「RICE BOWL」

「RICE BOWL」
第70回ライスボウルが3日、東京ドームで開催された。1階席はほぼ満席、更に2階席も8割以上の埋まり具合だ。これほどの観客が入ったのは初めてではなかろうか。(写真:R1)

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盛り上がってきて、いよいよ選手入場。フィールド中央でエールを挙げる2チーム。まずは社会人日本一の「富士通フロンティアーズ」。(写真:R2)
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そして挑戦者は大学日本一の「関西学院大学ファイターズ」。(写真:R3)
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キックオフは麻生太郎氏。(写真:R4)
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試合は最初から富士通が圧倒する。関学はどんどん押されに押されて、結局フィールドゴールを許す。(写真:R5)
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得点は3:0で富士通が先行する。(写真:R6)
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その後、もう一本長いフィールドゴールを富士通が決めて6:0。更にQBキャメロンからのパスが見事に決まり、12:0(写真:R7)
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トライ・フォー・ポイントもキックで決めて13:0とリードを広げる。(写真:R8)
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またまたパスが見事に決まる。19:0(写真:R9)
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前半戦は、20:0で終わる。(写真:R10)
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富士通のQBキャメロンは192cm、93kgの26歳。アメリカはルイジアナ工科大学卒でプロのNFLを目指していたが、外れて富士通に入社したという。今後は日本でアメリカンフットボールの普及に努めたいという優等生だ。スケールも凄いが、最も驚かされたのは彼のパスの投げ方だ。完全に頭の後から腕を振り下ろす本格派の剛速球QBなのだ。日本人は腕も短いし手も小さいので、頭の右上から投げ下ろす。或いは3クォーターから投げる。ところがキャメロンは完全に頭の真後ろから手を振り下ろしている。完全なオーバースローだ。これが早く、低く、正確で、そして長いボールを投げられる原因だろう。続いてエース・ランニングバックのゴードン。日系人の血を引く黒人だ。178cm、85kg、24歳はハーバード大卒のインテリだ。ディフェンスにも助っ人がいる。LBのニクソンは186cm、106kg、24歳、ニューメキシコ大卒。DBにはアディヤミ、178cm、85kg、25歳、サンディエゴ大卒。彼らが素晴らしい動きをしている。オフェンスではQBを守るパスプロテクトが完璧でキャメロンはじっくりとターゲットを探し、そして素晴らしいスピードでレシーバーのポケットに見事な玉を投げ込む。走ればRBが相手を引き釣りながら進む。関学にとっては全く体力、スピード、技術、何を取ってもその差の大きさに驚かされただろう。奇策を使うが、殆ど効かない。母校で富士通1年生のQB「高木翼」君は3軍で結局出番はなかったが、やはり社会人のレベルの高さが際立っていた。20分のハーフタームショーもあっという間に終わった。(写真:R11)
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富士通サイドではチアガールさんたちが頑張って応援している。後半も富士通がFGを決めて、その差を開く。23:0(写真:R12)
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だが、関学も意地を出して、漸くTDを奪い、2ポイントコンバージョンを試みるが失敗。23:6(写真:R13)
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富士通キャメロンからの絶妙なタイミングのロングパスがエンドゾーンの81番中村にドンピシャで決まる。29:6(写真:R14)
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TFPも決まり、30:6。関学も最後の反撃でランプレーでTD。30:12(写真:R15)
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TFPも今度はキックで決めて、1点追加、30:13となる。(写真:R16)
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そして試合終了。(写真:R17)
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興奮する応援団。MVPにはQBのキャメロンが順当に選出された。今回の試合には富士通OBで友人のK君からチケットを分けてもらい入ることが出来たが、席の確保に試合開始3時間前から並んでくれた同期のY夫妻にも改めて感謝申し上げる。それにしても富士通のレベルの高さに学生は全く手も足も出なかった。昨年の覇者パナソニックやIBM、そして一時代を築いたオービック等社会人を破る大学が出るのはよほどのことがないと無理だろうと感じた試合だった。因みに富士通の選手は皆現役の富士通社員で練習は土日休日のみ。あとは自主練習だそうだ。追伸、前述のK君によれば、キャメロンが加入した当時、パスレシーバー達は彼の早い強いボールをキャッチ出来なかったという。それが捕球出来るようになったこともチームの躍進の一つなのだろう。キャメロンから得られた魂はこれからも富士通に残るのだろう。

「エース 李 卓 君の夢」
母校の主将でエースランニングバックの「李 卓(リ たく)」君がJAL入社が決まったという。最終の立命館戦ではどうも肋骨の骨折のようで心配されたが、いずれにしてもリーグ戦7試合の結果、彼は勿論「TOP8」リーグのリーディングラッシャーとなった。キャリアー124回、獲得ヤード975ヤード、平均7.9ヤード、TD数15回は素晴らしいとしか言いようがない。彼はキックオフのリターナーもやっており、リターン数4回、獲得ヤード152ヤードなので、実質1000ヤードラッシャーの称号を与えてもよいバックスだった。恐らく今後10年や20年は現われない逸材だったといえよう。彼は名古屋の南山高校でもRBとして大活躍し、各大学がリクルートしていたが、結果母校に入学してその実力を発揮した。そして彼が卒業後の道として選んだのが、「JAL」、それもパイロットへの道だという。彼の夢がいつの日か花開き、太平洋の空を飛ぶ日を楽しみにして応援したいと思う。李君、本当によくやってくれた。母校の誇りだ。