「走る自転車」

4月20日(月)
メキシコ・シティの自動車の氾濫は物凄いものがある。ラッシュアワーは本当に大変なようだ。これに対して市は自転車の使用を勧めているようだから、市内の主な道路には自転車専用車線やバスと自転車専用路線が右端にあるようだ。だが、余り走っているのは見掛けなかった。勿論地下鉄もバスも走っているが、ステイタスか皆自動車に乗るようだ。地下鉄には下層の貧乏人しか乗ってないと地元ガイドが言っていた。人口1億2千万人弱、日本に次いでの人口を抱えるメキシコは、混血が70%、20%がヨーロッパ系、残り10%が61の少数民族のネイティヴだという。恐らくメキシコの産業というか商業というか、資本の大半は白人が握っているようで、私立学校へ通うとなると高額な授業料を払わなくてはならないから、極々一部のエリート層しか行けないという。何と月額30万円だというから驚きだ。彼らは車での送り迎えか、自分で運転して通学するという。更に驚きは国土の広さが日本の5倍なのに、そのうちの3分の1が嘗ては外国人の所有だったというからまた驚きだ。識字率が低かった文盲の農民が農地を騙され奪われたという。それを農民と共産主義者が立ち上がって革命が起き、今のメキシコ合衆国になったという。さてメキシコ・シティ自体は広大な湖の中にあった島にアステカの首都があり、島に多くの道が陸地から繋げられていたという。それで湖を干拓して出来たメキシコ・シティを中心として、車で5時間以内の場所に今や日本の自動車メーカーが本格的に進出している。確かに街を走る車の大半は間違いなく日本車だろう。日産、マツダ、ホンダ、トヨタ、スズキ、三菱、スバルと色々な車に出会う。勿論アメリカ車も欧州車も韓国車走っているが、日本車がずば抜けていると言えよう。日産は1960年代に進出したというから愛好者も多いようだ。話しはスペインが攻め来た時代に戻るが、1510年にスペイン人がアステカ王国に来た時には祭壇で多数の「生贄」が捧げられていたという。3年後、そこにフランシスコ会の修道士たちがやってきて生贄という残酷なことを止めさせるために、アステカの宗教家を集めて全員焼き殺したと言う。約1000人だったというのだ。当時から農耕民族のアステカの人たちは雨乞いには頭のつむじが二つありよく泣く子供を生贄にしたという。つむじは蛇の目、涙は雨を表していたという。アステカの象徴は「翼のある蛇」即ち龍である。この蛇が雨を呼ぶと信じられていたらしい。また太陽は東より元気よく登るが、西に力なく沈んで行くので、太陽の力を増すように、生贄の心臓を捧げたという。これには戦争で捕虜にした人たちを使ったようだ。残酷だが宗教的な儀式として度々行われていたらしい。邪教をなくすというのが宣教師たちの信念だった。少数のスペイン人たちが勝利したのは「鉄、銃、疫病」によるもので、免疫のない原住民は大半がこれで死んだと言われている。今日は午前中「オリンピック・スタジアム」と「国立大学」の壁画を見てから、午後メキシコ・シティの南南西にある「ソチカルコ遺跡」に行ったが、途中3000mを超す峠を越えた。ここに日産自動車の工場があるという。まあ、それでも田舎だ。遺跡はピラミッド構造をしていたが、観光客は全くいなかった。この遺跡はアステカ王国の前の「トルテカ文明」(AD650?900)の時代のもので天文学が進んでいたことを示す天文台が印象的だった。洞穴の天井に穴を通し、その上を通る太陽の動きから一年を計ったという。春分と秋分の間の年2回だけ、この穴の真上に太陽が来るというのだ。マヤ文明を引き継いだトルテカの暦には2つの暦があり、365日(農業のための暦)と260日(宗教的儀式のための暦=20進法x13の神々)の二つの異なる歯車が同じ歯車通し重なるのが52年後いうと何だか不思議な数字になるという。この52は天文台の穴から出る太陽の行き来と同じだという。これは次のアステカ時代になり更に発展されたという。
さて、食事だが、メキシコ人の主食は「トルティーヤ」というトウモロコシの粉を練って焼いたものだ。北京ダックの皮のように焼き立てだから熱くて美味しい。これに色々な具材を挟んで食べるのが「タコス」だが、青唐辛子と青唐辛子のミックスした辛いものや、果物のアボカドを潰してペースト状にしたものなどの調味料市場が出て来て、色々と合わせて食べるというシンプルなものだ。このトルティーヤは冷たくなると固くなって不味いという。「マス」というと追加してくれた。夜は「マリアッチ」の演奏付の夕食だ。中々切れの良い歌と音楽で観客も舞台に上がって踊り、最高に楽しい夜だった。我がグループの女性陣も積極的に踊りの輪に参加して楽しんでいた。プロの歌と音楽はやはり素晴らしい。十分に楽しめ夜だった。最後は我々のために美空ひばりの「川の流れのように」をスペイン語と日本語で歌ってくれた。

「2015年の映画のお話し」
映画「名探偵コナン」(TC日本橋にて) 私的批評眼(J’CRITICAL EYE)★★★(今年64作目)
今回は「ゴッホの向日葵」の絵を巡る事件。いつもながら大人も楽しめる。

映画「グッド・ライ」(TCシャンテにて) 私的批評眼(J’CRITICAL EYE)★★★(今年65作目)
アフリカの紛争地帯から難民としてアメリカに渡った4人の兄弟と妹の物語。アフリカと現代アメリカの風土の違いが良く描かれている。

日経新聞4月24日夕刊の「シネマ万華鏡」の評価によれば、「マミー」が4つ星、「龍三と七人の子分たち」が4つ星、「イマジン」が4つ星、「あの日の声を探して」が3つ星、「シンデレラ」が3つ星、「ラスト5イヤーズ」が2つ星、「群盗」が3つ星でした。

「私の去年2015年の映画の評価は?」あくまで私の私感ですからね!!
今年の★★★★★は、「ドラフト・デイ」「アメリカン・スナイパー」「博士と彼女のセオリー」「中島みゆき」
今年の★★★★は、「ゴーン・ガール」「トラッシュ」「スパイ・レジェンド」「アゲイン、28年目の甲子園」「おみおくりの作法」「ビッグ・アイズ」「KANO」「深夜食堂」「シェフ」「パリよ、永遠に」「ソロモンの偽証」「くちびるに歌を」「イミテーション・ゲーム」「バードマン」「ギリシャに消えた嘘」

「2015 旅の記憶シリーズ」
2015年の国内旅行は、1月に福岡(博多)、大分(中津)、佐賀(武雄温泉)、岐阜(白川郷、)、富山(五箇山、氷見、高岡)、新潟(越後湯沢)、3月は長野(長野)、千葉(銚子)を訪れました。

2015年の海外旅行は、2月のアメリカ(ハワイ)、3月のウズベキスタン(61カ国目)、4月のメキシコ(62カ国目)でした。

「2015年 歌舞伎観劇シリーズ」第1回目=2月大歌舞伎(歌舞伎座)、第2回目=4月大歌舞伎(歌舞伎座)

「2015 本の記憶シリーズ」
「光圀」(佐伯 泰英 著)光文社文庫 私的批評眼(J’CRITICAL EYE)★★★(今年98冊目)
「古着屋総兵衛初傳」

「奇策屋見届け人 仕掛の章」(関根 聖 著)角川文庫 私的批評眼(J’CRITICAL EYE)★★★(今年99冊目)

「掟破り」(小杉 健治 著)光文社文庫 私的批評眼(J’CRITICAL EYE)★★★(今年100冊目)
「般若同心と変化小僧」シリーズ第7弾

「幸せの小福餅」(風野 真知雄 著)講談社文庫 私的批評眼(J’CRITICAL EYE)★★★(今年101冊目)「隠密味見方同心」シリーズ第3弾

「闇同心そぼろ」(坂岡 真 著)幻冬舎文庫 私的批評眼(J’CRITICAL EYE)★★★(今年102冊目)

「さくら 」(佐々木 裕一 著)双葉文庫 私的批評眼(J’CRITICAL EYE)★★★(今年103冊目)

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