4月23日(木)
カリブ海のリゾート地「カンクン」への移動だ。途中、メキシコで二番目に有名なマヤの遺跡「チチェン・イツァ」に行く。入り口を入ると道路の両側に沢山の店が出ている。世界遺産の敷地内では本来禁止されている物売りだが、彼らマヤ人の子孫たちは黙認されているという。元々が彼らの土地であり、一応テンポラリーな店なので許されているらしい。そこで驚いたことはメキシコの最低賃金だ。法律によって許されている最低賃金は、一日8時間労働で5USDだという。これでは生活出来ない。遺跡内の店も小さなものは1ドル、中型のお面などは25ドルで売られていた。また不思議なことに彼らは客引きをしない。我々が通ると「こにちわ」、「貧乏プライス」と声を掛けるものの、積極的な売り込みはしない。それこそどこの観光地に行っても皆さん物売りのしつ濃さには閉口していただろうが、マヤではそういうことはなかった。写真は自分の店で売る木彫りの品物を作っている男性だ。何か侘びしかった。話しは変わるが、メキシコ人たちは楽観主義者らしく、自殺者の最大の原因は失恋だというから驚きだ。またアメリカへの渡航は非常に厳しく、お金持ちでないとVISAが発行されないという。持家や車所有の有無、預金残高等が必要で要は不法滞在させないということだろう。だから不法入国を企てる貧しい人たちがあとを絶たない。また賄賂が当たり前の世界で、警察官の8割は賄賂を受け取っているという。所々で交通違反の摘発を行っているらしいが、これは警官の小遣い稼ぎで違反切符を切る振りして賄賂を取るという。こちらでは運転免許証は最初に発行されてそれから運転の練習を知人に助手席に乗ってもらって習うらしい。免許試験も賄賂で簡単に通過出来るらしい。運転は乱暴だし、ウインカーを出さない人が沢山いるというから怖い。夏の高速道路では路面は加熱され、そこを猛スピードで走るからタイヤが焼けてバーストする。だから事故も多いらしい。遺跡の近くに地下水脈が姿を現している天然のプールがあった。神秘の泉「セノート」というもので、水深50m、澄み切った水で皆泳いでいた。地上から数十メーター下の水面へダイブする人もいるらしいが、死者も多いという。ユカタン半島には恐竜時代に巨大な隕石が落ちて、それが原因で恐竜が絶滅したという話しがあるが、直径180kmもの穴が開き、それがユカタン半島だったという。この半島、地表の土は60cmほどしかなく、従って樹木は低くしか伸びない。疲れて寝ているうちにカンクンに到着、ここは正にアメリカのリゾート地だ。マイアミを真似て作ったという街で、45年経つという。今ではアカプリコを抜いてしまったというほどの人気リゾート地だそうだ。ホテルはオールインクルーズドというシステムで飲むのも食べるのも好き勝手というものだそうだ。
4月24日(金)
ユカタン半島を南下してマヤ文明最後の遺跡「トゥルク遺跡」に向かう。カリブ海に面した遺跡でここは混み合っていた。旅の報告は取り敢えずここまでとしよう。本当に暑いので疲れ果てたと言っておく。