「スペインの旅、後記、ガウディの死」

「J  REPORT 2016 5月第2週」
「リタイアメント・ノート 7年11ヶ月目」、
「VOL。949号 SINCE AUG.12th、1983」
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 sekoguti@aa.e-mansion.com

「旅暦66、三度目のスペインの旅、後記、ガウディの死」
「時差と夏時間」
不思議だったことがある。時差の問題だ。到着したスイスのチューリッヒは日本との時差が7時間だった。夏時間を使っているので、普通ならば8時間の時差のはずだ。ところが移動したスペインも同じ7時間の時差だった。地球一周360度を24時間で割れば1時間は15度になる。標準時のロンドンの経度がゼロ度。この線はパリの西、スペインではバレンシアを通過する。そして東経15度の線は、チェコのプラハやオーストリアのウィーン当たりを通る。東経30度はロシアのサンクトペテルブルグやウクライナのキエフ、トルコのイスタンブールを通過する。ということはスペインは本来の時間帯(ロンドンと同じ時間帯)ではないヨーロッパ時間帯を使っていることになるのではなかろうか?だから夜明けが午前7時、日の入りが午後9時と極端な夏時間になっていた。(写真:バルセロナの夜明け)

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「国民性と時間」
ラテン系の民族は皆時間にルーズだ。待ち合わせ時間になっても我々のバスが現われない。添乗員さんが何度電話しても出ない。どうなっているのか?時間丁度に現われることはなかったが、それでも遅れてでもやってくるのが国民性なのだろうか?因みに運転手はポルトガル人だった。(写真:アルハンブラ宮殿の庭にて)
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「サグラダ・ファミリアの奇跡」
ガウディが造り始めてから既に100年以上経っている。少し前はあと300年は掛かると思われていた大聖堂だが、これだけ巨大なものを造るのに、力学上の色々な問題を解決するためにガウディは砂を袋に入れて逆さまに吊り、これで建物の形を考えたという。その模型が写真だ。(写真:逆さまのサグラダ・ファミリアの設計)
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ところが今はコンピュータで計算出来、更に3Dプリンターで詳細を作ることができるので細部の設計も直ぐに完成するそうだ。だから後10年でこの大聖堂は完成するというのだ。科学の進歩は素晴らしいとしかいいようがない。とことでガウディが死んで100年が経つ。彼は実はバルセロナ市内で市電に轢かれて死んだという。だが芸術家らしく非常にみすぼらしい格好だったので、浮浪者の死体として始末され、数日間放置されていたという。その後ガウディだったと判明したという。何故市電、所謂路面電車に轢かれたのだろうか?謎の死でした。

「貧富の差」
失業率が20%を超えるスペイン。また先進国病でもある「少子高齢化」の波がスペインも襲っていた。出生率は1.1だというから驚きだ。また依然として過去の貴族たちが保有する広大な私有地があるという。貧富の差は益々広がっているのだろう。街で見た大きなゴミ箱。分別仕分けて捨てられていないのでごみ焼却炉の傷み激しいという。だからある意味無責任な人たちだとも言える。(写真:大きなゴミ箱)

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過去の大航海時代の栄光を今も追っているのだろうか。EU内の南北問題の根は深い。

「スカート」
海外を旅行していて思うことに実に女性のスカート姿が見当たらないということだ。稀にスカート姿の人を見掛けると70歳以上の高齢の女性なのだ。しかし、日本では若い女性もスカートを履いている。だが海外では殆どの女性がスラックス姿だ。何故なのだろうか?(写真:太陽の広場の人びと)

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「灼熱の太陽」
グラナダの街中にある「ユダヤ人街」の一角。観光客が必ず訪れる場所だ。白い壁に青いバケットに花が植えられているのは前回ご紹介した。それにしても太陽が眩しい。スペインの位置は日本では東京から青森位の緯度に当たる。それにしても南国の太陽そのものだ。紫外線も凄い量だろう。だから皮膚がんの人が多いと聞いたことがある。不思議なのはマドリードの朝、気温8度、半袖の人もいれば、ダウンジャケットを着ている人もいた。(写真:ユダヤ人街)
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スペインは、南米を征服した国でもあり、アジアではフィリピンの宗主国でもあった。今、その栄光は失われたが、漸く最近はサッカーで強国として蘇っている。そしてスペイン語は今や全世界での共通語の一つにもなりつつある。過去の栄光は決して失われてはいないと思っている。