「ポンペイ特別展」

「J  REPORT 2022 2月第1週号」 
「リタイアメント・ノート 12年8ヶ月目」
「VOL.1249 SINCE AUG.12th、1983」
「ポンペイ特別展」
上野の東京国立博物館で開催中の「ポンペイ特別展」は、「ナポリ国立考古学博物館」の至宝150点が一挙集結し公開されている。貴重なものばかりだ。私はナポリには2度、ポンペイにも1度訪れたことがあるが、今回の内容は我々観光客が決して目にすることがないものばかりだった。
西暦後79年、数日前から火山性地震が感じられていたというが、それは突然やってきた。当時の人たちの食事は朝はなく昼と夜の2回だけだったというから、多分昼の食事時だったのだろうが、ナポリの南にあるヴェスヴィオ山が大爆発を起こし火砕流が瞬時に南のポンペイを襲った。人口約1万人、ローマ帝国の植民地だったポンペイは一瞬にして地獄と化した。豊かな生活を甘受していたポンペイ。当時は大邸宅でなければ自宅で食事などしない。皆が料理屋か煮売り屋かパン屋での外食だったし、労働力は基本奴隷たちだった。当時の奴隷は決して近世の奴隷とは違い、例えばローマの人たちの家庭教師と言えばギリシャ人の奴隷だった。奴隷たちはお金を貯めれば自由を買うことも出来た。
それでは至宝の数々を見ていこう。平成館前の看板。(写真:B1)
「炭化したキビ、イチジク、干しブドウ、パン」(写真:B2)
絵は屋敷の壁や床に描かれていたもので、大半がフラスコ画かモザイクで出来ていた。モザイクは小さいのは数ミリ、大きいのは数センチの立方体で出来ていた。
「果物のある静物」(フレスコ)(写真:B3)
「雄鶏とカボチャ」(フレスコ)(写真:B4)
「パン屋の店先」(フレスコ)(写真:B5)
「金庫」(ブロンズ=よほどの金持ちか?凄い重量だ。)(写真:B6)
「ヘルマ柱型肖像」(大理石、ブロンズ)(写真:B7)
(写真:B8)
「エメラルドと真珠母貝のネックレス」(写真:B9)
「賃貸広告文」(ストウッコ)(写真:B10)
「エクマキア像」(大理石)(写真:B11)
「書字板を尖筆を持つ女性のネックレス」(フレスコ)(写真:B12)
「エピクロスの胸像」(ブロンズ)(写真:B13)
「哲学者たち」(モザイク)(写真:B14)
「マケドニアの王子と哲学者」(フレスコ)(写真:B15)
「ライオン形、3本脚モザイク天板テーブル」(写真:B16)
「ブドウ摘を表した小アシフォラ」(カメオ、ガラス)(写真:B17)
「金のランプ」(写真:B18)
「黒曜石の杯」(写真:B19)
「ビキニのウェヌス」(大理石)(写真:B20)
(写真:B21)
(写真:B22)
「パレード用の兜」(写真:B23)
「円形闘技場の乱闘」(フレスコ)(写真:B24)
「辻音楽師」(フレスコ)(写真:B25)
「俳優(悲劇の若者役)」(モザイク)(写真:B26)
「俳優(女性役、おそらく遊女)」(写真:B27)
「ポシュクトレイス(槍を持つ人)」(大理石)(写真:B28)
「フォルムの日常風景」(フレスコ)(写真:B29)
「アウグストゥスの胸像」(ブロンズ)(写真:B30)
「水道のバルブ」(青銅製)(写真:B31)
「ライオン頭部形の吐水口」(写真:B32)
「擬アルカイックのアポロ」(大理石)(写真:B33)
「食卓のヘラクレス」(ブロンズ)(写真:B34)
「女性犠牲者の石膏像」(写真:B35)
「バックスとヴェスヴィオ山」(フレスコ)(写真:B36)
「ポンペイ展」(写真:B37)
「猛犬注意」家の入り口の床に書かれている。(モザイク)(写真:B38)
「アレクサンドロス大王のモザイク」(写真:B39)
(写真:B40)
(写真:B41)
「ナイル川風景」(モザイク)(写真:B42)
(写真:B43)
「踊るファウヌス」(モザイク)(写真:B44)
「ヘビ形ブレスレッド」(写真:B45)
「イセエビとタコの戦い」(写真:B46)
「ネコとカモ」(モザイク)(写真:B47)
「スフィンクスのテーブル脚」(大理石)(写真:B48)
「葉綱と悲劇の仮面」(モザイク)(写真:B49)
「犬と猪」(ブロンズ)(写真:B50)
「ヘビ形噴水」(ブロンズ)(写真:B51)
「ライオン」(ブロンズ)(写真:B52)
「鹿」(ブロンズ)(写真:B53)
「円形火鉢」(ブロンズ)(写真:B54)
「竪琴を弾くアポロ」(ブロンズ)(写真:B55)
「祭壇」(写真:B56)
「犬(猛犬注意)の床の実物」(モザイク)(写真:B57)
「ユピテルとユノの聖婚」(フレスコ)(写真:B58)
「ブリセイスの引き渡し」(フレスコ)(写真:B59)
「イフィゲネイアの犠牲」(フレスコ)(写真:B60)
「ぺプロスを着た女性(踊り子)」(ブロンズ)(写真:B61)
「ポンペイの写真」(写真:B62)
「ヒョウを抱くパッカス」(大理石))(写真:B63)
「ぺプロス(ペプロフォロス)」(ブロンズ)(写真:B64)
「綱渡りのサチェロス」(大理石)(写真:B65)
いやあ、凄いものばかりですが、18世紀から始められた発掘は、今もなお続いています。どんな宝物が現れるやら。2000年の時空を超えた想像を絶する世界でした。
観光で訪れた時は街並みや市場、道路等々は見たものの、博物館的なものは全く見ることが出来ず、今回の特別展の有難さを痛感しました。是非ご覧ください。お勧めです。