンブランには行かないが、ジュネーブの湖畔から観たからよしとしよう。本当に今日は色々なことがありました。WHOに勤務する医師の案内でWHO内部の施設等を見た後、湖畔の日本食レストランで食事をした。医師は結核蘭h治療の専門家で東南アジアやアフリカで活躍しているらしい。結核の薬を作る製薬メーカーがなくなって困っているとのこと。需要と供給の関係だという。需要の激減がメーカーを生産中止に追い込んでいるが、世界から結核がなくなった訳ではないのだ。

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