「手前勝手世界食物語、第283話」

「陸の旅と空の旅」
東北新幹線が走る。「陸の旅」と「空の旅」の違いは何か?僕はどちらも好きだが。空の旅にはない醍醐味が陸の旅にはある。それは一瞬の風景だ。空では殆んど外を見ても何も見えないのが普通だ。だが陸の旅には景色がある。風景がある。それが一番の楽しみでもある。だからたまには長い時間列車にも乗ってみる。すると景色が私を包み込むような気がする。これは空の旅には無いものだ。

「またまた北海道へ」
そんな17日の朝、「大人の休日倶楽部」の格安切符を手に、東京駅を発った。東北新幹線で一路「新青森」へ。途中「仙台」は雪でした。しかし北上するにつれて晴れてきて、盛岡より北は快晴でした。雪に覆われた「新青森駅」で「海峡線」に乗り換えて函館へ。だが、新青森駅の自由席は満席、どうなることかと思っていたら次の青森駅で大半の人は降りて列車は空いてきたのでした。摩訶不思議。青函トンネルと超えると快晴の天気。途中函館山が実に綺麗に見えた。津軽海峡も今日は晴天です。そして夕方には札幌に到着。いつも行く「すし処 ひょうたん」に行きました。ご主人に「お世話になります。お任せで美味しいものを食べさせてください」とお願いする。聞くと札幌を含む北海道は「36年ぶりの寒さ」だという。確かに街では地元の人が転倒しているのを目の前で観た。
まず出てきたのは、当たり前だが「お絞り」、これには「はっか」の香りがした。そして最初は「くらげの酢の物にいくら添え」、くらげが暖かいから驚きだ。ご主人の出身会津の名物料理の「煮物」には、「おふ、ごぼう、きくらげ、にんじん、なめこ」などが入ったものだ。身体が温まる。次が「白子と、もずくの酢の物」、この時期、「寒鱈の白子」が一番美味しいとのこと。これが出せるのは今月一杯だという。地元ならではの珍味だ。そしてご主人一押しが「牡蠣の洋風あえ」だ。若干火を通して茹でた牡蠣にケチャップ等をあえて洋風にしている。確かに美味しい。話しを変えて「わさび」について聞いてみるとやはりわさびは静岡や長野のを使っているという。北海道産は小さくて駄目だとか。次が「蝦夷あわびのステーキ」、これも実は北海道のあわびは小さいのだが、たまに巨大なものが手に入った時のみ出すことが可狽セというもの。今日はたまたま入ったという巨大あわびのステーキを食べたが、これが軟らかくて美味しい。味付けは洋風だが、鮨屋ではまずお目にかかることはないだろう。次が「灯台つぶ」、つぶ貝だが、「襟裳岬」で採れた巨大なもの、これまた珍味の極み。最後が「ほっき貝の紐の焼き物」。そしていよいよ「握り」です。「大トロ」「白身魚のこぶ〆」「ぼたん海老」「あおやぎ」「うに」「いくら」「いか」「〆さば」「サーモン」、「お吸い物」で終わりでした。やはり美味しかったです。都合12600円也。お銚子「男山」(旭川)は5合でした。いやあ、やっぱり札幌は美味しいねえ。冬の海の幸をまずは満喫しました。全国美味しい鮨屋を巡っている私だが、やはり美味しい店は美味しい。明日は函館の寿司を楽しむよ。さて店に「河童」の絵が飾ってあった。いわれを聞くと小樽出身の画家「小島政吉」さんという人の「牛」の絵を買った時に別途描いてくれたという。「商売屋には河童」だという。まあ「水商売で水が枯れないのが河童」なのだろう。納得でした。

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