「癌闘病記―第29回」
いよいよ退院の日となった8月30日金曜日。聖路加国際病院地下にある理髪店で散髪をした。ヘアカットから髭剃りにマッサージ、本格的な洗髪と最近ではQB HOUSEばかりだったので20数年振りの理髪だった。(写真:A1)
N君が修正に修正を重ねてくれた写真だ。(写真:A2)
思い出せばやはり中々の夕食が提供されている聖路加国際病院だ。(写真:A3)
味は確かに美味しい。病院食とは思えない美味しさだろう。
そして退院したのだが、翌日31日の土曜日、朝から足が腫れっぱなしになった。折角退院したばかりなのに、この腫れと尿の排出量の少なさから腎臓に問題があると思われ、午前9時に聖路加国際病院に電話をして指示を仰いだ。特に水分補給に注意するようにとのこと以外に何もないから暫く様子見するようにとのことだった。
しかし、夜9時には更に足の腫れは進んだ。今度は救急外来にタクシーで駆け付けた。
採血をして2時間後、少し尿意を感じたのでトイレに行く。その直後に尿を採取するようにとのこと。未だしたばかりだよ。それも出し切ったばかりだよ。結局水を飲み数十ミリ程度の尿を出して、次回の外来時まで待つようにとのこととなった。一体何だったのだ。兎に角尿が出ていないので血管から水が漏れ出しているとのことだったが、特に今直ぐに問題になることはないということで帰宅を許された。
2日月曜日になると両手も腫れて来ていた。これも腎臓の影響なのだろうか?仕方なく4日の緩和ケア―での新設時に相談することとしたが、不安である。この時体重は既に5kgあっという間に増えていたのだった。これ全て体液によるものなのだろう。
4日水曜日には「緩和ケア」の診察があった。娘に同行してもらい何とか病院に行けた。そこで医師に相談すると、当初受けていた消化器外科の主治医の指示とは全く違う指示を受けた。緩和ケアの医師は元々腎臓が専門であり、足のむくみは腎臓から来ていて、利尿剤を出すから水分は控えめにすることだというのだ。血管内から溢れた水分が足や腹水に溜まり本来流れるべき尿に流れていないのだという。方針大転換で今後は水分の摂取と塩分に気を付けながら利尿剤で溜まった水を尿から流すというのだ。兎に角パンパンに腫れた足からは悪くすると細菌が入り壊死してしまうこともあるそうだというのだ。まあ老い先永くないとは言え、更に足の切断などになれば大変だ。全く困りました。
それと床ずれも酷くなってきた。まずは寝具のマットを特別製のものに変えることとする。
訪問介護の医師と看護士がやって来て、週2回の看護士による足の洗浄とマッサージ、薬の塗布等を行って貰えることと2週間毎の医師の訪問診療が決まった。まずは腫れあがった足を元に戻すことが先決だが、漸くスタートラインに立ったということだ。さあ、成果はいつから出るのだろうか?一歩前進なことは間違いなさそうだ。
以上、秋風よりもまだ夏の暑さが抜けない東京から㔟古口がお送りしました。
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次は前週のJ REPORTに続きます。