「ベルゲン」

「ベルゲン」
8月15日(金曜日)
ホテルで感じたことなのだが、ベッドの幅が極端に狭い。90cmほどだ。それに対して掛け布団の幅はベッドの1.5倍はある。理由は寒い地方なので芋虫のように丸まって寝るからだという。寝がえりをうたず熱を逃がさないためなのだろうか?またホテル前の駐車場には「プラグ」が設置されていて、プラグインハイブリッド車が使用できるようになっていたのには驚かされた。また、ノールウェイが裕福なのは「北海油田」から産出される原油と天然ガスの輸出が大きく貢献しているという。だから一番の産業は原油ビジネスだとか。これにより財政黒字、貿易収支黒字が保たれる優等国なのだ。またこの国のエネルギーの基本は水力発電による電力で家庭では暖房も給湯も炊事も全て電力で賄われているという。冬場はマイナス20度になることもあるのでそんな時は補助に薪ストーブを使うという。年休は5週間、60歳以上は6週間取れる。定年は67歳。普通の子供は18歳になると親元を離れて独立する。大学には国から資金を借りられるので基本的に全ての人が大学に通えるという。介護も福祉も教育も医療も全て無料の本当に素晴らしい国なのだ。
今日午前中はベルゲンの観光だ。この街の歴史は10世紀にノールウェイの首都として出来た古い街だとのこと。200年後には首都はオスロに移ったが、それまで、またそれ以降も重要な貿易港として栄えたという。フィヨルドの奥にあるベルゲンの港は北緯60度にあるのだが海が凍結せず、干満の差も殆どない良港だという。昔からタラを乾燥させたものをドイツ人のハンザ同盟の手を借りてヨーロッパに輸出していて繁栄を極めた。そしてノールウェイは今も非常に裕福な国だという。国民一人当りのGDPは世界第8位、勿論日本より上だという。年収の平均が700万円で所得税と年金で28%収入から引かれるらしいが、老後の心配が全くないので、貯蓄する人がいないという。ノールウェイ人は貯金しないと言ったが、実際には金利にも元本にも税金が掛かるのだという。元本にまで税金が掛かるから貯金せずに消費に回されるのだ。消費税25%も大きい。食料品は別だそうだが、恐ろしい高率だ。物価が高くても収入は食べるだけで、医療や学校等公共のものは全てただだから、皆ゆとりある生活をしているらしい。ベルゲンの人口は約27万人、内20%が公務員、最も単独で多い事務所は国立病院で1万1千人、学生が3万人、大企業はなく、中小企業の街のようだ。高収入、高物価、高税金、しかし高福祉だというから日本人の視点を変えて生きるという道もあるというものだ。ハンザ同盟のドイツ人のみが400年間暮らしていたのが、「ブリッゲン」地区というのが港の中心にあり、木造の倉庫街が世界遺産に登録されていた。地盤が悪いので家は傾いていたが、それでも今も一階は土産物店やブティック、画廊、二階以上はオフィスとして使用していた。火事で2回ほど焼け落ちたが復活されて現在に至っているという。小さな街だが、毎日フィヨルド観光のクルーズ船が訪れ、人気の観光地でもあるのだった。フィシュ・マーケットでは「ヘラジカ」「クジラ」「トナカイ」のサラミがあった。大きなタラバガニや海老、貝類、キャビアもあった。但しここのキャビアは魚の卵は全てそう呼ぶのでチョウザメのではないとのこと。海老などのすり身をチューブに入れたものもあった。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。