「ミケランジェロ展」

J  REPORT2018年 7月第2週」
「リタイアメント・ノート 10年1ヶ月目」
「VOL.1063号 SINCE AUG.12th、1983」
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「ミケランジェロと理想の身体」
上野の国立西洋美術館で開催中の「ミケランジェロ展」を訪れた。(写真:M1)M1
副題に「神のごときと称された史上最高の芸術家。奇跡の初来日。天才の生み出した傑作」とあった。
ルネッサンスの巨匠であるミケランジェロは、自身を「彫刻家」だとしていた。
唯一写真可能であったのが「ラオコーン」という作品だったが、これはミケランジェロではない。トロイ戦争を台座にして造られたもので、ヴィンチェンツォ・デ・トッシ作だ。周囲を回って撮影した。1584年(写真:M2)M2
(写真:M3)M3
(写真:M4)M4
(写真:M5)M5
(写真:M6)M6
パンフを観てみよう。表紙はミケランジェロの「ダヴィデ=アポロ」(写真:M7)M7
壮年期(50歳代、1530年頃)の傑作と言われている。未完の作品だ。身体が微妙にS字を描いている。
パンフの裏を観よう。(写真:M8)M8
左から「聖セバスティアヌス」。マリオット・ベルティネッリ作。1509-10年。
その隣は「ヘラクレス」。作者不明
まず子供の絵は「遊ぶブットーたち」。スケッジャ作、1450-70年
その下の彫刻は「ブットーとガチョウ」。作者不明、1世紀半ば
パンフの内側(写真:M9)M9
右の彫刻は「若き洗礼者ヨハネ」。ミケランジェロの作品だと、近年判明したもの。サン・ピエトロ寺院の有名な「ピエタ」を造る前、20歳代の作品だ。ラクダの布衣を羽織っている。日本公開初作品だ。
一度ご覧になることを薦めます。

「国立西洋美術館・常設展Ⅴ」
先日の日経新聞に「松方クレクション 悲願の全容解明」「美術史研究 前進に期待」との記事が載っていた。新しい資料の発見があり、これが今月に刊行予定の総目録に繋がるという。期待が膨らむ。

「アルジェリア風のパリの女たち」(写真:B9)B9
ルノワール作 1872年
ルノワールはドラクロワの作品から場面設定を借りながらも、縦長の画面に対角線を強調した動きのある構図を作り、さらに裸体の女性たちを中心に添えて独自色を出そうとしている。オリエント風を装ったパリの売春宿と見做されるまでに戯画化した感がある。

「花の中の子ども」(写真:B10)B10
マネ作 1876年
印象派の画家たちの尊敬を集めつつ、グループ展には参加しなかったマネであるが、1870年代には彼らの技法を取り入れた。光溢れる戸外の人物像を明るい色彩とスケッチ風の筆致で描いた本作にも、その試みを見ることが出来る。

参考資料「MASTERPIERCES The National Museum of Western Art,Tokyo」編集:国立西洋美術館
絵の注釈は全て同上の本から抜粋しています。