山ボケ

「J  REPORT 2012 7月第2週号」
「リタイアメント・ノート 4年2ヶ月目」、
「VOL。748 SINCE AUG.12th、1983」
「レンブラントの自画像」
アムステルダムの「国立ミュージアム」には「レンブラント」と「フェルメール」の作品がある。ところが前々甲斐にも報告したとおり、フェルメールは「牛乳を注ぐ女」一作品しかなかった。そんなフェルメールだが、「東京都美術館」にあの有名な「真珠の耳飾をした少女」が来ている。11年振りの日本上陸だという。上野を訪れるのが楽しみだ。話しは戻るが「レンブラント」の自画像を見ていると、何だか親しみを覚えてくる。どこか暢気な叔父さんがいるような気がしてならない。一方、撮影禁止だった「ゴッホ美術館」には当然「ゴッホの自画像」もあるのだが、これはご存知のようにある意味狂気をはらんだ顔つきでやはり好きにはなれない。その点、レンブラントには穏やかな気質が浮ケれているように思えるのは私だけだろうか?その自画像、今回の「東京都美術館」にも出展されているという。楽しみだ。

「山ボケ」
ジュネーブで盗難に合う寸前の事件が起きたことはお話ししたが、その実、私たちは確かにスイスの山に魅了されて完全な「山ボケ」になっていたことは間違いない。私自身は特にヨーロッパは危険だと思っている。初めて出張でローマを訪れた時、コロッセオの前でジプシーの子供たちに囲まれたことがあった。この時は追い払ったが、泥棒が至る所にいるといつも注意警戒していた。それでもこの時の旅で同行者が地下鉄の中でスリにあって航空券を盗まれた経験がある。元同僚で何度も出張でヨーロッパへ行っていた者もパリでスリにあったという。だからヨーロッパはどこにいても要注意と思っていたが、今回のジュネーブでの未遂事件は今更ながら「山ボケ」していたと思って恐ろしい。彼等は数人のグループで、「注意を引く役」「物を盗る役」「その荷物を受け取る役」「邪魔をする役」と役割分担がされていたのだろうと思う。偶然盗まれて数秒後に気がついたから助かったが、もう数秒遅れていたら盗まれていたことに間違いなかっただろう。もう一度、ジュネーブでの事件をおさらいしておくと、金曜日の午前中だったが、その日一日市内観光するつもりで、「市内観光バス」に垂オ込みしてバスの待合所で私が椅子に座っていた。私の右側が大きなガラス窓で自分のリュックは座席とガラス窓の間に置いた。連れの二人は私の座席の左側、通路側の座席にリュックを置いて近くを観て回っていた。その時窓ガラスを外からノックする男がいた。サングラスをかけた小太りのスーツを着た男だった。そして盛んに自分の指でそこに停まっていたバスの後ろ側を指し示すのだった。何事か?と思って一瞬見ていたが、どうもおかしいので、左の座席を見ると二つあったリュックが一つ足りない。慌ててみると一人の男がリュックを手に待合所のドアから出て行くところだった。急に大声を出して追いかけた私。男はリュックを出口の外に落として逃げ去った。持ち去られそうになったリュックを回収して外を見たが、ガラスをノックしていた男もいなくなっていた。という次第の危機だった。

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