「カルヴァリアとヴィエリチカ」
第4日目、6月8日(日曜日)
「カルヴァリアとヴィエリチカ」
ポーランドでは道路標識で頻繁に「鹿に注意」の表示がある。それだけ自然豊かなのだろう。ところが意外と「ネズミ」が道路脇でひかれている死骸を観た。それも小型の猫位の大きさのネズミだ。話しはポーランド経済だ。電力は大半が「石炭火力」だという。「原子力発電所」はない。石油はバルト海で産出されるが、大半は輸入だという。だからガソリンが高いのか。ガスは大半がロシアからの輸入だ。2005年にEUに加盟してからは「NATO」にも参加、「ユーロ」は使われていないが、市場では流通している。自動車は「ノックダウン」方式で自国ブランド車はない。最も驚いたのは「墓地」の光景だ。お墓には本当に驚くほどの美しい花が飾られていた。聞くとポーランド人は田舎なら毎週墓地を訪れ、花を飾るという。今、午前2時、駄目だね、時差ボケが一向に解消しない。昨日は、昼は「豚肉」、夜は魚の「タラ」を食べたと記憶してるいが、食事制限しているのでよく覚えていない。さて、古都「クラクフ」の人口は70万人、その内30万人が学生だという。「学生の街」なのだ。14世紀に建てられたポーランド最古の大学もここにある。ポーランドの国旗は日本とよく似ている。白と赤の旗だ。上半分が白、下半分が赤でこれは日没を意味しているという。日本とは真逆だ。ポーランドの産業について現地ガイドの「マチエイさん」に聞いてみた。すると農産物や酪農製品が輸出品だが、東欧の人件費の安さで西側からの「アウトソーシング」が今は産業の中心になりつつあるという。彼自身も「アナリスト」としてイギリスの銀行の人事管理の下請け作業をしているという。東西の格差もまだ依然としてあるのが現実だという。実は私は旅行直前の水曜日に「大腸内視鏡検査」を受け、2mmのポリープを除去した。その際に「旅行やアルコールは当分駄目ですよ」と言われていたが、無視して旅立った。まあ、なんとかこれまでは体調は問題なく過ごせている。今日の観光の最初は世界遺産「カルヴァリア・ゼブジドフスカ」の教会に行くことだ。だが日曜日だから「ミサ」をやっていた。私が教会の一番後ろの席に座っていたら、「ミサ」が始まってしまい、皆が起立して讃美歌を歌いだした。抜け出すことも出来ず、仕方なく皆に合わせて立っていた。10分位して歌の合間に教会を出た。その後、同じく世界遺産の「木造教会」群を訪れた。白川郷のような建物の小さな教会がこの地方には200以上あるという。最後は「ヴィエンリチカ地下岩塩採掘場」を観た。地風深く潜って岩塩を採掘した後の場所だ。数十kmもある坑道が網の目のようになっているところの一部を歩いた。トンネルには扉が沢山あり区切られている。そして一つの部屋に入って後ろの扉を閉めてから、前の扉を開ける。こうしないと空気が急激な流れになってしまうようだ。多分大量の空気を地上から送り込んでいるからだろう。さて工夫たちは広い空間を地下に造り、そこを礼拝堂としたのだという。素晴らしい地下教会もあった。ここは1978年に世界遺産に登録されたという。ユネスコが世界遺産というものを作った最初の「登録第一号」の一つだという。可哀そうだったのが、馬たちだ。地上から入れられた馬は死ぬまで暗い地下空間で暮らしたのだという。勿論労働させられてだった。嫌がって暴れる馬を地下に入れる。恐ろしいというか実に可哀そうな話しだった。