「緊急入院Ⅱ」

「J  REPORT 2021 4月第4週号」
「リタイアメント・ノート 11年10ヶ月目」
「VOL.1208 SINCE AUG.12th、1983」
「緊急入院Ⅱ」
入院8日目(10日・土曜日)
朝から大型の点滴機材が持ち込まれた。これまでは1パック500ccの点滴を約2時間毎に取り替えていたが、大型機は、高カロリーの点滴を1日24時間連続投与出来、しかも機械がコントロールし、看護師の手は不要という優れものらしい。(写真:1)
しもの世話になるのにも慣れてきた。綺麗にしてもらいほっとする。
今日は「足湯」というか、お湯に足をつけ、洗いもみ解しあかを流してもらった。ほっとした。身体から力が抜ける。更に足の爪まで切ってもらった。極楽極楽。(写真:2)
沢山の方々からお見舞いや励ましのメールを頂くが、現状の体調では返信も出来ず、心苦しいがお許し下さい。
兎に角姿勢がままならず、片手打ちのため時間と体力がいるのだ。少し動くだけで体力消耗してしまう。

入院9日目(11日・日曜日)
本日から漸くベッドからトイレまでの歩行を許される。但し看護師の補助付きだ。やはりフラフラする。手摺に掴まりながらゆっくりと歩く。朝、入院以来初めて髭を剃る。市販のレーザーだからやはり剃り残しが多い。仕方ないか。それでもさっぱりした。(写真:3)
午前中に身体を綺麗に拭いてもらう。ほっとするひと時だ。今日の予定は特になし。月曜には「外科病棟」に移り、手術の準備に入る。
最後の食事は1日の夕食だったから、一体何日固形物を食べていないのだろうか?10日間だ。あばら骨が見えるようになってきた。点滴と氷の生活はもう少し続く。

入院10日目(12日・月曜日)
高カロリー点滴のために入れたワイアーは心臓近くまで通っているとのこと。もう飽きた。早く退院したい。でも無理だな。
髪を洗い髭を剃りさっぱりしたら、外科の担当医が来て説明があった。胆嚢が腫れて十二指腸を圧迫していて、食物が腸に流れていなかった。それで残された未消化の物を戻していた。胆嚢が十二指腸に張り付いている可能性もあり、また胆嚢をどのような方法で手術するか等、今後確認検討し方策を外科と消化器内科で対応を考えている。多少長い入院になるかも、とのことだった。
がっかりだ。当分固形物は食べられそうになかった。体重66.9kg。痩せたなあ。
外科部長が来て「明日午前中に造影剤を入れて、十二指腸の通り具合をレントゲンで確認し、通って入れは流動食に変えて体力回復を図る。一時退院もありうる。但し、胆嚢と十二指腸がたの臓器と癒着している場合は膵臓も取り除くような10時間程度掛かる大手術もありうる」とのことだった。何としても明日の検査だな。

入院11日目(13日・火曜日)
いよいよ「運命の日」だ。昨晩、鼻から入っていたチューブが抜けた。これだけでも助かる。午前11時から十二指腸の検査だ。普通の胃のレントゲン検査と同様の設備で造影剤を飲みながらの検査が始まる。医師たちが画面を見ながら造影剤の動きを追う。どうやら十二指腸は無事通過したようだ。一安心だ。この結果、本日より流動食を開始するとのこと。部屋に戻る。カテーテルを太い静脈に入れているので同時に3つの点滴が行われる。(写真:4)
医師がやってきて、今後の方針の説明があった。これから体力を回復してもらい、一旦退院し、自宅療養後に再入院し手術を行うとのこと。いずれにしても手術を行う体力の回復が必要だということだ。問題は胆嚢と十二指腸との癒着だが、これは開腹手術をしてみないと分からないとのこと。困りましたね。
造影剤の影響で下痢になり、トイレに何度も駆込む。最初は漏らしてしまった。何度目か漸く収まる。
さあ、待望の夕食だ。何?これ?出てきたのは飲料水のパックだった。(写真:5)
(写真:6)
125ml、100KCAL、たんぱく質2.5mg、脂質0mg、炭水化物22.5mg、食塩相当0mg、亜鉛10mg、銅1.0mg、リン22.5mgと言った具合だ。
明日の朝から流動食だというが、もう勘弁だ。
窓からの夜景だ。勝鬨のマンション群が見える。(写真:7)

入院12日目(14日・水曜日)
雨模様の朝だ。朝食の期待も空しく、飲み物だけだった。(写真:8)
主食なし。りんごジュース100cc、飲むヨーグルト100cc。熱量113KCAL、タンパク質3.3g、炭水化物11g、塩分0g、それに番茶一杯。味気ないね。
シャワーを浴びることが出来た。さっぱりした。気持ちいい。
外科部長がやってきて、これまでは順調に進み、問題だった十二指腸もきちんと通っているので、今後は体力回復を図り、予定としては連休明け5月6日に手術する方向で進めるとのこと。その間一旦退院し自宅療養となる。また体力回復のため歩くことや軽い運動をするようにとを言われた。方向性が見えたことで一安心だ。
昼食は少し質が変わり、摺り下ろしたものが出た。(写真:9)
主食なし。白桃缶(フルーツ缶)、枝豆摺り流し。熱量93KCAL、タンパク質3.8g、炭水化物15.39g、塩分0g。
夕食の時間だ。またまた流動食。(写真:10)
主食なし。具なしトマトコンソメ120cc、抹茶シェーク100cc、番茶一杯。熱量119KCAL、タンパク質4.5g、炭水化物15.54g、塩分1.3g。
どうやら、来週には退院出来そうだ。
今日は室内歩行30分、スクワット50回x3セット実施した。

入院13日目(15日・木曜日)
昨日のカロリーを計算してみよう。オレンジ色の大きな点滴パックが約1000KCAL,小さな白い脂肪分のパックが約500KCAL、そして3食で約300KCALだから合計約1800LCAL。従って成人男性の基礎代謝分は賄えている勘定になる訳だ。本日からは少しマシな食事になるようだ。あと何日か、退院が待ち遠しい。
朝食の時間だ。少しは形があるかと思えば、未だに液体でした。(写真:11)
(写真:12)
主食・重湯、牛乳200cc、野菜ジュウス100cc、味噌汁(具なし)、メイバランス200c。
熱量394KCAL、タンパク質15.9g、炭水化物54.07g、塩分2.2g。
部長先生がやって来て、「土曜日退院で進めます」とのことになった。漸く開放される。あとは体力強化だ。
昼食。(写真:13)
主食・重湯、カルピ牛乳200cc、流・野菜スープ、MCTはんぺん摺り流
熱量418KCAL、タンパク質9.3g、炭水化物46.01g、塩分1.8g。
いよいよ土曜日には退院だ。明日は栄養士との間で今後の食事について指導を受ける予定。
明日夕方には娘を含めて外科部長との面談も行う。最終説明だ。
夕食は、主食・重湯、コンクオレンジ大、清汁(具なし)、MCTカリフラワーポタージュ。(写真:14)
熱量358KCAL、タンパク質5.1g、炭水化物37.94g、塩分1.5g。

入院14日目(16日・金曜日)
朝食:主食・五分粥200g、ヨーグルト、味噌汁(サツマイモのみ)、のり佃煮、東部オロシあん、キャベツのユカリ和え。(写真:15)
熱量304KCAL、タンパク質13.6g、炭水化物49.23g、塩分3.1g。
栄養士と面談。手術までの食事についての指示を受ける。柔らかいものをゆっくりと嚙み砕きながら租借すること。禁止食べ物が沢山ある。当面従うしかない。
漸く点滴用のカテーテルが抜かれた。これで自由の身になった感じだ。
昼食:主食・五分粥200g、フルーツ缶ミカン缶、鰆の味噌あんかけ、白菜煮浸し、蕪と人参の炒め煮。(写真:16)
熱量359g、タンパク質20.5g、炭水化物42.70g、塩分2.5g。
夕方、娘も加わり、消化器外科の部長先生から詳細な状況説明とリスク提示があった。それについては後日説明する。
夕食(写真:17)
主食・五分粥200g、和風蟹玉(卵1個)、アスパラ・トマト柑橘ドレナ、ビーフン炒め、マンゴープリン。
熱量415KCAL、タンパク質14.9g、炭水化物49.67g、塩分2.4g。
いよいよ明日は退院だ。とはいえ帰宅すれば私一人。仕事が山積みになっている。掃除洗濯料理と大忙しだろう。でも早く体力を回復し連休明けの手術に備えなければならない。