「十手、十戒、十徳」
皆様はこの三つの文字を何と読みますか?
答えは「十手」=「じって」、「十戒」=「じっかい」、「十徳」=「じっとく」と読みます。
どうやら漢字が中国から伝わった時に十という漢数字の発音が日本語にはなかったために、持ち帰った留学僧たちの耳に残った発音から来ているようです。
中国語が日本に伝わった当時の発音は「呉音」であり、十という数字の発音を留学僧は今でいえば「ZIP」と聞き取ったようなのです。勿論発音記号などがない時代、頼りになるのは耳からの音のみ。この音からPの音が消えて日本語では「じっぷ」が「じっ」と「じゅう」の二つの音で表されたらしいというのが最近の研究結果だとNHKラジオが伝えていました。でもこういった発音も消えゆくのでしょうね。
因みに、「十手」は捕物の際に使用する先が二股に分かれた道具で、「十戒」はモーゼの十戒を、「十徳」は江戸時代、儒者や俳諧師、医師などの学者らが着用した着物です。